こうゆづ☆の【とおまわり】

令和元年12月に、ブログタイトルを変更しました。心の動くままに、とっちらかったテーマで書いています。

妖怪noことほぎ★今日と明日の30文字なるもの【the 22-23th】

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。皆さまは、【雨の匂い】と聞いて、どのような匂いのことを言っているのか、ピンとくるでしょうか。子どもの頃、〈雨の匂いがする〉と、誰かが言い出すと、みんなで急いで、雨にうたれない場所へと、移動をしたものでした。周囲では、当たり前のように使っていた言葉だったのですが、転勤で東京にきたときに、この【雨の匂い】という言葉が通じない人たちと、初めて出会いました。

どうも、この言葉、地域性という訳ではなさそうなのです。なぜなら、東京出身者でも反応する人はいるし、逆に、地方出身者でも〈なんのことだか分からない〉と、首を傾げる人もいるからです。おそらく、【雨の匂い】というのは、人それぞれの感覚、嗅覚で認識したものを、どのように表現するかにより、全く異なる景色がみえてきそうです。

私も、改めて、〈どう表現しますか?〉と聞かれると、難しいです。ただ、大気が湿り気を帯びた匂いがします。ねっとりと肌にまとわりつくような、少しカビっぽい匂い。だからといって、不快かと聞かれると、そうでもない。アスファルトで舗装された道であれば、埃が大気中で水分を含んだようなスワッとした匂い。田んぼの道であれば、土・草が湿り気を帯びてモフッとした匂い。なんだか、全然伝わらないですね…。私も書いてみて、あまりの表現力のなさに、ガッカリしました。

とにかく、〈雨が降りそうだ!〉という感じの匂いです。ツバメやカラスなんかが、低く飛行しはじめると、雨が降りそう!というのは、恐らく聞いたことがあるのではないでしょうか。そして、雨がやみ始めると、私の印象では、いの一番にカラスが鳴きはじめる気がします。

今日も、カラスが雨が止む頃に、『グォワー、グォワー』と鳴いていて、そのカラスの出鼻の声が、ものすごく調子が悪そうで、笑ってしまいました。でも、不思議と何回も鳴くうちに、カラスの声も透き通ってくるのですよね。最後の方は、『クォワー、キュオワー』と美声を響かせていました。エコーがきいていて、面白かったです。カラスは、他の鳥に比べて、鳴き声の個体差が、わかりやすい気がします。

 

おっと、前置きが長くなってしまいました。それでは、今日も妖怪がおくる【今日と明日の30文字なるもの】へ、いってみよー!

 

【0529】今日の妖怪365

キジムナー:自業自得 (あるいは、因果応報)
《はじめの一歩》身体を動かしたり、興味のあることに挑戦したりして、エネルギーを活性化しましょう。

 

【0529】明日の妖怪365

文車妖妃(ふぐるまようひ):心の仇は心
《はじめの一歩》言いにくいことも、思い切って伝えてみましょう。真心は、必ず相手に伝わります。

 

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今日の妖怪は【キジムナー】でした。キジムナーは、別名をキジムン・プナガヤーなどと言うのだそうです。赤い顔と長い髪をもつ子どものような大きさをした、ガジュマルやセンダンの古木を住処としている木の精霊です。ガジュマルの木といえば、南国地方の幸福をもたらす木のイメージですが、沖縄地方に伝わる妖怪です。

水木しげるさんが描いたキジムナーは、まん丸の顔にまん丸の眼、この眼玉の焦点は、変にずれたように描かれているので、なんだかちょっと不気味で、あまりかわいくないです。他にも、実に様々な方がキジムナーの絵や物語を書いていますが、それぞれ少しずつ違っています。【赤色、子ども、木の精霊】というのは、共通認識のようです。

キジムナーの伝承は、いまいち、どれが正しいのかよく分かりませんが、キジムナーにやさしくすれば、仲良く、富を約束され、邪険にすれば、途端に、豊かさを失い、二度と富は訪れない…といった、おっかない面を本質にもつ妖怪のようです。

できるだけ、妖怪の性質をニュートラルに捉えたいので、良くも悪くも使用される【自業自得】を選択しました。しかし、どちらかというと【因果応報】や【目には目を歯には歯を】の意味合いの方に、妖怪の本質としては、近いのかもしれません。

キジムナーは、魚が好物で、漁にはよく姿を現したという、伝承があります。魚の左目だけを好んで食べたらしく、その残りは、漁師の分け前になるわけです。ですから、キジムナーに誘われて漁に出た者たちは、いつも大漁で、多くの富を手に入れることができたと言われています。しかし、毎日、とても早い時間に誘いに来るため、一度、富を手に入れてしまって、キジムナーの存在がうっとうしくなっていたある日、漁師はキジムナーの住処である〈ガジュマルの古木〉に火を放ちました。その後、漁師は、一気に貧乏になってしまい、二度と幸福は訪れなかったと言います。

どうやら、赤色は、この火の象徴なのでしょうね。漁で生計を立てていた海人にとって、【キジムナーの火】がたくさん見えたときには、不漁になると恐れられていたようですから。また、原因不明の火も、【キジムナーの火】と呼ばれて、屋根の上に火があがると、その家から死人が出るという、【死の予兆】の象徴でもあったようです。

なぜか、キジムナーの苦手なものとして、蛸(タコ)、おなら、熱い鍋蓋と記されていますが、なんでしょう。このチョイスには、違和感しかないです。しかし、このキジムナーが嫌っているもの、もし、おならをキジムナーの前でしようものなら、徹底的な報復をうけたと、記されている物語もありました。なんだか、割に合わない。やっぱり、おっかないです、キジムナー。かわいい顔してバンバンバーン♬

 

キジムナーという妖怪を、私は知りませんでした。伝承を読んだ印象では、座敷わらしのような位置づけに近いのかなと、思いました。しかし、座敷わらしの悪戯は、笑って過ごせますが、キジムナーの悪戯は、もはや、報復ですものね。似ているのは、姿かたちだけなのかもしれません。

子どもの頃、押し入れに秘密基地をつくって遊ぶのが好きでした。狭いところが落ち着くのもあって、押し入れをベッド代わりにして、寝ていた時期もありました。そんなとき、隅の方に、いつも座敷わらしが、微笑んでいたような気がするのですよね。それをみると、真っ暗な押し入れの中も、そこだけは、ほのかに明るくて、全然、寂しくなかったような、そんな思い出があります。私に霊感はないので、子どものときに居たと思い込んでいたのは、単なる遊びの中の空想の世界なのでしょうけど。押入れの中には空想の数だけロマンがつまっている!

本当に、妖怪がいるのなら、会ってみたいなーと、常々、思っています。ただ、そういう人のところには、なかなか会いに来てくれませんね。超不思議現象がお好きな〈相棒〉の杉下右京氏のように…。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)