こうゆづ☆の【とおまわり】

令和元年12月に、ブログタイトルを変更しました。心の動くままに、とっちらかったテーマで書いています。

LUPIN THE THIRD FIRST TV『022:先手必勝コンピューター作戦!』最新型コンピューターの実力はいかに?

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。ルパン三世のテレビシリーズを第一話から見直して、ただ感想を書くというだけの試みの22回目。ファーストシリーズは、全23話完結。さて、最終回目前の第22話のテーマは〈コンピューター〉。ルパンの頭脳VS最新型コンピューターの対決です。

2020年、現代ではコンピューターがない生活は考えられないほど、私たちの日常に溶け込んでいますが、ファーストシリーズが始まった1970年代は、時代を先行する一部の有識者たちだけに、開かれていた時代です。人類の夢がつまったスーパーコンピュータの活躍が、まだ珍しかった頃のお話。

アニメーションがみつめる先にある〈創造的な世界〉には、いつも圧倒されます。本作の銭形警部の反応は、70年代には、もっとも一般的な認識、常識的判断であったのではないでしょうか。とっつぁんは、古き良き時代の良心的な存在であるからこそ、そのキャラクターの魅力が色あせることがないのだと思います。コンピューターのライバルは、果たして、ルパンなのか、銭形なのか…はたまた、他の誰かなのか?

それでは、今日も、ルパンとその仲間たちに、会いにいってみよ~!

第二十ニ話『先手必勝コンピューター作戦!』(1972年3月19日放映 / 脚本:宮田 雪)

〈登場人物〉ルパン・次元大介石川五ヱ門・銭形警部・警視総監・ゴードン 

冒頭、FBIから派遣されたコンピューター技師の〈ゴードン〉が早くも登場。警視総監と握手を交わしている。警視庁の名誉回復は【ゴードンの腕&コンピューター】にかかっているという。コンピューターに対する認識は、以下の通り。

  • ゴードン:〈あらゆる犯罪を予測する最新型コンピューターの前には、いかなる頭脳的犯罪も不可能である。コンピューターに不可能の文字はありません。どんな稀代の犯罪者も此奴の前では、アリの子同然。たとえそれが【ルパン三世】といえどもね。〉と不敵に笑い、胸をはる。
  • 警視総監:〈コンピューターさえあれば、今度こそルパンの息の根を止めることができる!〉と、意気込む。
  • 銭形:〈コンピューターの力に全て頼るのは危険だ。〉という持論をもつ。〈こんな機械なんぞに、あいつ【ルパン三世】が捕まってたまるか!〉と心で叫ぶ。
  1. 新聞の大見出しに【ルパン逮捕コンピューター作戦】とある。FBIから警視庁に寄贈されたコンピューターにより、ルパン逮捕も時間の問題だと書かれている。ルパンは〈コンピューターより、オレのお頭の方がずっといいことを教えてやるのさ。〉と、この挑発に受けて立つと豪語する。顔を見合わせる次元と五ヱ門。こうして、早速【拝啓 警視庁殿 本日午後5時30分東京駅発下り禿鷹本線の現金輸送車を襲い、八億円頂戴仕り候 ルパン三世】と、予告状を送る。警視総監は、予想通りの犯行予告に動じることなく、ルパンの手口をコンピューターで弾き出すよう命じ、ゴードンは〈OK。寸分の狂いなく、ドンピシャリと弾き出してご覧にみせます!〉と応じる。
  2. コンピューターが弾き出したルパンの手口は
    • 手順①:禿鷹本線下り5時30分が発車したのち、30分後の6時に362㎞地点の信号を赤に切り替え、事故が起こった如く装い、列車を止める。
    • 手順②:信号機の故障の点検に来た機関士と助手を調べ上げる。巧みに変装したルパンは、何事もなかったように列車を走らせ、現金8億円の入っている1号車と2号車を切り離し、警備の警官たちを後に残して、そのまま逃亡する。
    • 警視総監手口の裏をかく方法とは?
    • ゴードン:コンピューターの回答によると、現金八億円が詰まっていると、ルパンが思っている1号車と、警備の警官が乗っている2号車とを事前にすり替えることです。
    • 銭形:冗談じゃない!そんな子供だましの手で、奴が逮捕できると、マジメに思ってるんですか!警備の警官を十数人、事前に犯行現場に張り込ませておいてください(と、警視総監に懇願する)
    • 警視総監銭形君。君はまだコンピューターの回答を疑っとるのかね。
    • 銭形:いえ。私はただ、もしルパンの犯行が、コンピューターの結果通り行われるんだとしたら、ルパンが犯行現場に現れた瞬間に逮捕すべきだと…。つまり、順に、警官たちをこの地点に配置させておくということですな。
    • 警視総監:(銭形を指でさし)銭形君、君はそう考える。それが、今までルパンを野放しにしてきた最大の欠陥だと思わんのか!
    • 銭形:ん…それは、あー。
    • 警視総監:いいかね、君は何も考える必要はないんだ。すべて、コンピューターの答え通りにすれば、ルパンは簡単に逮捕できる。そうですね、Mr.ゴードン?
    • ゴードン:その通り。万事はコンピューターが予測しています。不可能はありません!
    • 銭形:なにが、コンピューターの予測通りだ…。俺は俺の流儀でルパンを捕まえてやる!(と、心の声)
  3. 犯行予告当日。パトカーで現場に向かうゴードンと銭形警部。銭形の部下たちは、犯行予測地点に張り込んでいる。銭形警部の【極秘指令】によると〈ルパンは、この場所で輸送車を襲う。そいつの機先を制して、待機せよ。〉ということらしい。一方、列車に現金を積み込む警官たちの準備は、着々と進んでいた。ゴードンは〈ルパンの奴、罠とは知らず、この一部始終をこの駅のどこかで見張っているはず。〉と自信満々である。〈ハーン。オレ様にかっぱらわれるのも知らないで、ご精がでるこったい…〉とは、ルパンの弁。次元は〈銭形も列車に乗り込むらしいぜ。見ろよ、あの厳重な警戒。〉ルパンは〈警戒が厳重なほど、ファイトが湧くってもんだい。〉と、禿鷹列車の発車を見届け、移動を開始する。
  4. やまな駅に到着。警官たちは、アタッシュケースをせっせと移動し、空になった列車の中に警護隊が乗り込む手筈を調える。〈銭形警部、これで作戦は万事終了です。〉とゴードン。銭形は〈さぁ、そう全てが上手く行くかどうか…。〉と応じる。すると、コンピューターが弾き出した【362㎞地点】の信号付近に、ルパンたちが姿を現す。銭形の極秘の指示で、待機を続けていた部下たちは〈警部から指示があるまで絶対に悟られるな。〉と身を潜めている。次元は〈あの信号機を赤に切り替えるっていうのか?いやー、そいつはまずいぜ、ルパン。信号機を切り替えれば、警報機がすぐ鳴り響くことくらい知らないわけじゃないだろう。〉と言うが、ルパンは胸元から颯爽と【水鉄砲】を取り出す。引金を引くと真っ赤な特殊インクのペンキが飛び出し、信号を赤に塗り替える仕様なのだという。
  5. 〈6時。そろそろ犯行現場ですな、警部。〉とゴードン。銭形は、無線機を取り出す。ルパンたちは〈6時だ!〉と、茂みから顔を出す。ルパンは、水鉄砲の引金を引き、信号を赤に切り替える。赤信号を確認した機関士は、列車を停止する。〈まさしく、コンピューターの回答通りですな、警部?〉とゴードン。列車から降りてきた機関士たちを拉致したルパンたちは、コンピューターの予測通りに、変装をする。作戦の勝利を確信するルパンに、次元は〈どうも、妙だぜ。〉と、厳重警戒していたはずの銭形が姿を現さないことに疑問を抱く五ヱ門は〈確かに、妙だ。列車が止まったのに出てこないわけがない。〉と同意するルパンは気がつかないのさ。実力だよ、実力。コンピューターよりオレの頭の方がずっといいってことの証拠よ。さぁ、行こうぜ。〉と駆け出していく。そこへ、茂みから〈うわ~!〉という声が聞こえてくる。〈五ヱ門、お前手加減したな…〉と次元。五ヱ門は〈もう少し、眠ってもらおう。〉ときびすを返し、3人揃って、再び、茂みへと戻っていく。その様子を列車から、こっそり見守っていた銭形は〈ルパンが引き返すぞ、これは感づかれたな。ゴードン、これは?〉と話す。ゴードンは〈慌てなさるな、銭形さん。〉と応えるが、銭形は〈しかし、コンピューターの予想には、こんなことなかったはずだ。こうなったら、一刻の猶予もできない。こちら銭形、こちら銭形。直ちに、ルパン逮捕にかかれ!〉と待機組に呼びかける〈はっ、それぃ!〉と飛び出す銭形の部下たち。それに続き、銭形と警備隊も列車から飛び出していく。ゴードンは〈警部!コンピューター通り行動しなければルパンは!〉と銭形を制す。だが、銭形は〈うるさい!俺は俺の流儀でヤツを捕まえるんだ!ルパン堪忍しろぉ~!〉と、警備隊の後に続く。ルパンたちは、レールの上を逃走していく。ゴードンは〈バカな、こんなバカなことが!コンピューターの指示通り行動すればルパンは、逮捕できるっていうのに…〉と、1人列車の側に立ち尽くす。
  6. 準備していた車で、逃走するルパンたち。
    • 次元:だから、言わねぇこっちゃねぇんだ。コンピューターをバカにするからこんなことになるんだ。
    • ルパンくだらねぇこと言うなよ。
    • 銭形:ルパン追跡中の全パトカーに告ぐ。ルパンたちを挟み撃ちにしろ。いいか、絶対に逃すな!
    • ルパン:ちっくしょう。銭形のヤツ、しつこく追っかけてきやがるんだ。
    • 五ヱ門:ん?霧が出てきた。
    • 次元:おいっ、やばい。あれを見ろ!(前方からパトカーのライトが近づいてくる。)
    • ルパン:あらららー。(咄嗟にハンドルを切るルパン。衝突寸前でパトカーをかわし、二又の交差路の左へ逃げ込む。)
    • 銭形:急ぐんだ。ルパンの車を見失うな。
    • 部下:しかし、前方が確認できません。
    • ルパン:チックショウ。全然、見えやしねぇ。(と、前方に突如、大木が現れる。)うわー。(と、再びハンドルを切り、衝突を免れる。)
    • 銭形:右だー、ばーか、左だ!
    • 次元:こんな霧じゃどうにもならん。車を捨てて逃げようじゃないか。
    • ルパン:待て。少し晴れてきた。うわー!(と、目前に大きな穴が。次元と五ヱ門も〈うぉぉー!〉と声をあげ、トラックはフロントから、思いっきり穴へと突っ込む。追いかけてきた銭形のパトカーも勢いのままに、トラック後部に乗り上げる形で停止する。)
    • 銭形:ルパン、神妙にしろ!さぁ、逃がすな。神妙にしろ!それ、今のうちだ、ひっ捕らえろ!(と、6台のパトカーが次々に到着して、トラックを囲む。〈アハハハ!〉と愉快に笑う銭形。)おいっ、ルパンはどうした?(捕えられたのは、次元と五ヱ門の二人、ルパンの姿は見えない。)車の中で、伸びとるんじゃないのか?
    • 部下:警部!ルパンは、ルパンは、車の中におりません。
    • 銭形:なに!チクショウ、逃げやがった。探せぇ、探すんだ。まだ遠くにはいっていない。どんなことがあっても探せぇ。必ず捕まえろぉ~!(と叫ぶ。)
    • ルパン次元、五ヱ門、勘弁しろよ。(と、後頭部にコブをこしらえたルパンは、銭形のはるか頭上の樹木の枝に抱き着き、見下ろしていた。)それにしても、コンピューターっていうのは、とんでもないシロもんだな。オレの計画、一切よんでやがる。次元と五ヱ門を助けるにしても、こいつはうかつには…。
  7. 一方、ルパンを捕えることができずに、警視庁に戻った銭形警部
    • 総監:馬鹿もん!なぜ、コンピューターの指示通りに行動してくれなかったのかい!
    • 銭形:総監、でも…。(と、小さな抵抗をみせる)
    • 総監:デモも、クソもない!あれほどこの私が注意したのに、なんたる失態を演じてくれたのかい!
    • ゴードン:銭形警部。いいですか、全てコンピューター通り行動していれば、今頃ルパンは逮捕されているんですぞ!(と拳を握る。)
    • 銭形:ンンン…。しかし総監。奴の仲間はすでに我々が…。
    • 総監:仲間など問題ではない。ルパンだ!ルパンを逮捕するんだ。(と拳を突き上げる。)
    • 銭形:(上目遣いで)ですから、総監。ルパンは必ず仲間を取り戻しにやってきます。そのときこそ奴を~!
    • 総監:いいかね、銭形君。今度こそ、コンピューターの指示通り行動するんだ。私情は厳禁だ。これは警視総監の命令だぞ!
    • 銭形:(目玉を左右異なる動きでクルクルさせながら)ハッ。(と敬礼する。)
  8. 留置場では、次元がウロウロと動き回っていた。五ヱ門は、壁際でじっと座禅を組んでいる。
    • 五ヱ門:次元、少しは落ち着いたらどうだ。
    • 次元:こいつが落ち着いていられるってのかい。全く。ルパンがコンピューターの力を信用しねぇから、こんなザマなんだ。
    • 五ヱ門:安心しろ。ルパンは必ず助けにくるさ。
    • 次元:おい、五ヱ門。お前までコンピューターを信じねぇつもりか!
    • 五ヱ門:どういうことだ。
    • 次元:いいか。たとえ、ルパンが助けにきてくれたところで、手口は全部コンピューターが予想するんだ。それこそ、銭形の思うツボだ。
    • 五ヱ門:ということは…
    • 次元:つまり、これさ。(と、絞首刑の仕草をする。)
  9. 一方、アジトでは、ルパンがタワーのように積みあげた【コンピューター学】関連の書籍に埋もれて、頭を抱えていた。〈コンピューター入門:コンピューターとは人の科学、日本コンピューター時代。コンピューターに関するありとあらゆる本を読んでみたけど、とっても難しくてついて行けねぇや。〉とルパン。〈しかも、こいつがある限り、こちとら泥棒家業は、おマンマの食いあげ!〉とソファーに横になり、本を頭上に掲げる。〈コンピューターの予想は、現在のところ99%確実で、この予想を超えるあらゆる科学的占い方法は、皆無に等しい。バカヤロウ、なーに、言ってやがんだい!〉と、後ろ手に本を放るルパン。積み重なった本がバラバラと、倒れ落ちてくる。
  10. 再び、警視庁コンピューター前。ゴードンがルパンの手口を解析している。
    • ゴードン:なんだと?私を誘拐し、私に変装して、警視庁のコンピューター室に潜り込む。そして、コンピューターを操作するフリをし、ある予想をでっちあげる。
    • 銭形:ある予想とは一体?
    • ゴードン:地下留置場の次元、五ヱ門を最上階405号室に移し替える。
    • 総監:最上階405号室、なぜ?なぜです?
    • ゴードン:それはぁ、つまりぃ…(と、ニヤリとほくそ笑む)次元と五ヱ門に極秘の連絡をとり、405号室の真下にトランポリン付きのトラックを用意する。そして、私に化けたルパンは、隙をみて表に出て、トラックに乗り込み、同時に405号室から、二人はトランポリンの上に飛び降り、そのまま、トラックで逃亡するという筋書き。だが、この逃亡の瞬間こそ、ルパンの逮捕の時です。我々は先手を打って、トランポリントラックを包囲すべく、張り込んでおくのです。これが二人の脱出を助けるルパンの作戦、および、対策の全貌です。コンピューターの予想は、完全です。今度こそ、信頼してもらいますぞ、銭形警部
    • 銭形:あぁ。
    • ゴードン:いいですか。ルパンはこの私に成りすまして、この部屋に入ってくる。だが、あくまでもヤツの計画通り、進行させるんです
    • 総監銭形君、最後まで絶対手出しは無用だ。いいかねぇ。
    • 銭形:あぁー。(と、渋面で浮かない表情をみせる。)
  11. 次元と五ヱ門奪還作戦当日、インペリアルホテル前。エレベーターの中でルパンは、どうやって、ゴードンを誘拐するか、考えを巡らせていた。最上階の9階からエレベーターに乗り込んだゴードンは、扉が閉まった直後に、エレベーターに乗っているルパンの姿に気づき動揺する。1階に到着したルパンは、ゴードンを背負っている。ベルボーイがすかさず〈どうかしましたか?〉と声をかけてくるが、〈なーに、ちょっと酒に酔っただけだ。風にでもあたらせようと思ってね…〉と、やり過ごす。大型トラックにゴードンを乗せ、ルパンは警視庁に向かう。そして、405号室の真下にトラックを着ける。運転席には、すでにゴードンに変装したルパンが座っていた。
  12. 警視庁のコンピューター室を目指すゴードンことルパン(以下、ゴパン)ゴパンとすれ違いざまに挨拶を交わした警官は〈警部、ルパンはただ今、1階廊下を通過いたしました。〉と無線で報告する。〈よーし。〉と嬉しそうな銭形。コンピューター室には、警視総監と銭形警部が待機している。ゴパンが扉をあけると、総監が〈Mr.ゴードン、ルパンは必ず、逮捕中の仲間を助けにやってくるに違いありません。〉と迎え入れ、銭形が〈早速、コンピューターで。〉と場所を譲る。〈わかりました!〉とゴパン。ゴパンの後ろでは、ルパンに手錠をかけたくて仕方がない銭形が、今にもつかみかかりそうな形相で控えている。それを隣で制する総監。ゴパンは〈あぁ、こりゃいかん。ルパンは、すでに計画を遂行しつつあります。銭形さん、至急二人の身柄を地下留置場から、405号室に移し替えてください。わかりましたね。〉ゴパンを目前に、涙をうかべて自分を制する銭形は〈おいっ、早速、次元と五ヱ門を405号室に連れていけ。〉と命ずる。留置場から連れ出された次元と五ヱ門。
    • 五ヱ門:おいっ、一体どういうわけだ。
    • 次元:(首をしめるジェスチャーをしながら)これにしちゃぁ早すぎるし、もしかルパンが…
    • 五ヱ門:見ろ!(と、警官の背中に張り紙がついている。次元は、すかさず、張り紙へ手を伸ばす。)
    • 五ヱ門:(上階に到着し、部屋にはいると)おい、ルパンの奴、こんな部屋から、どうやって脱出させようって言うんだよ。(と、声を荒げている。)
    • 次元:ほぉ、なるほど、なるほど。(と、伝言をクチャッと握りしめる。)
  13. 再び、コンピューター室。
    • ゴパン:これで全く安全です。ヤツは、あくまで地下留置場に仲間がいると信じています。
    • 総監:ということは、留置場にさえ張り込んでいれば、ヤツは必ず逮捕できると。
    • ゴパン:そのとおりです。警部、至急、本庁全警官を留置場付近に配置してください。わかりましたね。
    • 部下:第六分隊、配置完了しました。
    • 銭形:ん?本隊はヤツのトラック周辺を固めろ。装甲車も配置してな。(と、ゴパンに聞こえない小声で、指示する。)第二小隊、地下留置場。急げ~!(と、大声で指示を出す。)
    • 部下ら:ハイッ!(と、キビキビと駆け出していく。)
    • ゴパンこれでヤツの逮捕も時間の問題ですな、警部ンハハハハッ。(と、肩をたたかれそうになるのを、スッとよけた銭形は、大量の涙を流しながら、総監に抱き着く
    • 銭形クソゥ、ルパンの奴め。イイ気になりやがって
    • 総監:銭形君、抑えて、抑えて。
    • 銭形チックショゥ…ウゥウゥ…(と、肩越しに、ゴパンが背を向け地下に降りていくのを、涙を流して見つめている。地下留置場前で、部下とゴパンが見守る中、行きつ戻りつを繰り返している。)
    • ゴパンこれまでのオレの行動は、全てコンピューターで敵によまれている。さぁーて、これからが問題だな。この裏をどう…しかし、その裏をよんで、その裏を…。まぁ、いいや。素直にオレの流儀で行ってみるか!(と、心の声。)
    • 銭形:ゴパンが動き出したのをみて〈ルパーン!〉と思わず大声で叫ぶ口を、総監がすかさず抑える
    • 総監:Mr.ゴードン、どちらへ?
    • ゴパン:へぇ?いや、その、ちょっとトイレ。ウォッホン。
    • 銭形:それ~!ルパンを追え~!(と、自ら走り出し、部下たちもそれに続く。)待てぇ~、コラ~!
    • ゴパン:(エレベーターを使い、のぼっていく。)イヒヒヒ。コンピューターの予想とオイラの気まぐれ。どっちが勝つか。(と、ゴードンのマスクを脱ぎ)これからが、勝負だよな。
  14. 停車された大型トラックを見張るように、多くの警官らが警視庁周辺を取り巻いている。ルパンは、堂々と405号室に侵入する。
    • 次元・五ヱ門:ルパーン!
    • ルパン:あぁ、お二方!なーんだ、そのしょぼくれた格好。
    • 次元:(伝言を差し出し)おめぇが現れるなんて、手筈が全く違うぜぇ。
    • ルパンコンピューターの裏をかくにゃ、気まぐれが一番なのさ。
    • 銭形:エヘェ。(トラックの側で405号室の窓の明かりを眺めている。すると、窓が開き、次元と五ヱ門の二人がトランポリンの上に落ちてくる。その二人を網で包囲し捉える。そして)ソレ~、くたばれ、ルパン!(と、トラックの扉を開けて、助手席に座っていた本物のゴードンを捕まえる。)
    • ゴードン:俺はゴードンだ!ルパンじゃない。(抵抗むなしく、手錠をかけられる。)
    • 銭形:諦め悪いぞ、ルパン!
    • ゴードン:(目の周りに青痣を作って)誤解だ。なにかの間違いだ。俺は、ルパンじゃない!
    • 部下:警部~、大変です!(と、両手に次元と五ヱ門らしきものを抱えて、駆けてくる。)奴らは人形です。
    • 銭形:なにぃ?へぇ?(次元の人形を抱き、クの字に力を込めた瞬間、ピョーンとパンチが飛び出し、銭形の顎に、アッパーカットが入る。)
  15. 再び、405号室。ルパン・次元・五ヱ門は、逃亡の手筈を調えていた。次元と五ヱ門は、服を脱ぎ下着だけの姿に。〈ソリャー、行くぞ!〉とモーター付きのハングライダーに跨り、窓から飛び出す。そして〈ホップ・ステップ・ジャンプ〉と3人3様、。銭形の頭を踏み台にしながら、助走に弾みをつけ、3人は空の彼方へと飛んでいく。〈なぜだ。なぜ、コンピューター通りに行かないんだ。もう!〉と嘆く総監ルパンは〈ウフフフフ。簡単なことよ。機械ばかりに頼っている人間の心理の盲点をついたまでさ。つまり、人間の気まぐれってやつだ。ウハハハ。ウフフフ、そんじゃ、まぁ。〉と悠々と去っていく。銭形は〈クッソゥ。ルパンめぇ。またしても、俺をコケにしおって。〉と悔しがる。空には、にっこり微笑むような【三日月】が輝いておりましたとさ。おしまい。

 

♬足元にからみつく 赤い波をけって
   マシンが叫ぶ 狂った朝の光にも似た
   ワルサー P38 
   すべて消えゆく 運命(さだめ)なのさ
   この手の中に 抱かれたものは
   ルパン三世 ルパン三世

 

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◆こうゆづ的*第二十ニ話の№1シーン

今作は、ルパンVSコンピューターの対決というよりは、銭形VSコンピューターの対決といった様相で、銭形のとっつぁんに思わず、感情移入してしまう作品です。22話は、なんといっても銭形警部がイイ。銭形警部がゴードンに変装したルパンを目の前にして、逮捕できない状況に涙を流しながら、幾度となく自分を制する場面…。このシーンを№1にあげたいと思います。

今回は〈あらすじ(書き起こし)〉の台詞の中で、個々の登場人物がコンピューターに抱いている【印象・想い】が現れている部分を、それぞれ色分けし太字で示してみました。ご興味がありましたら、注目してみてください。

ゴードン、警視総監、次元。三人三様、多少の温度差はありますが、彼らはコンピューターの可能性に、信頼をおいています。軸足は大きく乗っている。一方、銭形警部は、終始、コンピューターの知能に懐疑的です。コンピューターへの信頼は、ゼロに等しい。ルパンは…初めは、コンピューターを甘く見て、自分の頭脳を過信していました…が、途中から、コンピューターの可能性を認めます。五ヱ門は…立ち位置が分かりにくいです。

銭形とルパン。彼らは、最終的には、自分たちの流儀で闘うことを選ぶ【似た者同士】です。銭形警部は、ルパン逮捕への一途な想いを諦めることなく、自分自身の知恵と経験、そして部下を信じ抜きます。ルパンは、なし崩し的に自分の流儀に戻り、直観的に気まぐれこそが、コンピューターの裏をかく唯一の方法であることに気づきます。

銭形警部は、部下からの信頼が厚いのですね。もちろん、現場の指揮を任せられているのが銭形だからその指示に従うのは当然だ!ということもあるのでしょう。けれども、部下たちが、警視総監よりも、銭形警部に忠誠を誓う様子を、部下たちの行動に垣間見ることができます。非常に興味深いです。

恐らくは、ルパン逮捕にかける銭形警部の並々ならぬ執念を、部下たちが忠実にかぎ取り、リスペクトしているのでしょう。〈この人に付いていけば、なんとかなりそう…〉といったカリスマ的な期待感が、銭形警部というキャラクターの【志】には、みえるのだと思います。

シリーズを通して、銭形警部が警視総監に忠誠を誓い敬う姿が、これまでも描かれてきました。決して、表立って反抗的な態度は、とりません。本作の警視総監は、銭形警部に対しストレートな物言いで、権威を振りかざしている雰囲気を出していて、銭形警部にはちょっと気の毒な感じが否めません。しかし、銭形警部は、権威的な立場にある警視総監から、怒鳴られようが、念を押されようが、めげません。自分の意見は、しっかり伝えます。

ゴードンに変装したルパンが、自分の目前で自由奔放にふるまうことが、銭形警部には、涙を流すほどに耐えがたい屈辱なのに、幾度も堪えます。このシーンだけみても、頭では、警視総監の命令に従うことを、強く自分に課していることが伝わってきます。けれども、本心に背くことは難しい。意図せずして、結局のところは、己の流儀が勝ってしまい、思いのままに行動してしまう銭形警部。なんだか、とても可愛らしい。そして、心がスカッと、晴れやかな気持ちになってくる。日常での迷いや悩みが、ちっぽけなことに思えてくる。ありがとう、とっつぁん!

最終回目前にして、銭形警部の魅力が存分に詰まった第22話。とっつぁん好きな方には、おススメの作品です。いよいよ、来週は、最終回。主要キャラクターが全員登場して、暴れます。次回更新は、2/24(月)0:32魚座新月…ではなく、2/26頃になる予定です。👈なんとか、2月中には投稿予定です。お楽しみに!

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)

【体験記】ICL(眼内レンズ)術、〈眼鏡〉よ、さらば。ありがとう。

kohyuzuです。なかなか着手できずにいたICL術(後房型フェイキックIOL)の体験記。ご検討中の方の参考になれば幸いです。前置き不要な方は、目次からどうぞ!ちなみに、〈さいごに…〉は、長文です。

ICL術の施行を決意するまで

私が初めて近視の矯正で、眼鏡をつくったのは、小学2年生の頃。そして、コンタクトレンズを使い始めたのは、小学6年生の頃。それから、云十年たった今日、私の眼には、眼内レンズが納まっている。眼内レンズ術を受けた人物に、出会ったのは7年前のこと。このとき初めて、近視の矯正にレーシック手術以外の選択の可能性があることを、強く意識した。

眼鏡やコンタクトレンズを介さずに、裸眼で見えるということ。それは、物心ついたときには、すでに強度の近視で、裸眼でクッキリと鮮明に像を結んだものをみたという記憶がない私にとっては、とてもエキサイティングな、夢のようなお話。

ところが、看護学生時代に、私が唯一直視できない手術が【眼】の手術であった。解剖学が大好きで、眼以外の臓器や体液を、直接、目にしても、全く恐怖を感じることなく、観察し続けることができる私。けれど、眼球だけは、別次元だった。目にメスが入る瞬間を、どうしても注視することができなかったのである。

よって、眼内レンズは、ひとつの可能性として、かなり魅力的な手術法であったが、直接体験談を耳にしても、私にとっては、現実的な治療法ではないと断念したのである。ところが不思議なもので、昨年2019年の夏、眼内レンズという文字が、突然、頭に浮かんだ。なぜだか、分からないけど、不意に、気になったのだ。

何かに突き動かされ、レンズについての情報を集めてみると、な、なんと、眼内レンズ術が可能な年齢域の当落線上、崖っぷちの年齢に達しているではありませんか!そこで、即行動。年内で決着をつけてしまおうと、適応検査の予約を入れ、トントン拍子に手術を受けることを決めたのである。

手術を決断した理由

  • ドライアイが進行し、コンタクトレンズを半日以上装着するのが困難。
  • 強度の近視と乱視で、眼鏡のレンズは薄型のガラス性の一択。レンズの重みでパッドの痕が鼻筋に残る上に、テンプルのアタリが強く、耳の炎症が絶えない。
  • 突発的な事故、災害時など不衛生な環境下で、見えないことの不自由と不安。

ICL手術の適応(2019年ICL適応ガイドライン

  • 21歳以上、45歳頃までが目安。老視(老眼)の年齢域以降の患者は、慎重に施術
  • 等価球面屈折度で6.0D以上の近視とする。3D以上6D未満の中等度近視、および15Dを超える強度近視には、慎重に対応。
  • 術前乱視強度1.0D~4.0D
  • 前房深度:2.8㎜以上
  • 角膜内皮細胞密度(施行時の年齢に準拠)

ICL手術の実施に慎重を要するもの(日本眼科学会認定専門医のもと施行)
  • 緑内障
  • 全身性の結合組織疾患
  • ドライアイ
  • 矯正視力が比較的良好で、かつ、非進行性の軽度円錐角膜症例
  • 円錐角膜疑い症例
ICL手術の禁忌
  • 進行性円錐角膜
  • 活動性の外眼部炎症
  • 白内障(水晶体の混濁、亜脱臼などの異常がある場合も含む)
  • ぶどう膜炎、強膜炎に伴う活動性の内眼部炎症
  • 重症の糖尿病、アトピー性疾患など創傷治癒過程に影響を与える可能性の高い全身性あるいは免疫不全疾患
  • 妊娠中または授乳中の女性
  • 浅前房および角膜内皮障害
  • コラーゲンに対する過敏症(アレルギー)

 眼球の構造(ざっくりと)

  1. 角膜:カメラのレンズに相当。眼球の一番外側、黒目の表面を覆う膜で、眼球を保護している。光を集め像を結ぶ〈屈折力〉の3分の2相当を担う。
  2. 水晶体:カメラのオートフォーカス機能に相当。凸型レンズに相当する器官。網膜にみえる映像のピントを調節する働きをもつ。
    〈老視〉水晶体の弾力性の低下、毛様体筋の脆弱性により、ピントの調節力が低下することにより起こる。40代以降、高年齢化により起きる自然な現象。
  3. 網膜:カメラのフィルムに相当。目の一番内側の透明な薄い膜で、目にみえる映像を結ぶ場所。視神経を介して、脳に伝達する機能をもつ。
    • 正視:角膜と水晶体で屈折して、網膜上でピタッと焦点があう正常な状態。
    • 近視:網膜より前方で焦点が結ばれるため、遠くのものがぼやける。屈折力は大きい。
    • 遠視:網膜より後方で焦点が結ばれるため、近くのものがぼやける。屈折力は小さい
    • 乱視:網膜の前または後方で、2つ以上焦点が結ばれる。二重、三重にだぶって像がみえる。
  4. 硝子体:眼球の大部分を形成する透明なゲル状の組織で、99%は水分。眼球の形を保ち眼圧を維持する。また、角膜で屈折された光を網膜上に送る役目を担う。
  5. 眼房:角膜と水晶体および毛様体との間の器官。虹彩を境にして〈前房〉と〈後房〉に分けられる。絶えず眼房水で満たされ、循環し、角膜や水晶体に栄養を供給する役目を行う。眼房水は、瞳孔を通り、最終的にシュレム管で吸収される(下図、赤矢印の流れ)。
    • 緑内障は【眼房水の吸収が阻害⇒眼圧亢進⇒視神経障害】により起きる。

 

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ICL手術とは

  • 眼球内に、ハードコンタクトレンズくらいの小さなレンズを挿入する手術のこと。適応検査により、個々に見合ったレンズを虹彩(黒目)と水晶体の間の【後房】の位置に固定する手術。 
  • レンズの素材は、Collamer(コラマー)という。ハードコンタクトレンズより柔らかく、ソフトコンタクトレンズより弾力があり【含水性】に富んで柔らかい。
  • 従来よりコンタクトレンズの素材として使われてきたHEMA(Hydroxyethyl Methacrylate)とコラーゲンを合わせたもので、眼球内でコラーゲンが糖タンパクと結合し、レンズの表面にスムーズに膜を形成する性質をもつ。
  • 日本国内では、2010年2月厚生労働省認可⇒2014年ホールICL承認。近年、EVOの開発により、さらにレンズの質が向上している。世界では、1986年~施行。1997年ヨーロッパCEマーク取得。2005年米国FDAより認可。
手術の前日までの流れ

*病院によって、スケジュールは異なると存じますので、ご参考までに。
〈1回目:初診〉

  • 適応検査・診察・医療スタッフによるカウンセリング
    • ハード・乱視用コンタクトレンズは、適応検査日の2週間前より中止。
    • ソフトコンタクトレンズは、適応検査日の1週間前より中止。
    • 検査当日は、眼鏡で受診する。
    • 散瞳薬を使用するため、検査後4-5時間は、バイク・車の運転を控える。

〈2回目:残検査〉

  • レンズの度数を決定するための検査、レンズの発注(前金支払い)
    • 2回目の検査が終わるまで、コンタクトレンズの使用は、引き続き中止。
    • レンズ発注後のキャンセルは、基本的に不可で、返金には応じず。
    • レンズの準備期間は、約2週間~2ヶ月程度。トーリックレンズ(乱視用)は、在庫がない場合には時間がかかることも。

〈手術日の決定〉レンズ発注後、病院に届き次第、電話連絡。手術日の予約を行う。

〈手術3日前〉感染予防のための抗菌薬点眼(1日4回、就寝前30分以上あけて)開始。

〈手術前日〉

  • 飲酒(アルコール)禁止。
  • まつげのエクステンション禁止。
  • コンタクトレンズの使用制限はないので、前日まで使用可能だが、点眼薬開始日である手術3日前より、眼鏡で過ごすのが好ましい。
手術の当日の流れ

【自宅】での注意事項(術前)

  • 抗菌薬を朝・昼分の2回点眼(午後の手術の場合)
  • コンタクトレンズ使用中止
  • 車・バイクの運転禁止、自転車も控えたほうが好ましい。
  • 全てのメイク禁止(化粧水のみ目の周りを避けて可。)

【病院】手術予定時刻の約1時間前に受付

  1. 散瞳薬・消毒薬の点眼【約40分】
    • 5分間隔で6回程度点眼。点眼の順番は、指示に従う。
    • 30分後に看護師が散瞳(瞳孔の開き具合)を確認。散瞳が不十分であれば、点眼を継続。
    • 貴重品・装飾品などの荷物をロッカーに預け、手術時間まで、ボーッと待機。ちなみに、眼鏡とスマートフォンは、直前まで使用することができる。
  2. 手術室の前室
    • 【氏名・生年月日・手術する箇所(右目・左目・両眼)】を伝える。
    • 散瞳薬を最後1回、手術部位に点眼し、手術帽を装着する。
  3. 手術室【所要時間:約15分】
    ほぼ見えないため、手引きしていただきながら、手術椅子へ。
    • 医師と【氏名・手術する箇所】を確認。
    • リクライニング後、すぐに術野の確保。目の固定のためテープを貼付、これ以降、まばたきはできない。消毒、麻酔薬の点眼が手際よく行われる。
    • 目の洗浄(大量の液体で、絶えず洗浄されます)後、2-3㎜目尻を切開。
    • 右目レンズ挿入(かなりの圧で、グイグイ眼球を押されます。未体験ゾーン。違和感はありますが、痛くはないです。ぼやけていた視界がだんだん、ハッキリ見えてきます。深呼吸してリラックス。
    • 乱視の場合は、軸の調整(この間も、絶えず洗浄液が流れています。)
    • 左目も同様に実施。(私は、手術の要領が分かったぶん、左目の方が少し緊張し、途中まで、深呼吸するのを忘れていました。手術そのものに意識を向けるより、自分の呼吸に集中する方がイイ感じです。
    • 目の固定テープ、術野の滅菌シーツを外し、終了。
      *前室入室から、わずか【13分】で終わりました。手術そのものは、片目5分もかかっていないはず。レンズが入ると、手術室から前室、待合室へ戻るときには、誘導がなくても、よくみえます。術直後は、両目とも重だるい感じがあり、まばたきを繰り返したくなりました。でも、痛みはない。本当にないです。びっくらぽん!
  4. 待合室【所要時間:約30分】
    預けた荷物を回収して、抗菌薬を指示通りの順番と間隔で点眼しながら、基本的には目を閉じて、術後検査に呼ばれるのを待ちます。
  5. 術後検査【所要時間:10分】
    視力検査、眼圧検査が主です。
    *私の場合、眼圧は問題なく、視力は両目ともに【0.7程度】(術前に説明されていたとおり)みえました。手術当日の回復の状態には、個人差があるらしく、この時点で1.2まで回復している脅威の若者、あるいは、回復がもっと緩やかな方もいらっしゃいました。緩やかな場合は、経過観察を続け、時間をおいて再検査をしているようでした。
  6. 医師による診察
    術後の眼球の状態の説明、感染予防についての確認、質問があるか?など
  7. 次回(翌日)の予約
    • 点眼薬(4種類)の処方、効能効果、使用時の注意事項などの説明。
    • 保護用メガネを装着し、帰路へ

術後【自宅】での注意事項

〈当日禁止〉

  • 洗顔・洗髪
  • シャワー・入浴
  • メイク
  • 保護用メガネは、自宅でも装着する方が好ましい。外出時は、必須。
  • 飲酒(アルコール)
  • 車・バイクの運転
  • 仕事
  • 力仕事(重いものを持たない。グッと力を入れる瞬間の負荷により、眼球の毛細血管に影響する可能性があるため。)
  • パソコン・読書・テレビなど目を刺激すること
  • 目の周りを触れたり、抑えたりすること

〈術翌日に可能となること〉

  • 首から下のシャワー
  • 美容室での洗髪
  • パソコン・読書・テレビなど、短時間より可
  • 車・バイクの運転(日没後、夜の運転は、慎重に。)

〈3日目以降に可能〉

  • 入浴
  • 自宅での洗顔・洗髪(目の中に水がかからないよう、慎重に。)
  • 仕事(デスクワークはOK。汗をかくような仕事は、5日目より可)
  • メイク(目の周りを避け可。)
  • 飲酒(アルコール)

〈1週間後から可能〉

  • アイメイク(まつげのエクステンションは、1ヶ月禁止)
  • 汗ばむ程度の軽いスポーツ(ウォーキング、ストレッチなど)
  • 保護用メガネなしでの外出 

ICL術後に想定される合併症

  1. 感染症:6000分の1の確率(海外の報告)で、みられる場合がある。術後、指示通りに、適切な点眼を行い、定期検診を継続することで、発生は抑えられる可能性が高いが、稀に、強い炎症反応が見られる場合がある。
  2. 緑内障:術直後に、若干の眼圧上昇はみられるが、通常は正常範囲を超えることはない。稀に、レンズの大きさが合わない(大きすぎる)ことで、眼圧が上昇しやすくなることがある。速やかに、適切なサイズのレンズに入れ替えることで対応。ICL術が原因で、失明に至った例は、国内外で報告されていない。
  3. 白内障:レンズの大きさが合わない(小さすぎる)ことで眼内レンズと水晶体が接触したり、加齢による経年変化により、水晶体の混濁を、来すことがある。有水晶体眼内レンズ(ホールICL)の開発により、リスクは軽減している。新たに白内障手術用眼内レンズの挿入術を行うことで、視力は維持することができる。
  4. ハロー・グレア現象
    手術後1週間程度は、特に夜間の見にくさが生じることがある。光の周りに複数の輪が見えるようなハロー現象、光のまぶしさやにじみが見られるグレア現象、他、光の輪が見える場合がある。時間の経過とともに、減少する傾向。
  5. その他、レンズの位置・度数のずれ・サイズ
    乱視用のレンズの場合、固定軸(向き)がズレることで、予定通りの視力が得られない場合があるが、再手術による固定調整で修正可能。度数のズレは、眼内レンズの入れ替え、追加のレーザー角膜屈折矯正術(レーシック)などで、視力の矯正が可能となる。

手術によるデメリット

  • 感染症のリスクを伴うこと。
  • 今後、眼に新たな病変が見つかり、手術を受ける必要がある場合に、ICL術が施行できる専門医にかからなければならないということ。
  • 日本での先行症例が少ないため、眼内レンズを挿入し続けた先に起こり得る、リスクの検証が、不透明であること。〈*私が説明を聞いて感じたデメリットを、3つに絞っています。〉

術後経過(Kohyuzu の身に起きたこと)

  1. 術直後~帰宅するまで
    帰路は、非常にしんどかった。何がしんどいって、ものすごく眩しい。病院にいるときは、あまり感じなかったのですが、街中には、こんなにも、目を刺激する光があふれているのかと、愕然としました。自宅に戻るには、人の往来が多い駅構内を通過しなければならなかったので、とてつもなく眩しい中、人とぶつからないように進むのが大変でした。料理以外、何もせずに、就寝。
  2. 翌日
    術後検診の日。視力は、両目ともに〈0.7⇒1.2〉まで回復。術後経過は順調。自宅の中では、快適そのもの。ただ、屋外に出たときの自然光の眩しさ、気圧が瞼の上だけに、ズーンとのしかかっているような圧迫感が不快で、駅までの道のりが、かなり長く感じる。駅構内や商業施設の中の光は、前日に比べると、眩しいとはいえ、だいぶ楽に。自然光の眩しさに適応するには、1週間かかった。
  3. 1週間
    検診の日。術後の炎症・充血はあるが、経過は順調。視力も、左目は1.5まで見える。感染予防で処方されている目薬以外の点眼液(涙の成分だけのもの)の使用可。屋外に出た瞬間の自然光の眩しさは残るものの、気圧の重みのような不快感は焼失。夜間の街灯は、相変わらず眩しい。軽度のグレア現象は残る。手術当日から感じていた、目尻の切開部分に、膜が張っているような違和感は、1週間後も残る。痛くはない。ちょっとした違和感。アイメイクは、今日より可能になるが、個人的には、1ヶ月後検診が終了するまで控えることにした。意外と、1日4回の点眼薬が厄介だが、感染予防のためと、自分を律して守る。
  4. 1ヶ月
    検診の日。軽微の炎症は残っているが、経過は順調。相変わらず、夜間、照明をみると光の輪のようなものが見えるが、特に、不都合はない。だが、引き続き、夜の車の運転は控えたほうがよさそうだと、個人的に判断する。切開部の違和感、日中の自然光の過度な眩しさは、完全に消失。アイメイクも開始。メイク落としの際に、目の周りに触れたり、軽く圧迫したりしても、全く違和感がない。日常生活の制限は、すべて解除。激しいスポーツや海・プールも可。 

手術に対する個人的な見解

手術をしてよかったか?と聞かれたなら、即答で〈よかった!〉と答えます。眼鏡やコンタクトレンズなしでは、日常生活がままならない強度の近視、乱視の方は、検討する余地はあると思います。目を開けば、鮮明に像が結ばれる世界は、快適そのものです。

近視と共存している期間が長い程に、手元のものを見るとき、至近距離まで、ものを近づけて見る癖が染みついていきます。コンタクトレンズを装着している状態でも、文庫本や新聞、スマホを見るとき、目から10㎝も離れていない距離で、つい見てしまうのです。ですから、ICL術施行後は、この習慣と決別することが必須でした。手元から30㎝のところで、焦点が合うように調整しているため、これ以上近い距離になると、像はボヤけてきます。

私の場合、老視の影響が、既に出ている可能性があるため、全ての方に当てはまるかどうかは分かりません。いずれにしても、近くのものを見るときの距離感には、慣れが必要です。

私は、矯正視力を大よそ1.2程度にあわせていたので、眼内レンズも同じくらいの視力で作ってもらいました。それでも、調子がよいときは、1.5まで見えます。矯正が困難な右眼は、左眼に比べるとだいぶボヤけますが、両目で見るときには、脳が勝手に修正してくれるので、基本的に不都合を感じることはありません。

アラフィフの私が、80歳まで生きると仮定してコンタクトレンズの買い換え、保存液代、眼鏡のメンテナンスなど、諸々換算してみると、ICL術にかかる費用と、トントンくらい。もし、数年来に寿命が尽きることになったなら、完全に元はとれない計算になります。それでも、日常の快適さ、満足度に変えることはできません。

判断に迷っている方は、まずは、適応検査だけでも受けてみることをオススメします。なぜなら、混み合っている病院では、この検査だけに3ヶ月近く待つこともあるからです。実際、私は2ヶ所に問い合わせて、年内の手術が可能な方に決めました。

手術の判断は、生物学的な目の状態を見極めてから、納得いくまで検討しても遅くはないと思います。

眼球にレンズという異物を挿入するのですから、施術時間が短いからといって、身体に侵襲がないわけではありません。また、痛みが少ないからといって、恐怖がないわけでもありません。感染というリスクは、最も避けるべき合併症の1つですが、自分の身に起きないという保証はありません。バカバカしいと思いつつも、私は、手術の前に、パートナーと兄弟宛に手紙を書きました。両親には、どうしても書けませんでした。

手術により、眼の光を失ってしまう可能性はゼロではありません。限りなくゼロに近くても、ゼロではない。どのような手術であっても、これだけは、肝に銘じておく必要があると思います。手紙は…術後1週間が無事に経過したとき、ヒッソリ処分しました。

病院の選び方
  • 交通の利便性(自宅から近い方が、定期検診や治療の際の負担が少ない。)
  • 執刀医(Dr.)の実績
  • スタッフの質(質問、相談しやすい雰囲気か)
  • 病院の混雑の程度(予約の取りやすさ)

*私が調べた範囲内では、費用は、50万程度~80万円くらいまで、自由診療であるが故に差があります。私の場合は、費用より担当医の手術数など実績を重視しました。上記は、個人的に決め手になったポイントです。ご参考までに。

 

さいごに

近視の原因は、遺伝ではなさそうだ…と、子どもの頃は、ボンヤリと思っていた。両親ともども、老眼鏡にお世話になるまでは、眼鏡知らずである。両親が、私の眼の治療のために費やしてくれた労力、費用などを考えると、感謝してもしきれない。治療の効果は得られなかったけれど、両親なりにとても心配して、気にかけてくれているということは、刺さるほどに伝わっていた。

はじめて、牛乳瓶の底のように厚い眼鏡から、コンタクトレンズに変えたときの驚きといったらなかった。世の中は、こんなにも鮮やかで美しかったのかと。新緑の若葉が目に飛び込んできて、私は瞬間、眼をとじた。光がまぶしすぎて、眼を開いたままではいられなかったのである。世界が明るく目の前に放たれて、ひとっとびに、どこまでも飛んでいけるような気がした。〈魔法だ!〉そのくらい鮮烈に、私の視界は変わった。

歳を重ねると、遠くは見えるのに手元の焦点が合わない〈老眼〉をはじめ、水晶体が白濁することで視界がぼんやりする〈白内障〉、時には、年齢に関係なく、失明などの重大な副作用を引き起こす〈網膜剥離〉〈緑内障〉〈若年性黄斑変性症〉などの疾病に、ある日唐突に、見舞われることもある。

機序は異なるが、〈白内障〉も〈強度近視〉も、視界がぼんやりして、霞がかかっているようにみえる。例えば、私のように、幼少期の頃から〈見えないことが平常〉である場合は、ともかく、高年齢化により、徐々に視界が霞んで、視野が奪われていく白内障などの疾患では、本人の精神状態に及ぼす影響が、かなり大きいことが近年の論文で明らかになっている。

つまり、見えないことが継続することで、次第に気力がそがれ、元気がなくなることは、珍しくないということである。〈老化だから仕方がない…〉と収めてしまうのは、当事者にとっては、酷である。現に、私の知る限りでは、自分で老化を嘆くことは許しても、人から老化だと片づけられることには、かなり敏感に抵抗を示す高齢者は、多いという印象である。

さらには、小学校入学前までに視力が1.0まで上がりきらない子どもの場合は、同世代の子どもに比べて、行動が緩慢であったり、集中力が乏しかったり、ボンヤリしているように見えたりすることがある。かつては、私もその子どもの1人であった。

小学校では、ロイヤルボックスと呼ばれる〈教卓前のど真ん中〉が、私の指定席。席替えのクジ引きに、はじめて参加したのは、コンタクトレンズに出会った後のこと。私が引いたのは、木漏れ日がとどく窓際、端っこの列の後ろから2番目の席。黒板も、先生の目も声も、一気に遠くなったときのことを、今でも鮮烈に覚えている。教室を見渡せる快感。誰がなにをしているか、一目瞭然でわかる。教室ってこんなに広かったんだと実感したとき、私は、自由になった。屈託なく笑えるようになって、学校が楽しくなってきたのも、この頃からかもしれない。

このように、見えないことを諦めたままでいることと、治療によって改善できる手段がみつかり、治療を受ける決断をし、見えるようになることは、全く違う。現場のスタッフいわく、視力が改善することで、表情や性格が見違えるほどに明るくなる方は、とても多いのだそう。

高校生の裸眼視力が1.0未満が7割弱、0.3未満の近視は4割弱であることが、明らかになっている現代では、裸眼視力が0.01程度の強度近視も、決して珍しいものではないかもしれない。けれど、しっかりと光が認識でき、視界がクリアな世界にいられることは、本当に、幸せなことだ。

このことを、身をもって体験した今、私は、ICL術による治療によって、開けてくる未来の可能性を、とても力強いものに感じる。仮に、手術が可能になる年齢域18歳以上(病院によっては、20歳以上)に達したときに、すぐに治療をする決断ができるとしたなら、アラフィフが近づいた私以上に、その前途は明るく、もっと可能性に満ち溢れた未来に、みえてくるのではないかしら。今世の人生は、ただ一度きりなのだから。

手術をご検討中の皆様へ、個人的な体験ではございますが、一助となりましたら嬉しいです。最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)

 

 

 

LUPIN THE THIRD FIRST TV『021:ジャジャ馬娘を助けだせ!』ルパンの恩返しとは?

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。ルパン三世のテレビシリーズを第一話から見直して、ただ感想を書くというだけの試みの21回目。

第21話は、〈ルパンと少女〉がテーマのお話。少女の声を演じるのは、なんと、第17話のクラブオーナー月影銀子役を演じた平井道子さん。さすが声優さん!艶っぽい声から少女の声まで、幅広く演じ分けるプロフェッショナル。声と真摯に向き合うお仕事。並々ならぬ努力の賜物なのでしょうね。

個人的には、俳優業と声優業は、兼ねるモノではないと思います。映像がみえない場面で音声だけに意識をむけるとき、声優が演じるキャラクターと、人気先行型の俳優が演じるキャラクターでは、雲泥の差があります。近年のジブリ作品に感情移入していけない理由の1つには、声に対する敬意が、あまりにも〈おざなり〉にされているところにあるのだと感じています。は、歯がゆい…。

では、気を取り直して、今日も、ルパンとその仲間たちに会いにいってみよ~!

第二十一話『ジャジャ馬娘を助けだせ!』(1972年3月12日放映 / 脚本:松岡 清治)

〈登場人物〉ルパン・次元大介・牧田リエ・銭形警部・牧田ケン・滝川ジョージ

冒頭、牧場を縦横無尽に馬で駆け回る娘のシーン。牧場の作業を邪魔する娘に、1人の男が〈アンノヤロウ〉と毒づくが、仲間は〈やめとけ、大事な人質だ。〉と、なにやら物騒な話をしている。娘は、牧場のオーナーである滝川(おじさま)に〈パパのことが心配だから、家に帰りたい。〉と申し出る。滝川は〈牧田は、リエちゃんが考える程、弱虫じゃない。もっと遊んでいきなさい。〉と引き留めるが、リエはどうしても帰るという。

二人の会話に聞き耳を立て、窓から様子を伺っていたルパン三世。〈帰りたいって言ってんだ、素直に帰してやったらどうなんだ。〉と、話に割り込む。そして、ケン・牧田に頼まれて、その娘を迎えに来たのだと伝える。〈そこにいるオジサマはね、君が考えているようなイイ男じゃないんだ。〉とリエを連れて帰ろうとするルパンに、滝川は銃口を向ける。思わず〈おじさま~!〉と悲鳴をあげるリエを、ルパンは抱きかかえて、窓から脱出。馬に乗って逃走する。

  1. 牧場を抜けた森の中には、次元と愛車が待っていた。〈なにやってんだ、さんざん待たせやがって。〉という次元に〈この娘を押さえておいてくれよ。〉と、気を失ったリエを差し出す。〈なんだ、これは…。〉と目を丸くする次元。〈気がついたな、お嬢さん。さっきは手荒なことをして失礼。〉と、運転しながらリエを気遣うルパンに、リエは、背後から〈もー、降ろして、降ろしてよ!〉とつかみかかり、ブーツのかかとでルパンの頭を蹴飛ばす。〈しっかり押さえておけ、運転できないじゃねぇか!〉と娘の隣に座っている次元に文句を言うが、次元は〈嫌だ~!〉と幼児がダダをこねるように、手足をジタバタさせて暴れているリエを、抑えることができない。
  2. そうこうしているうちに、滝川の追っ手がマシンガンを浴びせながら、迫ってくる。〈おじさま…〉と呟くリエは、滝川を信頼し、ルパンを【誘拐犯】だと誤解している様である。リエは、ハンドルを握るルパンをボコボコに殴りながら、すごい剣幕で〈降ろしてよ!〉と叫んでいる。追っ手の銃撃に、次元も銃で応戦し、一発で追っ手の車の前輪に命中させる。〈やったー!〉と喜ぶ次元に、リエは、殴る・引っ掻くの大暴れ。やりたい放題のジャジャ馬娘に、翻弄されながらも、次元とルパンは、なんとか堪えるが、とうとう、車は道を踏み外して、横転。バウンドしながら、斜面を転げ落ちてしまう。転がる途中で、車外に投げ出されたリエ。一方、ルパンと次元は、車が停止した反動で車外へ。次元より一足先に意識が戻ったルパンは〈おい次元、起きろ!娘がいなくなった。〉と歩き出す。
  3. 次元は、ルパンに〈どうしてオレたちが、あんなジャジャ馬を探さなけりゃならねぇんだい?〉と尋ねる。ルパンは、リエが、ルパンの親父〈ルパン二世〉のかつての【相棒】であった男の娘で、人質にとられていたのを助けて、恩返しをしたいのだという。〈人質?しかし、そうは見えなかったけどな。〉という次元に、ルパンは、リエの父親【ケン・牧田】は、かつて世界一といわれた【金庫破りの名人】であったと話す。
    • ルパン:〈オレの親父が死んで、ケン・牧田もそれっきり金庫破りから足を洗った。そして、あのリエという一人娘と、田舎町でひっそりと暮らしていたんだ。ところが、それに目をつけたのが…〉
    • 次元:〈あの牧場の大将ってわけか…〉と、話を引き継ぐ。
    • ルパン:〈ジョージ・滝川。かつての仲間の1人さ。〉
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
      『滝川と牧田のやり取り回想シーン』
    • 滝川:〈どうだ、ケン。でっかい仕事だぞ。〉
    • 牧田〈断る。ルパン2世が死んだとき、金庫破りのケン・牧田も、この世から消えた。〉
    • 滝川:〈俺がこれほど頼んでもか?〉と迫る。
    • 牧田:〈クドイぞ、ジョージ。〉と一刀両断。
    • 滝川:〈じゃ、お前の可愛いリエがどうなってもイイって言うんだな。いや、なに遊びに来たいといってたんで、今、オレの牧場で預かってるんだ。〉と悪びれもせずに話す。
    • 牧田:〈貴様、たくらんだな!〉と、滝川の胸ぐらをつかむ。
    • 滝川:拳銃のマガジンで、牧田を殴り倒す。
    • 牧田:〈頼む。リエを返してくれ。その代わり、欲しいものは何でも渡す。〉と懇願する。
    • 滝川:〈ンッハハ。良い心がけだ。〉
      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    • 次元:〈娘は何も知らないのか。〉
    • ルパン:〈知らない。父親が泥棒だったこともな。〉
    • 次元:〈いつまで隠しておくつもりだ。〉
    • ルパン:〈一生さ。(と、立ち上がり)行くぜ!(と、とある小屋へ目線を向ける。〉
  4. 小屋の中では、リエが警察へ通報していた。〈そうです、ルパン三世です。えっ?現在地。ちょっと待ってください。今いる場所は…〉と、窓の外をみると、ルパンと次元が歩いてくる。〈はぁ!〉と目を見開くリエ。ルパンが扉を開け、小屋の中を見回すと、藁の束からブーツが飛び出している。〈なるほど、頭隠してなんとやらってやつか。〉と次元。そして、藁へと近づくルパンに〈危ない!〉と声をかける。頭上から飛んできたのは、物騒な道具【鋤】。ブーツはフェイクで、実際に、リエは棚の上から様子を伺っていた。逃げようと走り出したところに、次元が立ちはだかる。小屋で、食事を始めるルパンたち。リエに〈食べなよ。腹が減ちゃぁ、戦ができないだろ?〉〈ご免だわ。泥棒のモノなんか!〉とツレナイ返事。〈まぁ、そうムキになりなさんな。〉というルパンに〈たとえ、飢え死にしたって、泥棒したものは食べないわ。〉と応戦するリエ。次元は思わず〈なーに、言ってやがるんだ。自分は一体、何様だと思ってるんだ?〉と口走ると、ルパンが〈次元!(と、大きな声で制する)〉
  5. ラジオから特別ニュースが流れてくる。本日10時05分、警視庁に入った情報によりますと、ルパン三世が日高の滝川牧場から少女を誘拐して、逃走中の模様であります。》リエは〈あたしが電話したのよ。私が110番に電話したの。〉と話す。〈何てことしてくれたんだ〉と頭を抱える次元。すかさず、立ち上がったルパンは〈次元、話がある。顔貸せよ。〉と、次元を連れ出し小屋の外に出る。打ち合わせを済ませて戻ってきたルパンは、リエを連れてトラクターで移動を開始する。リエは〈私をどこへ連れていく気?〉とかみつく。〈もちろんパパのところへさ!あの山越えて、野を越えて、鉄橋の向こうまでね!〉と応じるルパン。リエは険しい顔で、ルパンを睨みつけている。すると頭上からプロペラの音が近づいてくる。リエは〈助かったわ!おじさま~、ここよ~!〉と、歓喜の声でヘリに手を振る。ヘリから下りてきた縄梯子に手を伸ばすリエ。その瞬間、ルパンはハンドルを切り妨害する。〈ンンン、構わん。ルパンを撃ち殺せ!〉と部下に命じる滝川。
  6. パトカーのサイレン音が聞こえてくる。ルパンの行く手を阻むように、正面から近づく2台のパトカー。〈ん?こいつはいけねぇや。〉とルパンは、素早く娘を連れて逃走する。銭形もまた、パトカーから降り、追いかけてくる。〈ルパン、逃げても無駄だ。神妙にその娘を渡せ。〉と銭形。すると、銭形たち警官に向かって銃弾が飛んでくる。ヘリから〈遠慮するな。サツにリエを渡しちゃならねぇぞ。〉と、発砲を指示する滝川。銭形は、滝川たちをルパンの手下だと勘違いする。それを見たルパンは〈よーし、今だ!〉と加速する。ルパンを追おうとする度に、銭形の行く手を阻む弾丸が飛んでくる。その間にルパンは森の中へと入っていく。
  7. ヘリからルパンを探す滝川。そして、普段、走っていない森林鉄道に目をつける。その頃、ルパンは、せっせと薪(石炭には見えない)をくべて、機関車を走らせていた。すねた表情を浮かべるリエに〈まだ分からないのか?〉とルパンは問いかけるが、〈私、泥棒とうそつきは大っ嫌い!〉と頑ななリエ。〈滝川の正体は、さっき分かったはずだ。せっかく来た警官をマシンガンで邪魔したのは、なぜだと思うんだよ。〉〈おじさまには、なにか訳があったのよ!きっと、仕方なくやったのよ…。〉と萎れるリエ。〈まぁ、いいさ。おとなしくしててくれれば、それでいいんだ。〉と、ルパンが空を振り仰ぐと、滝川のヘリが迫っていた。
  8. 列車に横づけしたヘリから、二人の手下が機関車へ飛び乗る。ルパンの背中に、容赦なくマシンガンを浴びせる手下たち。それを隣で見ていたリエは〈あぁー、キャァー!〉と悲鳴をあげる。が、ジャケットの下はもぬけの殻。〈服だけだ。やい、ルパンの奴、どこに行った?〉と、マシンガンの銃口をリエに向け、手荒に尋ねる手下A。〈言え!言わないと、貴様もハチの巣だぞ!〉と迫る。〈おい、サブ。大事な金づるだ。手荒なことはするんじゃないぞ。〉という手下B。サブは〈うるせぇ。オレは前っから、こいつは気に入らなかったんだよ。〉と、リエに銃口を突きつける。〈お嬢様ぶりやがって。たかが金庫破りの…〉〈やめろ!おしゃべりは、それまでにしな。〉と背後から現れたルパン。二人の手下は、すぐさまマシンガンをぶっ放す。銃弾を逃れて、再び、姿を消したルパンに、手下たちは〈挟み撃ちだ!〉と二手に分かれる。当のルパンは、車体の下に隠れていた。そして〈ニヒヒ…〉と笑うと、二人の手下が乗った後方の車両を切り離し〈あーばよ!〉と去っていく。
  9. ルパンは、再び、薪をくべ、労働に勤しんでいるが、リエはなにやら考え込んでいる。
    • リエ:〈ルパン、教えて。本当のこと。お願い!〉
    • ルパン:背中でリエの声を聞いていたが、徐ろに立ち上がる。
    • リエ:〈パパと滝川のおじさんの間に何があったの?〉
    • ルパン:〈なに、ありふれた誘拐事件さ。〉
    • リエ:〈嘘よ。サブちゃん金庫破りがどうのこうのって。私、本当のことが知りたいの。〉
    • ルパン:シリアスな表情がクローズアップされた後〈オラァ、大泥棒の、大ウソつきだから、真に受けてったら、ひどーい目にあっちゃうんだから。〉と、おどけた表情で応える。
    • リエ:〈んん。〉と小さく息を吐き、腑に落ちない表情を浮かべる。
  10. 銭形は〈いいか、ここで機関車が来るのを待つぞ!はやく、来い!ルパン。〉と線路で先回りしていた。ルパンは、前方にパトカーを発見すると〈クソゥ、銭形。〉と、薪をドンドンくべて、機関車の速度をあげていく。〈どうしたの?急にスピードをあげて?〉〈こっちに来な、はやくこっち。(と、リエを自分の方へ引き寄せる)〉〈なにするのよ。〉〈この先にな、警官が非常線を張っている。強行突破する。そのとき叫ぶんだ。大声で助けて~って、言うんだぞ。〉〈どうして?〉〈言われたとおりにしてくれ。〉なおも、黒煙をあげて、加速する機関車。リエはルパンにしがみついている。〈止まれ~!〉と立ちはだかる銭形だが、機関車が迫ってくるのをみて、脇に逃れる。パトカーをなぎ倒しながら〈早く助けてって言うんだ。〉とルパン。〈でも…〉と、尻込みするリエにルパンは〈オレは犯人だぞ…(というと、少女の声色を真似て)あれ~!たっすけてぇ~!〉と自ら叫ぶ。銭形は、ルパンの跡を追いかけながら〈ん?霧をさくような女の悲鳴。ルパンめ、逃がさんぞ!(と、無線を片手にとり)予定通り、作戦開始!〉と告げる。
  11. 〈銭形にしちゃ、あきらめがイイな…〉と機関車が二又に差し掛かったそのとき、警官たちが線路の進路を切り替える。それをみたルパンは瞬時に、ブレーキをかけるが、予め、警官たちによって準備されていた線路上の丸太の山に突っ込んでしまう。丸太をなぎ倒しながら、道なき道の急勾配を下っていく機関車。〈しまった!〉と銭形の部下たち。機関車は、ますます加速し森の中へと突っ込んでいく。その後をトロッコ風の板に乗って、線路で追ってきた銭形たちは、勢いで丸太に突っ込み、尻もちをついて止まる。そして、森の中をすごい勢いで下っていくルパンたちを〈ん?あのバカ。森の中をレールもないのに…〉と複雑な表情で見送る。
  12. 森林の木々をなぎ倒しながら、加速する機関車。風速によって、機関部を覆う鋼鉄板も、ドンドン飛ばされていく。そして、汽笛の先端が飛ばされた直後、〈はぁ、(森を)出ました!〉と警官の声。銭形は、線路上から〈あぁ、アーン?こんなバカな話があるもんか!追え~!〉と叫ぶ。一方、機関車もどきに乗車しているルパンとリエ。〈どうだね、こんな汽車の旅は!〉というルパンに、リエは〈生まれて、初めてよ!〉とイキイキとした笑顔で応える。〈ンフフフ…オレもだよ、それ~!(と、アクセル全開)〉再び、機関車もどきは、ルパンとリエをのせて線路に戻る。そのずっと後から、銭形たち警官はトロッコ風の板に乗って追跡していた。〈橋を遮断しろ!逃げ道はそこしかない!〉と、無線で指示する銭形。陸軍も始動し、第二の非常線を張る警官たち。陸橋を超えた先の高台からは、次元とリエの父親であるケン・牧田がその様子を見守っていた。
  13. 一方、滝川も、高台から双眼鏡でルパンの行方を追っていた。そうして、ルパンたちが通るとおぼしき線路に、時限爆弾装置を仕掛ける。ルパンがその線路を通過する直前で車輪が浮く。ピョンッと跳ねた直後、仕掛けは爆発。その後を追ってきた銭形たちは、爆発によって沈下した地面の窪みに突っ込んでしまう。〈クソゥ、ルパンめ!待てぇ!〉とルパンの後ろ姿をみつめて悔しがる銭形。その直後、ルパンたちの乗った機関車が爆音に包まれる。その様子を見ていた部下は〈ルパンの姿がみえません!〉と報告するが、機関車が線路を走っていくのを確認した銭形は〈いや、ルパン一流の目くらましだ。あの機関車を追え!〉と走り出す。ところが、爆発によって飛ばされたルパンとリエは、線路脇の崖の下へ倒れていた。
  14. 先に立ち上がったリエは〈しっかりしてルパン!ルパン…〉と声をかける。直後、リエはルパンの胸元に1枚の写真を見つけて、手を伸ばす。〈パリにいた頃のパパたちの写真…、この真ん中の人は…〉そこで〈ンン…、おぉ、イタタタタ。〉と起き上がるルパンを見て、リエはとっさに写真を後ろ手に隠す。〈大丈夫かい?〉と声をかけた直後、ハッと胸ポケットを探るルパン。そして〈こっちに出しな。〉とリエに手を差し出す。リエは写真の真ん中の人物を指さしながら〈この人は、誰?あなたのお父さんなのね!ルパン二世ね!〉と鋭い声色で問追い詰める。ルパンは、リエの手から写真を取りあげ〈リエ、君には関係ないことさ。それより、顔でも洗おうぜ。(と立ち上がり、リエの顔を見て)ん?アハハハハ。真っ黒けだ。〉と川で顔を洗う。そして、顔を拭きながら、リエの様子を心配そうに伺う。
    • ルパン:〈おーい、どうした?元気出せよ。〉とリエに歩み寄る。
    • リエ:〈パパも滝川のおじさまも、あなたのお父さんの仲間だったのね。泥棒だったのね?(と、ルパンの方へと振り返る。)だから、パパは、警察に頼まないで、あんたに頼んだんだわ。パパの嘘つき!(涙をこらえながら、大木に走り寄り、木を叩きながら)パパなんか大嫌い!〉と泣き崩れる。
    • ルパン:〈冷たいようだが、泣いている暇はないんだ。隠さずに、本当のことを話そう。〉
    • リエ:〈聞きたくないわ。泥棒や大ウソつきの話なんか!パパなんか、パリから帰ってこなければよかったのよ!〉
    • ルパン:〈バカ!(と、頬をなでるように、リエの左頬を叩く。パパはね、娘の君が知っている通りのパパだよ。パパに八つ当たりするのは、パパに会ってからにしようぜ。(と、リエの肩に手を置く。)さぁ、涙を拭いて。その顔、パパが見たらビックリするよ。〉とハンカチを渡す。
    • リエ:ルパンの顔をじっと見つめている。
    • ルパン:プロペラ音が聞こえて〈もう、来やがったぜ。〉と空を見上げる。
  15. ヘリから滝川が〈リエー、こちらに走ってくるんだ!〉と叫ぶが、リエはルパンにしがみつく。〈じゃ、ないと、ルパンと一緒に打ち殺すぞ!〉と脅迫する滝川。リエは、キッと顔をあげて滝川の声のする方へ振り向くと〈いいわよ!撃ってごらんなさい。〉と気丈に応える。〈バカ、ヤツは本当に撃つ気だ。ほーら、来た!〉と、ルパンはリエを連れて走り出す。岩の陰に隠れながら、森の中へと駆けていく。滝川は〈弾の無駄だ、あの空き地に降ろせ。〉と部下に指示する。その空き地のでは、ルパンが仕掛けをつくって、待っていた。〈いまだ!〉とロープを切ると、大木がそのままヘリの胴体へ突き刺さる。〈当たり!〉とルパン。ヘリは方向性を見失い、森の中に墜落し、辺り一面に爆音が轟く。
  16. ルパンとリエは、森林を抜け、陸橋の手前に辿り着く。
    • ルパン:〈銭形のとっつぁんにオレのことを聞かれたら?言ってごらん。〉
    • リエ:感情の伴わない声で〈警戒が厳重なので、私を置いて逃げました。〉
    • ルパン:〈そーうそう。そう言うんだ。滝川のことはなんにもいっちゃいけないよ。あくまでも犯人は、このオレなんだぞ。〉
    • リエ:瞳をウルウルさせて〈ルパン!〉
    • ルパン:〈さぁ、パパに向かって突撃!〉と、リエの背中を押す。
    • リエ:振り向いて〈ルパン、ありがとう。〉
    • ルパン:〈ンフフフ。ほら、行って行って!〉
    • リエ:〈さよならっ〉と駆けていく。
    • ルパン:〈ンフフフ…。(と、いつものおどけた顔で送り出したのち、一瞬、真顔に戻り)リエちゃん…。〉と呟く。
  17. 姿を現したリエに〈あなたがルパンに誘拐された牧田リエさんですね。〉と銭形が確認すると、リエは〈はい。私がリエです。〉と応える。〈だいぶ、疲れているようだな。で、ルパンは?ルパンはどこへ行ったんです?〉〈警戒が厳重なので、私を置いて逃げました…〉と力なく言い、銭形から目を背ける。〈クッソゥ、ルパンめ!あとは頼む。俺はルパンを追跡するぞ!〉と走り出す。残されたリエは〈ルパン…〉と呟く。こうして、家路にむかって、陸橋を歩き出したリエの前に、ケン・牧田が姿を現す。〈パパ、パパ~!〉とケンの胸に泣きながら飛びつくリエ。

    父娘の再会を見守っていた次元は〈やーれやれ、大団円か。〉と帽子のツバをあげて〈さて、ルパンを探しに行くとするか〉と歩き出す。その頃、ルパンは…銭形警部と月夜の晩の下、楽しい追いかけっこをしておりましたとさ。おしまい。

 

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 ◆こうゆづ的*第二十一話の№1シーン

いやー、イイ!これこそ、まさにルパン三世、大団円の回。少女を助けるルパン三世の物語。それも、目的は【恩返し】なのだから、ルパンの気持ちが断然、ノッています。親父(ルパン二世)がお世話になった仲間の娘を助けるという、ルパンの温情【義理堅さ】からの行動です。こういった分かりやすいお話が、私はとても好き。ルパンの信念を貫く姿勢やその意図を、瞬時に汲み取る【相棒次元】の潔さも、見事に描かれています。最後の父娘の再会を見守る眼差しも、優しいです。

また、【ジャジャ馬娘リエ】が、ルパンと行動を共にすることで、〈精神的な成長〉橙色のラインを遂げていく姿もイイ。かなりの大物に育ちそうな予感を抱かせるリエちゃん。とてもチャーミングに描かれています。純真さ故の激情型の性格は、ある意味トリッキーではありますが、魅力的です。パパのことが大好きだからこそ、思いっきり怒れるわけですし、リエを諫める〈ルパンの台詞〉あらすじ14も、味わい深くホレボレとします。

さらに、【銭形警部】との痛快な追いかけっこの場面も、丁寧に描かれていて、見ごたえ十分。ルパンの行動を先読みする銭形。そして、ルパン逮捕を諦めない健全な精神。これこそが我らがとっつぁん、銭形警部ここに在り!といった印象。敵役の滝川が相当【小者】にみえる描写が、かなり効いています。

ルパン二世と牧田、そして滝川が仲間で、行動を共にしていたというエピソードに〈なぜこの二人の仲間に、滝川が選ばれたの?〉と、すこし不思議に思えますが、ルパン三世よりもルパン二世の方が、仕事の時は、案外【阿漕に攻めている】ところがあったのかもしれません。【仲間】という部分だけを切り取ると、次元、五ヱ門という仲間と共にあるルパン三世の方が、恵まれているように思えてきます。ルパンは、父親以上に、祖父を尊敬していて、その血を色濃く継いでいるようなイメージがありますしね。

さて、きらめく台詞のやり取りに、キュンキュンときめく第21話ですが、№1シーンは《ジャジャジャジャーン♬》ルパンが小屋で、自分が誘拐犯で追われる立場になったことを理解して、次元を外へ連れ出し、頼むシーン。

  • ルパン:〈銭形と滝川の挟み撃ちじゃ、3人でウロウロするのは、かえって危ない。先回りして、牧田の親父さん、安心させてやってくれないか。必ず、娘は連れていくってな。
  • 次元:〈やれやれ。分かったよ。じゃ、成功を祈るぜ。
  • ルパン:〈ま~かしとけって。〉 

もう一つの№1シーンは…というわけで、ひとつに絞りきれなかった私。何ともお粗末で、失礼いたしますですよ。どちらも捨てがたし!ということで。№1′《ジャジャジャジャーン♬》次元とケン・牧田が、陸橋から状況の行方を見守るシーン。警察によって第二の非常線が張られ、陸軍まで登場してくる場面での会話。

  • 次元:〈戦車まで引っ張り出したぜぇ~。〉
  • 牧田:〈私が初めから警察に、すべてを話して任せれば、こんなことにならなかったんです(と、首を垂れる)。〉
  • 次元:〈おいおい、今更、何を言うんだ。そんなことしたら娘があんたの昔を知っちまうぞ。おい。〉
  • 牧田:〈私に勇気がなかったんです。そのため、ルパンを誘拐犯人にしてしまった。今から警察に全てを話します。〉
  • 次元:〈ダメだ。そんなことしてもルパンは喜ばねぇ。やるとなったらヤツは必ずやるんだ。そんな男さ、ルパンってヤツは。〉とニヤリと笑う。

いやー、イイ!次元の台詞にしびれます。男泣きしてしまいそう。ん?

ファーストシリーズの第21話は、全ルパン三世の作品の中でも、個人的にはかなりの上位に食い込む作品。私は、大隅監督の演出が好みなので、初期の作品推しですが、Aプロダクションが手掛けた作品では、本作と11話が好きですねぇ。どちらも、少女を助けるという物語。やはり、カリオストロ城に続く流れをもつだけあって、【ルパンと少女の物語】は、宮崎駿さんの真骨頂なのではないでしょうか。

前作の泥棒島については、ボロクソ言いましたが、今作は、銭形警部も立ち直ってくれたようで、本当によかった!と思える回です。私の機嫌も、すっかり治りました。とっつぁんは、冷静に判断できるときは、かなりのところまでルパンを追い詰めるのですが、やはり、詰めは甘いですね。その甘さが魅力ではありますが…。

さて、次回は、最新型のコンピューターがルパンの行動パターンを予測し、逮捕に導くお話。ルパン逮捕に燃える銭形VSコンピューター技師の戦いも見どころです。お楽しみに!

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)

LUPIN THE THIRD FIRST TV『020:ニセルパンを捕まえろ!』元祖ルパンが出現したってよ!

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。2月。本日は節分、明日は立春。季節の変わり目、暦上では春です。暖冬だからなのか…春の浮き立つ気持ちが控えめな私。現実は、本格化する花粉症に向けての対策が、切実なのであります。

さて、ルパン三世のテレビシリーズを第一話から見直して、ただ感想を書くというだけの試みの20回目。1週間に1回更新し続けてきたので、20週ということは、5ヶ月近くになるわけですな。おつき合いいただいている皆様に、感謝申し上げます。

第20話は、Aプロダクションの演出に変わって、初の原作プロット、ルパン三世の【賊族島①②】を使用した内容になっています。また、今作は、いつも一緒にいる次元が出演しない回でもあり、ひと味違ったルパン三世の世界がみられそうです。

ルパンは、見事〈ニセルパン〉の名を騙る不届き者の正体を見破り、祖父の遺品を手に入れることができるのか?それでは今日も、ルパンと銭形警部に会いにいってみよ~!

第二十話『ニセルパンを捕まえろ!』(1972年3月5日放映 / 脚本:七條 門)

〈登場人物〉ルパン(石川大介)・銭形警部・ニセルパン(ジンベエ)・マルケイ・長老・おばば 

冒頭、何者かが〈元祖ルパン〉を騙り、銀行の大型金庫の中で待ち受け、大枚を盗み出すシーンが登場。

  • 銀行員に拳銃を突きつけ【大声をたてるな。元祖ルパン】という紙切れ1枚の指示で成果を出すという巧妙な手口。
  • 金塊をトンネルに入った輸送車から丸ごと盗み出し、山肌に【ごくろうさま元祖ルパン】というメッセージ。
  • 厳重警戒態勢の館から美術品を頂戴し【元祖ルパン】の文字を残し、姿さえも現さない。
  • とある金持ち宅では、主人の頭を死角からポカンと殴り、額に【元祖ルパン】のハンコを残して、装飾品を盗み出す。
  • とある茶室の一室では、お手前中の僧侶の横に掛けてある掛け軸を速やかに頂戴して【ただ今参上‼ 元祖ルパン】と文字を残す。

このように、ニセルパンの鮮やかなテクニックを駆使した仕事ぶりが紹介される。

  1. 警視庁に予告状が届いた。【警視庁銭形警部に告ぐ‼ 今夜午前0時 銀宝堂宝石店所有の時価13億円といわれる〈ジンギスの王冠〉を頂だいするから万全の警戒を期されたい。元祖ルパン】とある。銭形は〈あぁー?あと3分。ルパンの奴、このところ立て続けに、あちこち荒らしやがって。見てろ、今夜こそ絶対逃がさんぞ!〉と、銀宝堂に大勢の警官を配置。【ジンギスの王冠】は、燦然と輝いている。午前0時の鐘。店主とおぼしき男が〈葉巻〉に火をつけた、次の瞬間、噴煙が立ち込め、警官たちはバタバタと倒れる。店主に成りすまし素顔を防具で覆った男は、難なく鍵穴をこじあけ【ジンギスの王冠】を手にする。途端、非常ベルがけたたましく鳴り響く。正攻法で扉から飛び出した男は、屋上へ。外で待機していた銭形は〈ビル全体を包囲しろ!〉と指示を出す。
  2. 成りすまし男は、向かいのビルの時計塔にロープを固定、警官たちが屋上にせまった直後、手榴弾を投げ、辺りは煙に包まれる。銭形は〈ルパンめ、手こずらせやがったが、とうとう年貢の納め時だ。撃て!〉と銃弾を浴びせる。集中砲弾をものともせず、ロープを伝っていく男。銭形は〈あいつは、似ても焼いても食えん、稀代の怪盗ルパンだ。かまわんからロープを切れ。〉と指示する。ロープを切ったのは、警官に変装した本物のルパン三世。〈ルパンの最期だ…〉と、思わず目を閉じた銭形の目前に落ちてきたのは、精巧につくられた人形であった。
  3. 成りすまし男は、別ルートで仲間が待ち受けるトラックへ。野菜が積まれた荷台に隠れて逃走する。本物のルパンも、男たちの追跡を開始。トラックの車体の下に身を潜める。〈チッキショウ。オレの名を騙るなんてふざけた野郎だ。だけっどもよ、予告状といい、盗みの手口といい、オレにまぁそっくりだ。一体、何者なんだ?これじゃ、銭形のとっつぁんがオレの仕事だと錯覚するのも無理はねぇやな。〉と呟く。一方、銭形は、ダミー人形の頭部を手に〈クソゥ、ルパンの奴、コケにしやがって、オレを~!〉とわめいていた。そこへ、部下が通路に【ミカン】が落ちていたと報告にくる。〈こんなもん、捨てちまえ~!ん?ミカン?〉と、なにやら閃いた銭形。夜が明けても、なお、トラックは走り続けている。車体にしがみついているルパンの腕は、痺れをきたし、限界を迎えていた。一方、銭形は、ミカンの産地が【若松湾】付近であることを突き止める。
  4. 成りすまし男とその仲間は、真っ青な空の下、迎えが待つ島へとボートで辿り着く。〈おばば、じっちゃま、ご覧のとおり上々の品だ。〉と、【王冠】を取り出す成りすまし男ことジンベエ。すると、じっちゃまこと長老が、ボートから伸びるロープに気づく。男たちがロープを引き上げると、ドラム缶がつながっている。〈ンフフフ、やっと着いたようですな。やぁ、皆さんどうもどうも。突然で失礼いたし…〉と姿をみせ、桟橋へあがるルパン三世。と、瞬時に、ジンベエがルパンの胸ぐらをつかみ〈貴様、何モンだ!どっから来た?〉と問い詰める。〈やぁ、どうも。皆さんこんにちは。私はル…、いやあのぅ【石川大介】っていうケチな盗人でございまして。盗みに関しては、ベテラン中のベテランだと感じたので、ぜひ、仲間に入れてもらいたい。〉とすまし顔で答える。すると、ジンベエは〈コソ泥にしては、大した目利きじゃねぇか。〉と銃をルパンの胸元に突きつける。そこへ、おばばが〈お待ち。〉と声をかける。〈スパイだから、構うことない。刑事に違いない、探りを入れられる前にやっちまおう。〉という仲間の男に、島人達も同意する。再び、背中に銃を突きつけられ、命ごいをする石川大介ことルパン。長老は〈やるのはイイが、そう急がなくてもよかろう。どうもこのお人は、刑事のようには思えんのじゃ。〉という。〈ンフフフ、さすが、長老様。〉とゴマをするルパン。こうして、この島がルパンの推察の通り【泥棒島】であると語りだす。周囲では、鳥が〈カーカー〉としきりに鳴いている。
  5. 長老は〈海賊王、バイキングの流れを汲んで何百年も、この島に住み着いて、泥棒家業ただ一筋に世を渡ってきた。いいかね、ワシら一族のその数百年は、厳しい試練の積み重ねだった。あんたが仲間に入りたいと言うんなら、どうかね、一つ試させてもらおうじゃないか。あんたがこの島で耐えていけるかどうか。〉と提案する。ジンベエは〈面白い。どうせ死ぬなら楽しみながらっていうのも、粋なモンだ。やってみるかい、大将。少々、手荒いゲームだがね。〉とルパンの肩に手をのせる。【岩ころび】という、これまで幾人もの命を奪った恐怖のゲームなのだという。
  6. 山の斜面、急勾配の山道を前に、ルパンの両足は、ガクガクと震えていた。ジンベエは〈泥棒は、なんたって運動神経が発達していなくちゃ~ね。〉と言い〈えっ?まぁ、まぁ、そう、そうでございましょうね。〉と、気もそぞろのルパン。〈このゲームをやるんならの話だ。あんたが死にたくなければ、それでいいのさ。〉すると、パラパラと小石がおちてくる。ルパンの頭上には、出番待ちの大きな岩の塊が数十個、積まれていた。〈あれが落ちてきたら、どうするね、あんた。〉とジンベエに聞かれ〈下へ逃げる。〉と応えるルパン。〈じゃぁ、早速、逃げてもらおうか。あの広場まで逃げ切れなかったら、お陀仏だ。〉とナイフで、岩塊を固定していたロープを切る。〈いやっ、ハハァ~〉と、たまらず大ジャンプをして、急斜面を駆けだすルパン。後ろには、何十もの岩が迫ってくる。息つく暇のないかけっこ。ルパンは、先頭の岩に飛び乗り、玉乗りの要領で広場めがけて突っ込んでいく。その後ろからは、ジンベエがサッカーボールの要領で岩を足で転がすように弾みをつけて、追いかけてくる。次の瞬間には、岩の勢いに巻き込まれ、ルパンは〈コロコロ〉と岩と一体になって、転がり落ちていく。ジンベエは満面の笑顔で、岩に片手をついて転がしては、自らの身体を上手くバウンドさせながら、降りてくる。ヘトヘト、ボロボロになりながらも、ルパンは不死身。ジンベエも〈しぶとい奴だ。〉と呟くほどの粘り強さで、広場までたどり着く。這々の体のルパンは、立ち止まった瞬間に、背後から追いついてきた岩につぶされ、下敷きに。ジンベエは、広場に集まった村人たちに被害が出ないように、岩をしっかり静止させ、フィニッシュ〈とうとう、伸びちまいやがったか。〉と笑う。長老は〈とにかく、やり遂げたんだ。殺すこともないじゃろう。〉と言うが、ジンベエは〈だけど、こいつはタダのネズミじゃねぇぜ、じっちゃま。とにかく【地下牢】にでも、放り込んでおきましょう。おぅ、マルケイ!〉呼ばれた男は、ルパンをおぶって連れていく。おばばは〈手当くらいしてやったら、どうなんじゃ。〉と声をかけるが〈このしぶとい野郎は、そう簡単には死にやしねぇよ。ほっときゃいいんだ。〉とマルケイ。石灯篭の向きを変えて地下牢の扉を開け、ルパンを乱暴に放り込む。その様子を木の上にいる【2羽の鳥】が、ジッとみつめている。
  7. 地下牢の外観は、祠のような建物になっていて、二人の男が見張をしている。大鷲のような容姿に、カラスのような鳴き声をもつ鳥(以下、大鷲ガラス)が、木の上で、翼を大きくはためかせている。〈いてててて。ひでぇ、乱暴なゲームもあったもんだぜ。まったく。〉と身体をおこしたルパン。〈さぁ、こんなチャチな牢から抜け出すのは簡単なんだが、どの手でいくかってことだよね。〉と辺りを見回す。しばらくして〈なにか音がした。〉と、見張りの二人が地下牢の中を確認すると、首をくくったルパンのうしろ姿が飛び込んでくる。〈大変だ。やれやれ降ろそうぜ。〉と慌てる見張番。すると〈ウホホホ、イエヘヘヘ、ケケケケケケ…〉と、ルパンの不気味なうめき声が聞こえてくる。こうして、見張りの二人が怯んだ隙をついて、ルパンは二人にパンチをお見舞いし〈しばらく、おとなしくしてなさい。〉と縄で縛る。こうしてルパンは、地下牢から脱出する。
  8. この頃、屋敷では【ジンギスの王冠】を前に、長老たちが仕事の成果に感じ入っていた。
    • ジンベエ:しかし、あの男につけられたのは、ドジだったぜ、まったく。
    • マルケイ:心配することはねぇ。奴は当分動けやしねぇよ。
    • 長老:用心を怠ってはならぬ。これは鉄則じゃ、そうだろう、ジンベエ。
    • ジンベエ:仕事がうまく行き過ぎると、つい、基本を忘れる、第何条でしたかな。
    • 長老:第十五条じゃ。
      『ルパンは、見張り役を次々に倒し、屋敷の前に到達する。』
    • おばば:第九条には、己の技に溺れちゃならん、とあるが…お前は。
    • ジンベエ:岩ころびの一件ですかい。
      『ルパンは【煙突】から、屋敷内への侵入を試みる。』
    • ジンベエ:だが、泥棒には、過保護が一番禁物なんだぜ。なぁ、おばば。別にオレは技を弄んでたわけじゃ。
    • おばば:お前の得意そうな顔にちゃんと出とったわ。くれぐれも、第九条を忘れるでないぞ。
      『難なく暖炉に辿り着いたルパンは、部屋の様子を伺う。』
    • 長老:我々が今日まで滅びなかったのは、みんなあの【盗術書】のおかげだ。あの本に書かれてあるあらゆる方法を使って生き延びてきたんじゃからな。
    • おばば:あの方法だけじゃない。若いもんは、当テクニックに走りよるが、盗人たるものいかに身をすすべきかをまとめた最後の36ヶ条は、一番大事なんじゃ。
      『ルパンは〈なに【盗術書】だって?〉と目を丸くし〈おじいちゃんの書いた本のことだ。〉と気づく。』
    • 長老:それにしても、島の連中にも、もっと厳しくたたき込む必要があるのぅ。
    • おばば:アルセーヌ・ルパンちゅう人は、惚れ惚れするようなお人じゃった。わしゃ、まだ小娘じゃったが、よーく覚えとる。
      『ルパンは〈あーれ、そう。おじいちゃんが書いた本のとおりに盗みをやっていやがったのか。こいつは一番、どんなことをしても取り戻さなくっちゃ。〉と決意する。』
    • 村人:(屋敷のドアが開き)大変だ!警察が来たぞ。
    • ジンベエ:警察?やっぱり、あの男。クソゥ。
    • 長老:すぐ行く。村の連中に知らせるんじゃ。
  9. 屋敷内にいた5人は、一斉に〈ソレッ〉と、屋敷の天井から垂れ下がっている縄に飛びつく。すると、滑車が起動。外観にそぐわぬ華やかな印象の洋式のリビングが、あっという間に、竈に木製のテーブルという素朴な造りの一間に早変わり。皆がいなくなった屋敷の竈から首を出し〈オホッ、なんとも用心深いこった。〉とニヤリと笑うルパン。村の人々は、〈警察が来た〉の一報で、ロープを引っ張り、住まいを〈豪華な洋室から粗末な小屋風の一間〉へと、180度クルリと変換させていく。
  10. 島の駐在を伴って現れた銭形警部を長老たちが出迎える。
    • おばば:一体、なにごとじゃが。
    • 銭形:実は、ルパン三世を追ってきたら、どうやら、この辺りに立ち回った形跡があるんだ。
    • 長老:ルパン三世?名前だけは知っちゅうが、なんでも警視庁を赤子の如く、翻弄しとるっちゅう、大泥棒のこったろう?(と、皮肉る。)
    • おばば:そいつはきっと、しびれるようなグッとくる男じゃろうて。一目お目にかかってみたいもんじゃ。(と、愛想よくふるまう。)
      銭形は内ポケットから写真を取り出す。キザなポーズをとるルパン三世
    • 一同:あぁ!こ、こいつは。(と、目を丸くする。)
    • 銭形:(間髪置かずに)あんたたちは、知っているのか。
    • 長老:いやいや、知らねぇよ。ただ、写真ってものは、この村じゃ珍しいもんで、ついその…。
    • 銭形:どうも、臭いぞ。念のため、調べさせてもらう。
    • 長老:そうですかい。そしたら、気のすむまでどうぞ探しておくんなさい。(と、笑顔で応じる。)
  11. 銭形は、村中の家をしらみつぶしに調べていく。小屋に入るなり〈くせぇー。〉と一言。茣蓙の下やツボ(肥溜め)の蓋を開けては、息をこらえている。
    • マルケイ:あの野郎がルパン三世だったとは、いささか、おったまげたね。
    • ジンベエ:奴は、俺たちに復讐にきたに違いねぇ。
    • おばば:心配することはねぇ。刑事が帰ったら、ゆっくり始末すりゃええんだ。
    • 銭形:(夕暮れとき)ルパンは見つからんかった。(と埃を払いながら、長老に近づくと)だが、島の中に必ずいるはずだ。どんなことをしても見つけ出す!とにかく、もう日が落ちるし、今夜はここに泊めてもらおう。
    • おばば:ええとも、わしら警察に協力を惜しまんのじゃ。マルケイ、だんなを小屋に案内しておあげ。
    • 駐在:1人で大丈夫ですか。(と心配する。)
    • 銭形:君は先に帰っていい。心配ない、なにかあったら、あれ(無線)で連絡する。
    • マルケイ:どうぞごゆっくり。
    • 銭形:(通された小屋で)ウォッホン(と咳込み)今晩だけの辛抱だ。(と堪えて、茣蓙にゴロンと寝転がる。)
  12. 〈やぁ、警部殿。〉その声は…とすぐさま反応し、起き上がる銭形警部。
    • ルパン:ディスカバージャパン泥棒島観光巡りってわけですかな。ねぇ、銭形警部、結構なご身分ですね。
    • 銭形:ルパンどこにいる!出てくるんだ。(と激しく茣蓙を返す。)
    • ルパン:そう、慌てんなよ、とっつぁん。あんたに捕まる前にぜひとも見せたいものがあるんだよ。まぁ、落ち着きなさいって。
    • 銭形:クソゥ。俺様をバカにすると!
    • ルパン:オレを捕まえたいんなら、天井見てみな。ほら、ロープが下がってる。そのロープに思いっきり飛びついて、引っ張るんだよ。
    • 銭形:(〈それっ〉とロープに飛びつくと、あら不思議くるりと180度、洋風の素敵なリビングが露わに。)あっ、あれは!(テーブルの上には、盗まれたはずの王冠が鎮座している。)盗まれた王冠だ!あっ、この名画も、時計も、この像も。こいつは一体どういうこった?
    • ルパン:盗品の山をよく見たかね。オレの名を騙って、手当たり次第、盗みをやっていたのは、この島の連中なのさ。(と、銭形の前に姿を現す。)
    • 銭形:あぁ、ルパン。貴様!
    • ルパン:えぇ、驚いたかい、銭形さん。だが、見せ物はこれでおしまいだ。(と、再びロープを引っ張り、銭形もろとも180度ひっくり返って、もとの小汚い一間に戻す。)ハハ、銭形のとっつぁんよ、悪く思わんでくれ。オレの借りはオレが返す。これが【泥棒の仁義】ってもんなんだ。
  13. 翌朝、銭形警部ことルパン(以下、銭パン)が島の鐘をカンカン鳴らしている。ぞろぞろと起きてきた村人たち。
    • 銭パン:集まれー!
    • 村人たち:うるせぇな、朝っぱらから。
    • 銭パン:つべこべ文句をいうな!いいか、オレは警視庁の鬼、警部銭形だ。あぁ、ここにアルセーヌ・ルパンが書いた本がある。隠しても調べはついてるんだ。その本をここに出すんだ。
    • おばば:とんでもない、そんな本ちぃーっとも。
    • 銭パン:(話を遮るように)なにぃ~?嘘をつけ。ルパンもその本を狙っとるんだ。
    • 村人A:しかし、妙だな。なんであんたがそんなことを知っとるんだよ。
    • 銭パン:ルパン三世の予告状だ。(と、胸元から紙を取り出し渡す。)
    • ジンベエ:【この島に保有されたアルセーヌ・ルパンの〈盗術書〉を本日、頂戴に参上。ルパン三世  島の御一同様 ジンベエに告ぐ。お前のようなヤツをおじいちゃんの名誉を守るために、けちょんぱに叩き潰してやる】(と、予告状を読み終えると、すぐさま、地下牢に向けて走り出すやいなや)逃げられた!(と、きびすを返し戻ってくる。)
    • 銭パン:どうだ、協力するか?協力すれば、お前たちのこと、大目に見てやっていいんだぞ。調べれば、色々と埃が出るんじゃないのか!
    • おばば:しょうがないのぅ。本はあの祠の中じゃ。
    • 銭パン:なに。あの祠に?⦅「そうだったのか、クソゥ。」とルパンの心の声。祠の扉を開き、盗術書が祀られているのを確認すると⦆いや諸君、協力ありがとう。では、ルパンを誘い込むために、この辺りに身を隠してもらおう。
    • おばば:ほれほれ。(と村人たちは、祠の周囲に身を隠す。)
    • 銭パン:いいか、絶対祠から目を離すなよ。
    • ジンベエ:島の者、全部で見張ってりゃぁ、ルパンもそう簡単には動けまい。
      『銭形ことルパンは、悠々と煙草をくゆらせ、寝転がっている。太陽が天高く昇った頃』
    • ジンベエ:ルパンの奴、俺をコケにしやがって。えー?(祠の方に目をやると、地下牢から煙が出ている。爆発とともに、祠の周辺が煙に包まれる。)
      『銭パンは駆け出し、その後にジンベエも続く。祠の中は、もぬけの殻。盗術書も消えている。』
    • 銭パン:やられた、ルパンだ!
    • ジンベエ:ふざけやがって、あの野郎!タダじゃおかねぇぞ。みんな、くるんだ、逃がすな!(と、ジンベエに続いて村人たちが、ボートを追跡するために駆け出していく。)
  14. ルパンが操縦していると思しき1艘のボートに続いて、3艘のボートが後を追い、海原へ飛び出していく。銭パンは、崖の上から高みの見物。祖父の遺品の盗術書を手に〈へぇ、ちょろいもんだ。チュー(と、本に口づけ)。おじいちゃん、どんなにテクニックが上手くっても、要は(頭部を指さし)ここ次第ってことだよね。ばぁ(と、銭形のマスクを脱ぎ、ルパン三世に戻る)。銃を片手に、ルパンを追跡中のジンベエは、ボートにルパンがいないことに気づく。〈あー、いない。しまったー!リモコンだ。奴の話術に引っかかった。〉その頃、ルパンは島を脱出しようと、走り出すが、島を囲むように、警察の船が何隻も現れるのをみて〈クソゥ、銭形のヤツめ。さーすが!〉と、ルパンは少し嬉しそうな表情で、きびすを返す。
  15. 祠の近くまで戻ると、ジンベエをはじめとする村人たちが、武器を片手に待ち受けていた。〈とうとう捕まえたぞ、ルパン三世。まんまとトリックに引っ掛けやがって。さすがは、アルセーヌ・ルパンの孫だ。だが、もうその手には乗らねぇぞ。さぁ、もう一度勝負だ!〉とジンベエ。ルパンは【大鷲カラス】がくつろぐ木にもたれかかり、〈ピョンッ〉とジャンプすると、ナイフを取り出し、木に固定していたロープを切り、予め、大鷲カラスの足に括りつけておいたロープを掴んで、鳥とともに空へと舞いあがる。すぐさま、ジンベエは銃弾を浴びせるが、ルパンは拳銃を目がけてナイフを投げ、手にした銃をはじく。そこへ警官が拡声器で〈みんな武器を捨てろ、君たちは包囲されている。〉と呼びかけると、わんさかと警官たちがやってくる。〈あばよ、んー?〉と地上に目を向けると、ルパン目指して追いかけてくる銭形の姿が!〈待て~、ルパン降りてこい!覚えてろー、あぁ。クソゥ、ルパンめ、来週こそ、捕まえてやるからな。〉〈ほんじゃ、これにて。バイバイ!あらっ。〉と、ルパンの手からするりと【盗術書】が滑り、海へ落ちていくというオチ。おしまい。

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 ◆こうゆづ的*第二十話の№1シーン

 №1シーン…どうなんでしょう。第20話は、珍しくこれだ!という、推しのシーンが決まらず、戸惑ってしまいました。ルパンの行動を赤字(太字)で示してみましたが、本作のルパンは、初代アルセーヌ・ルパンに敬意を表してか【正攻法】で、敵に揺さぶりをかけていきます。【目には目を歯には歯を、不届き者を成敗してくれるわ!】といったところでしょうか。

ルパン三世という人物は、三代目であることに非常に誇りをもっていますね。血筋に対する敬意をヒシヒシと感じます。泥棒家業に対しての矜持は、一貫していて、ブレることがありません。今作では、以下の台詞に見ることができます。

  • チッキショウ。オレの名を騙るなんてふざけた野郎だ。だけっどもよ、予告状といい、盗みの手口といい、オレにまぁそっくりだ。一体、何者なんだ?これじゃ、銭形のとっつぁんがオレの仕事だと【錯覚】するのも無理はねぇやな。
  • こんなチャチな牢から抜け出すのは簡単なんだが、【どの手でいくか】ってことだよね。
  • おじいちゃんが書いた本のとおりに盗みをやっていやがったのか。こいつは【どんなことをしても】取り戻さなくっちゃ。
  • オレの借りは、オレが返す。これが【泥棒の仁義】ってもんなんだ。
  • へぇ、ちょろいもんだ。チュー(と、本に口づけ)。おじいちゃん、どんなにテクニックが上手くっても、要は(頭部を指さし)【ここ次第】ってことだよね。

今作では、これらの台詞に、ルパンの傾向と対策が現れていそうです。それにしても、元祖ルパンを騙るニセルパンを追跡するのに、車体にしがみついて耐えるなど、誰が想像したでしょうか。こういったなりふり構わず、限界に挑むシーンは、今までにも登場しています。特に印象的なのは、第4話で銭形に屈辱を味合わせるために1年間待ち続ける場面、第10話の銀狐の時計塔に忍び込む場面などでしょうか。己の誇りを勝ち取るために、とことんやり尽くす根気強さは、ルパンの魅力です!

また、最後の台詞では、前作(第19話)で、ガニマール警部と対面し挨拶をするシーンを想起します。血縁に甘んじて策に溺れるのではなく、その時々の状況を読んで、柔軟に計画を変える知恵、頭の良さ【才能】を重視するルパンの姿勢が、ここでも協調されています。気高さは、ルパンの生き様そのものなのでしょう。

けれど、こういったルパン三世の姿は、今までのルパンの姿勢を強調するものであって、ドキドキワクワクといった意外性は、かなり控えめ。岩ころびのシーンは、本作の見どころであると言えるのかもしれませんが、成り行き任せの感じが否めません。ルパンの戦略と言うより、相手の出方をみている場面。個人的には、あまり心に響かないシーンです。

敵キャラの中では、おばばの台詞が一番、面白い。二重人格的な性質が、ツボです。ルパンの命や怪我を心配するような優しさをもっているかと思えば、シレッと後で片づければいい…と、掌を返したような発言をしたり…また、大事な盗術書の在りかをあっさりと教えてしまうところに、ちょっとした驚きを感じます。

さらには、初代アルセーヌ・ルパンには、イイ男縛りで関心があるようなのに、その孫であるルパン三世の顔も知らないというのも、なんだか腑に落ちない。コメディとホラーが入り混じった分裂気味な台詞の数々。狙いの意図が、いまいちつかめません。

ところで、あらすじ2で、銭形が〈ロープを切れ。〉と指示する場面。銭形のキャラクターに、違和感ありありなのは、私だけでしょうか。うーん。これは、ギャグだと受け取ればよいのでしょうか。銭形警部って、ルパンに対して、こんな風に投げやりな仕事(親愛表現)をする質でしたかしらん。アニメ序盤で、主要キャラである銭形警部の描き方に、引っ掛かりを覚えるという落とし穴。故に、最後まで作品にグッと入り込めない感じがあります。

このように、今作は、それぞれのキャラクターの性質が【散漫】している!と、言い切りたい。【泥棒島】というアイデアありきで、内容はグダグダ。ルパンの仲間たちが出演しないという潔い挑戦には、敬意を表しますが、個人的には、モヤッとする第20話。最後も、祖父の遺品を海に落とすというオチに、どれだけの効果があり、なにを狙ったものなのか…。うーん、やはりスッキリしない…。

ルパン三世は、次元・五ヱ門・不二子と言った個性的な面々がいてこそ、ルパンの【非凡さ】が光るということを、この作品は、教訓としての鋭さを示し、気づかせてくれる…そういう意味では、成功と言える作品なのかもしれません。

というわけで、今作の№1シーンは、選べませんでした…という、まさかのオチです。次回は、ルパン二世の元相棒とその娘…の物語。カワイ子ちゃんには弱いけど…カワイイジャジャ馬娘の扱いはいかに?ご期待くださいませ。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)

【感想】日本朗読文化協会主催の〈第9回朗読コンクール本選〉を拝聴して

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。台風19号の影響で延期になっていた朗読コンクールの本選(決勝大会)。大好きな仲間たちが出場するということで、応援に行ってまいりました。結果は、受賞おめでとうございます!

入場料1,500円という金額以上の充実感。大変豊かな時間を過ごすことが出来ました。直前まで、相方にもスケジュールを調整してもらい、駆けつけた本選。本当に素晴らしかったです。

なんというか、そこには明確な意志、価値観を伴った1人1人の物語がありました。いや、朗読って本を読むだけでしょう?なんて、そんな野暮なことをいっちゃいけませんぜ。朗読は、本さえあれば、身一つで始めることができるし、自由に読むことができるもの。でも、だからこそ、朗読という表現に、その人自身の信条、生き方、在り方のようなものが、如実に溢れ出てくるのです。

私は、審査員の先生方の講評を拝聴したとき、そのお言葉の重みと、熱意と、そして謙虚な眼差しに、感動のあまり不覚にも、涙ではなく鼻水を垂らしてしまいました。胸にグッときた。たかが言葉、されど言葉。日本語という言葉に、人生のほとんど、何十年も真摯に向き合ってこられた先生が、決勝に進んだ16名すべての方に特別賞を贈りたいとおっしゃった言葉が印象的で、本大会の熱気が、この言葉に集約されているように感じました。 

とにかく、あまりにも多くの感情が去来したので、その複雑すぎる感情を語彙にするのは、とても追いつかないのだけれど、読み手1人1人の届けたい朗読が、ドスンと伝わってきたということだけは確か。知らない物語に、いつのまにか引き込まれていく心地よさ。物語の創作者(原作者)、朗読者、審査員、観客が一体となり会場の雰囲気をつくる贅沢な時間。朗読が大好きな方々と共にある空間は、温かいハートに包まれておりました。


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個人的に印象に残った朗読をいくつか。順に感想を書こうと思ったのだけど、うっかりプログラムをどこかに置き忘れてきたようで、トイレかなー、会場かなー、はたまた移動中?んー、記憶にない。書類が手元にないもので、私のうろ覚えの記憶で記しておく。

 

学生の部

  • 夏目漱石太宰治。確か、この作者の作品を読まれたお二方が受賞されました。私は、どちらの読みもとても好きでした。素直で丁寧に調えられた読み。どういう風に読み手が原作者の想いをくみ取ったのか、その意図がストレートに伝わってくる清々しい朗読であると感じました。
  • 個人的には、宮沢賢治を読まれた方の朗読が印象に残っています。第一声は、緊張のためか、本来の声があまり出ていないような感じたのですが、物語が進むほどに、その情景が浮かんでくるような不思議な気持ちに包まれました。瑞々しい透明感が心地よい朗読でした。
  • 特別賞を受賞した沖縄からやってきたという学生の方の朗読もよかったです。地声をベースにしたよく通る凛とした声、相手に分かりやすく届けようとする朗読に、感銘を受けました。伸びしろがあるというか、なにか聞き手に期待感を抱かせてくれるような、大らかで明るい読みが好印象。
  • 学生の部で選ばれていた題材では、中原中也の作品をぜひ、読んでみたいと思いました。手にしたことも、聞いたこともない本だったので、すぐにAmazonでポチっと購入してみました。

 

一般の部

こちらは、私がとやかく感想を述べるのも、おこがましいですが、あくまで感じたことを備忘録的に記しておきます。宮沢賢治芥川龍之介の作品を読まれたお二方が受賞されました。

  • トップバッターの宮沢賢治の世界観の表現に、いやー、ド肝を抜かれました。読み手の中にしっかりと確立された世界観があって、宮沢賢治の生まれ育った故郷の地に、等身大の自分が引き込まれていくような、透明感のある、だけど、しっかりと芯の通った説得力のある、唯一無二の朗読であったと思います。講評にあった【好き嫌いを超越した、乗り越えた先にみえる、味のある素晴らしい朗読】とは、まさにこういう読みをいうのではないかと感じました。
  • 2番手の芥川龍之介を読まれた方の朗読は、特に、登場人物の心情をくみとる描写と地の文のメリハリがとてもよく効いていて、物語の中にドンドン引き込まれていきました。16作品中、もっとも、前のめりになって聞いていた自分がいて、朗読が終わった後も、しばし、余韻を噛みしめてしまうような、個性が光る味わい深い朗読でした。
  • 講評にもありましたが、男性の方々の美声、素晴らしかったです。声には、よい声も悪い声もないというお話もありましたが、やっぱり素敵な声ってありますよ。どのような声を美声だと感じるかは、もちろん人それぞれでしょうが、人間の耳が心地よく感じる音は、α、β波の揺らぎを含む音域であることが、ある程度、科学的にも証明されていますしね。楽器なら、トランペットよりチューバ、バイオリンよりチェロ、マンドリンよりマンドラの音色が好きな私。低音でよく響く声、やっぱり好きだ!うらやましいぞ。

一般の部の決勝に進まれた方は、長年、朗読に向き合い、あるいは、演じるという喜びを体現しようと、どの方も寸暇を惜しんで、朗読と共にあることを大切にされているように感じました。まさに、食事や睡眠を摂取するように、朗読そのものが日常生活の一部になっているような印象です。だからこそ、その熱い想いが、朗読の味わいとなり、一語一節が意味のあるイキイキとした音声になって、心地よく耳に届いてくるのだと思います。どの方の朗読も、甲乙つけがたし…というのが、正直なところ。

 

おまけ:ワタシノコト

いやー、コンクール面白かったです。興奮さめやらぬ私の報告を、相方が冷ややかな目で〈ところであなたは?人のことより、自分のことでしょっ!〉と、言うのです。そこで、ハタと気づいた。私には、私もコンテストに出て、決勝に行くぞ!とか、なんとしてもこれを読みたいとか、表現してみたいとか、〇〇さんのような読み手になりたいとか、具体的なプランが全くない。ないじゃーん。

そういえば、歌うのは決して嫌いじゃないけれど、カラオケに行ったら、上手い人の曲を聴いていた方が、音痴な自分の声を聞いているより、ずっと楽しいし、リラックスできるなーと。今の私は、朗読の位置づけが、大してカラオケと変わらないのではなかろうか。そうに違いない。

朗読をさっぱり分かっていない、残念すぎる自分の立ち位置に気づいただけでも、まだよしとするか。未知、未開の地の開拓を、今後どのように進めていくのか…当面の課題です。今日のトートタロット2枚引きは、愚者とワンドのプリンセス。まさに、チャランポランの成り行き任せとは、このことか!恐るべし。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)

 

 

LUPIN THE THIRD FIRST TV『019:どっちが勝つか三代目』ルパン一族の好敵手?ガニマール家、登場!

ご訪問ありがとうございます。こうゆづ☆です。ルパン三世のテレビシリーズを第一話から見直して、ただ感想を書くというだけの試みの19回目。高畑・宮崎コンビ(Aプロダクション)のディレクションに変わり、オープニングの曲と映像も刷新されています。

第19話は、初代アルセーヌ・ルパンの頃から、代々つたわる宿敵ガニマール家の三代目警部が登場し、ルパン三世の前に立ちはだかります。まさか、とっつぁん以外にも、宿命のライバルがいようとは!さすが、華麗なるルパン一族。さて、銭形警部とガニマール警部は【ルパン逮捕】という目的のため、一丸となってルパンを追い詰めることはできるのか?早速、ルパンとその仲間たちに会いにいってみよ~!

 

第十九話『どっちが勝つか三代目』(1972年2月27日放映 / 脚本:小山 俊一郎)

〈登場人物〉ルパン・次元大介峰不二子・銭形警部・ガニマール警部・警視総監 

冒頭、次元とドライブ中のルパン。ラジオは、ルパンの祖父である初代アルセーヌ・ルパンの遺品(おなじみのシルクハット・眼鏡・マント)が、フランスフェアに展示されると伝えている。一方、非番の銭形警部。テレビを見ながら【めざし&たくあん】をおかずに、白米を頬張っている。代々ルパン一族の好敵手をつとめてきたガニマール家。その三代目ガニマール警部が、初代アルセーヌ・ルパンの遺品を警護し、ルパン三世を逮捕するために来日、羽田空港に到着したという。銭形は〈フンッ。ガニマール警部か。フランスのボンボンに何ができるか…〉など、一人ツッコミを入れている。

インタビュアーの〈ルパン逮捕に命をかけている敏腕警部、銭形のことを知っているか。〉という質問に対し、初代ガニマールの孫である三代目ガニマール警部は〈えぇ、もちろん知っています。でも、どうしたことか、いつもまんまと逃げられておいでのようですが…〉と応じる。それをみていた銭形は、米粒を顔に飛ばしながら、勢いよくご飯をかっ込むと〈ガシャン!〉と、ちゃぶ台の上に茶碗を叩きつける。

アジトに戻ったルパンと次元。ルパンはワイングラスを片手に、テレビのニュースを眺めている。〈ガニマール一家とルパン一家の戦いに終止符を打つ自信があるのか?〉という質問に対して、〈そうでなければ、日本までノコノコやってきたりしませんよ!〉と、パイプをくゆらせ、余裕の表情を浮かべるガニマール警部。ルパンは〈聞いたか、次元。三代にわたって恥をかきに、はるばるお出でくださったような。〉と笑う。ガニマール警部は、なおも、画面から〈一文の値打ちにもならないアルセーヌ・ルパンの遺品を展示するのも、ネズミ捕りのエサに過ぎない。〉と挑発する。〈おじいちゃんの遺品に、よくもケチをつけたな!もう、許せん。断然、やるとも!〉と、いきり立つルパン。ニュースは【三代目(三世)同士の世紀の対決の舞台が整った、どうかご奮闘ください。】と無責任に告げ、締めくくる。

  1. フランスフェアの会場に、パトカーで駆け付けた銭形警部。パイプをくゆらせるガニマール警部の後ろ姿が出迎える。と、振り向き様に、対峙する二人の敏腕警部。〈おぉ!ムッシュ銭形、ようこそ。ご協力を感謝します。私はガニマール警部、三代にわたってルパンと対決したガニマール家の名誉にかけて…〉と、左手で制した銭形は〈存じております。直ちに警備体制のプランをお聞かせ願いたい。〉と申し出る。ガニマールは、会場の出入り口4つのうちの2つを閉鎖し、入口と出口専用にすると提案する。銭形は、入口をひとつにしたところで、誰もが自由に入ってこれると苦言を呈するが、〈フランスフェアを1人でも多くの方々にみてもらいたい、ルパン三世にもね…〉とガニマール。〈冗談を言ってる場合ではない!〉と、背中を向ける銭形に〈この会場全体を、ルパンをおびき寄せる巨大な【ネズミ捕り】にする、宝石や銘品の数々の中に、アルセーヌルパンの遺品を並べるのだ。監視は、一点集中でよい。〉と豪語するガニマール。銭形は〈甘い!まったく甘い!私は、ルパン三世をよく知っている。あんたのような【常識論】は、通用せんのです。〉と力説するが、己の信念〈常識ではなく【論理と科学】で挑戦する 、私の名誉にかけて!〉と、真摯に向き合うガニマールの様子をみた銭形は〈フーン。まぁ、それもよろしい。後は、あんたの方法でやりたまえ。〉と応じる。
  2. 翌朝、横浜港に陸揚げされる荷物の数々を、銭形とガニマール警部ら警官たちが出迎える。すると、荷物のひとつ紙が貼付され【フランスフェア開催の日、アルセーヌ・ルパンの遺品は、孫のルパン三世が引き取る。】と書かれていた。〈やる前からクレーンに貼っておく。古い手です。〉と、ほくそ笑むガニマール。その様子を陰からみつめる不二子。
    • 不二子:ルパン、ガニマールと銭形が第4倉庫に入るわよ。
    • ルパン:了解。(マンホールの中に侵入するルパン)
    • ガニマール:さぁ、どうぞ。(と、倉庫の扉を開けて入っていく)
    • ルパン:(地下道の水路を辿り、倉庫の真下で盗聴している)
    • 銭形:さすが、ご自慢の倉庫ですな。
    • ガニマール:いやぁ、驚かれるのは、まだ早い。この格子は、特殊金属製で絶対に切断不可能です。(格子が開き、前に進む銭形に)おっと、危ない。御覧なさい、ムッシュ銭形。(スパナを放ると、たちどころに、焼き尽くされてしまう。)
    • 銭形:レーザー光線か。
    • ガニマール:どうです。完璧でしょう。
    • 銭形:しかし、相手は、ルパンですぞ。いくら保管が厳重でも、積みだしの際に狙われたら。
    • ガニマール:ハハハ、ご心配なく。(完璧な設備を披露する)
    • 銭形:大袈裟だ、大げさすぎる!第一これじゃ、税金の無駄遣いだ。
    • ガニマール:袈裟でも、なんでもありません。これが科学です。論理です。【科学と論理】に従ってこそ、万全の警備体制がとれるんです。
    • ルパン:科学、科学か。ばかばかしい。つまるところ【物量作戦生来】ってことよ。
    • ガニマール:(夜が更けた横浜港の風を浴びながら)フェア開催まで、あと3日。いつでも来い、ルパン!ガニマール三代目の血が騒ぐぜ。
      【♬LUPIN THE THIRD~。】
    • ルパン:やぁ、ガニマール警部。(と、突如、塀の上に現れる)
    • ガニマール:ルパン三世か?
    • ルパン:そう。お目にかかれて光栄。このたびは、フランスフェアに豪勢なお土産をご持参くだすって、心からお礼申し上げます。
    • ガニマール:フフフ。ルパン三世、大した自信だな。君に破れるかな、私の…
    • ルパン:【論理と科学】とやらか!ンフフフ。まっ、開催までに、まだ3日もある。たっぷり楽しもうじゃないの、このゲーム。じゃ、あばよ。(と、立ち去る)
    • ガニマール:待て。(と、銃を出し、銃弾を放つ)
    • ルパン:(再び、塀の上に顔を出して)あっ、こういうところがダメ、こういうところがダメなんだわ。(頭を指さし)ここで勝負しなくっちゃね。【論理と科学、それに才能】でね。ムッシュガニマール、ほんじゃ、ボンヌニュイ!
  3. 翌朝、ガニマールの部屋を盗聴する次元。〈チャンス到来だ、ルパン。お前の計画通り行けそうだぞ。〉と、〈あーりゃ、そうかい…〉と、振り向いたルパンの顔は、すっかり銭形警部の顔に仕上がっていた。
    • 銭形ことルパン⦅以下、銭パン⦆:(ガニマール警部の部屋をノック)大変だ、ガニマール警部。
    • ガニマール:どうしたんです。
    • 銭パン:いま、ルパンから電話があったんです。奴は、あなたの倉庫から展示品をすっかり頂戴したというんです。
    • ガニマール:そ、そんな。(急ぎ、車で倉庫へ向かう)そんなはずはない。いかにルパンでも、あの倉庫だけは。
    • 銭パン:ガニマール警部。開封検査まで、もう時間がない。急ぎましょう。(第17倉庫前に停車中の車には、次元と不二子が待機している)
    • ガニマール:開けろ!すぐに、開けてくれ。(と、第4倉庫に走り込んでくるガニマールと銭パン)
    • 銭パン:みたところ、どこも変わっていないようだが…。(格子が開き、すぐに荷物に向かう銭パンを制するように)
    • ガニマール:忘れたんですか、黒焦げになりますよ。
    • 銭パン:いやぁ、慌てていたもので。早く、レーザーを切ってくれ。封印はそのままだ。
    • ガニマール:無事だ。これも、これも。
    • 銭パン:よかったですな。しかし、ガニマール警部。奴のことだ。ここに来る前に、すっかり同じものとすり替えたのかもしれませんぞ。
    • ガニマール:宝石鑑定人を呼んでください。
    • 銭パン:こんなこともあろうかと、もう呼んであります。そろそろ、到着する頃でしょう。
    • 鑑定人:ふぅ、ほぉ。あぁ、なるほど。
    • ガニマール:やっ、どうなんです?
    • 銭パン:大丈夫ですよ。これだけ輝いていれば、本物に間違えありません。なっ、そうだろう?
    • ガニマール:どうなんだ!
    • 鑑定人:あっ、あぁ、こりゃ、豪華な宝物ですな。もし、ここにあるものが全部本物でしたら…ということですが。お気の毒ですが、これは、全部、真っ赤な偽物ですな。
    • 銭パン:偽物ォ?やっぱり。
    • ガニマール:あぁあぁあぁ(ワナワナと震え、後退しながら)信じられん。オホォ~、ボンジュール(と、頭を抱える)。あはぁ、あっはぁ(と、うなだれて床に手をつく)。アハハハハァ。アァァア…。
    • 銭パン:(鑑定人こと次元と顔を見合わせて、にんまり。ガニマールに歩み寄ると)まぁ、気をおとさないで。よく分かります、あなたの気持ち。私もいつもやられていますから。イェ(にやりと笑い)、ガニマール警部すべてが終わったワケじゃない。元気を出してください。
    • 本物の銭形:(受話器を片手に)ガニマール警部は、どこに行ったんだ?なに、まだ分からん?全く、勝手な行動とるのも、イイ加減にしてもらいたいもんだ。仕方がない。港の開封検査、私が代行する。
    • 銭パン:では、とにかく偽物は、警視庁で保管します。
    • ガニマール:どうぞ。
    • 銭パン:さぁ、早くしてくれ。
    • 次元:(トラックの運転手に変装)どうやら、成功しそうだぜ。
    • 不二子:(トランシーバー片手に)遅いわね。上手く行くのかしら。(と、パトカーのサイレン音が聞こえてくる。)ハッ、ルパン…ハッ、いえ、銭形警部、銭形警部。本物のパトカーにて、まもなく急行中、脱出されたし!
    • 銭パン:えぇ~!
    • ガニマール:どうしました?ムッシュ銭形。
    • 銭パン:えぇ、やぁ、早くしましょう。この事態のための【対策会議】がありますので。
    • 銭形:(パトカー到着。倉庫の警備員に)警視庁の銭形だ。
    • 警備員:ありま。ガニマール警部、あのぅ、もう一人の銭形警部が!
    • 銭パン:そんな馬鹿な。ひょっとすると…ルパンかもしれない。見てきましょう(と、トラックに飛び乗る。後を追ってきたガニマールを突き飛ばして、発進する)。
  4. ガニマール警部は、すぐさま銃でトラックの後輪をねらい、左側のタイヤをパンクさせる。こうしてトラックは、今しがたやってきた銭形警部の側の金網を突き破り、走り去っていく。銭形は、すぐさま、トラックの後を追い、銃で右側の後輪をパンクさせる。〈やったー!〉と歓喜の声をあげ、停止したトラックへと駆け寄る銭形。〈ガニマールさんよ、ルパンは俺が頂くぜ!〉と、有頂天になった銭形の背後に近づく一台の車。銭形は、車中の不二子に、こん棒で〈ポカン〉と頭を殴られる。不二子が運転する愛車は、間一髪、ルパンと次元を回収し、お宝をトラックに残したまま逃亡する。
  5. ところ変わって、警視庁。
    • 銭形:なんてこった。ガニマール警部ともあろうお方が、ルパンの常套手段にまんまと引っかかるなんて。
    • 警視総監:銭形君、少し失礼じゃないか。お客様に向かって。あぁ、そうだ。ガニマール君に、ルパンの関係書類を全部お渡ししなさい。
    • 銭形:総監!あれは、私の血と汗の記録です。絶対、他人には渡せません。
    • ガニマール:ルパンを逮捕できなかった記録など、なーんの役にも立ちません。
    • 銭形:フンッ。三代にわたって逮捕できなかった記録には、及びませんがな。
    • ガニマール:(窓の外を眺めていたが、振り返って)ん?よろしい。どちらが先にルパンを仕留めるか。
    • 銭形:上等だ(と、二人は火花を散らす)!
  6. 一方、ルパンたちのアジトでは、地図を前にして、次元と不二子が計画の見直しを行っている。ルパンは、1人椅子に腰かけ、ボンヤリと天井を眺めている。お宝をデパートではなく、運送中の沿道で盗むルートを検討しているのだが、二人の会話に、生返事を繰り返すルパン。腑抜けたルパンに、次元は〈聞いてるのか、ルパン!〉と、大きな声をかける。と、ルパンは、思わず椅子から転げ落ちる。次元は、フゥーと息を吐き、〈まぁいいや、こいつさえあれば…〉と、望遠カメラを手にとる。
  7. 第7倉庫前。倉庫内には、ルパン・次元・不二子の三人が潜み、次元は、例のカメラで外の様子を伺っている。第4倉庫前に現れたのは、銭形警部。次元に〈ルパン、ちょっとみろ〉と促され、重い腰をあげて覗くと、予定より1日早く展示品を倉庫から運び出している警官たちの姿がみえる。〈待てば懐炉のなんとやらだ。わざとニセ情報を流したんだ。本物は前の晩にこっそり運んじまう。護衛もない小型トラック1台で運ぶとは誰も思わねぇ。銭形にしちゃぁ、上出来だ。ルパン、チャンスだ!やろうぜ。ンァ?〉と次元。そこには、気のないそぶりで〈オレ、お~りた。〉と、横たわるルパンの姿が。気が進まないのだという。〈フンッ、そんならオレがやってみせらぁ。〉と次元。
  8. 銭形率いる小型のトラックを追う次元と不二子。〈ルパンのやつ。上手くいっても、分けてやんねぇからな。〉と次元。銭形は部下に〈異常ないか?〉とたずね、部下は〈白いフィアットが1台着いてきます。〉と応じる。ニヤリ…と笑う銭形。次元は、行くぜとトラックの前輪を狙撃、見事にトラックを止める。トラックから出てきた銭形は、すぐさま〈退避~!〉と命じ、荷物をトラックに残したまま、アッサリと立ち去る。次元はしてやったりと言った顔で、積み荷を開ける。すると、そこには警官の姿が!他の荷物からも次々と警官が顔を出し、次元は手錠をかけられ、不二子もつかまる。その様子を少し離れたところから、双眼鏡で見ていた銭形警部は〈やったー!ばんざーい!〉と、駆け寄っていくが、ルパンの姿が見当たらない。〈ルパンは、どこだ!〉と訊ねる銭形に、次元は〈豆を食ってる〉と応える。そこに、突如、ルパンがヘリで現れる。空中から次元と不二子を悠々とかっさらって、飛び去っていく。【♬ルパンルパンルパン~】銭形たちは、銃弾を放つが届かない。〈クッソゥ、るぱんめ!〉と地団駄を踏んで悔しがる銭形。
  9. 翌日、警視庁。ガニマール警部は〈これでおあいこですな、ムッシュ銭形。無理しなくても、展示品は無事に会場まで運び込めば、それでよいのです。勝負は展示場でつけましょう。〉憮然とした顔で〈フン。〉と銭形。物々しい警備態勢で、荷物はフランスフェアの会場へと運ばれていく。ヘリ上空からガニマールと銭形はその様子を見守っている。〈どうです。これではルパンも手出しできないでしょう。〉とガニマール。〈だが、これではルパン逮捕もできませんな。〉と銭形。荷物が運ばれる様子を偵察するルパンと次元。〈ヒャァ、驚いたねぇ。まるで、戦争映画みてるみたいだ。〉とルパン。〈ヘンッ。これが【科学と論理】かい。大倉庫と言い、輸送と言い、キチガイじみた【物量作戦】にすぎん。〉と次元。ルパンは〈その【物量作戦】をこっちもやろうかって、考えてんだ。〉〈あぁ、そうかい。やっと、おめぇもやる気になったんだな。今度はヒト中だから、ヤツ等も簡単には、手が出せねぇさ。おめぇのワルサー、オレのSW、不二子のシュマイザー。それにいざとなったら、擲弾筒があるぜぇ!ほれ。〉と次元は、上着を捲って背中を見せる。〈それが【物量作戦】なの…〉とあきれる不二子。〈ん。確かにちょっと足りねぇようだな。戦車でも1台ありゃーね。〉と次元。〈とにかく、あとは、あの【ネズミ捕り】の中だけよ。簡単にはいかないわ。〉と不二子。〈やめるのも、一案だぜ。二度もケチが…〉と次元が言うと、ルパンは起き上がり〈降りてもいいんだぜ、次元。ヘヘェ。実は、もう計画はできてんだ。〉という。
  10. フランスフェア当日。晴れやかな空、華やかな楽団の演奏、派手なカーニバルで彩られ、大勢の人が列をつくり、オープンのときを待っていた。展示品の前で、感嘆の声をあげる人々。特に、アルセーヌルパンの遺品の前には、ひときわ大きな人だかりができていた。その遺品を囲むように、前後に分かれて、ガニマールと銭形警部が警備している。展示品の台座の中にも警官が潜み、隙間から監視するという徹底ぶり。天井裏のライトの先にも、警官の姿がみえる。
  11. 一方、会場近くの学生アルバイト大募集中の看板の先では…〈えー、これは、特別アトラクションです。皆さんの姿はテレビで全国に放映されます。郷里の親御さんもきっと見ますよ!〉と、次元がアナウンスしている。不二子は〈機動隊との乱闘に参加したことがある人、手を挙げて!〉ルパンは〈初級フランス語のできる諸君は、こっちだよ。〉と誘導している。カーニバルの観客に交じって沿道に立つルパンに気づいた1人の警官は、トランシーバーで〈ルパンだ!ルパンです。ルパン三世発見!〉と報告。ガニマール警部は〈私が行きます!警備をよろしく。〉と、会場から立ち去ろうとすると、銭形は〈ルパンは俺がいただく!〉と言い、お互いに譲らない。が、一瞬のスキをつき、ガニマールの腕を振り切った銭形は、猛然と、駆け出していく。沿道では、警官たちがルパンに覆いかぶさるように拘束し、会場から出てきた銭形に向けて〈ルパンを逮捕しました!〉と報告している。銭形は〈ヒャハハハ、エヘヘヘヘ、ルパン。見事に引っ掛かってくれたな。俺は、ガニマールと違って会場に警備を限定するようなヘマはやらんの…。アァ、ン?〉と、上を向くと、2階の喫茶店で優雅にカフェを楽しむルパンの姿がみえる。〈これは、一体?〉と汗をかいて、一瞬、ひるむ銭形。〈すぐ逮捕しろ!〉の一声で、喫茶店に姿を現したルパンも拘束されるが、その窓からも、また、別のルパンの姿が飛び込んでくる。【♬ルパンルパンルパン】と、街中の至るところに、緑のジャケットを着たルパン三世が出没。カンパを募る人、屋台の店員と客、立ちション、ナンパなど、ルパンで溢れている。〈クソゥ~、逮捕だ!全員逮捕しろ!〉とやけくそ気味に叫ぶ銭形。
  12. 一方、会場でトランシーバー片手に報告を受けているガニマール警部。次から次へと聞こえてくる〈ルパン発見!逮捕!〉の声に、〈ンー、なんて間抜けなヤツ等だ。ルパンルパンと、何人のルパンがいるんだ!〉と、目を向けた先に、ルパン三世の姿が飛び込んでくる。ガニマール警部も、思わず〈ルパンだ!逮捕しろ。〉と声をあげる。すると、展示品の周辺に潜み、隠れていた警官たちが次々に反応。ルパンを捕まえる。ところが、エレベーターも、エスカレーターも、ルパンの格好をした人々ばかり。ルパンに埋め尽くされた会場は、大混乱に包まれる。〈ウフフフ、ウハハハ〉とルパンの笑い声が、そこら中に響いている。トランシーバーから次々に入るルパン逮捕の報告。〈60人逮捕しました!〉の声に、会場の外で銭形は〈バカ!こっちには100人もいるんだ!〉と泣き叫び、ルパンの顔をはぎ取るとそこには、100人の銭形の顔、頭にはトレードマークの【帽子】。会場では、ガニマールが〈逮捕だ!片っ端から逮捕しろ!〉とわめき、ルパンの顔をはぎ取ると、その下にはガニマール警部の顔が現れ、【パイプ】をくわえる。頭を抱える二人の敏腕警部。
  13. ガニマール警部の前をルパン・銭形・ガニマールに変装した小さな3人組が、並んで通り過ぎたその時、続いてやってきた警備員たちに〈展示品を確保しろ~、たのむ!〉と指示して、ガニマール警部は〈クソゥ~、るぱんめ!〉とその場に座り込む。警備員に変装したルパンと次元は〈はっ、ご心配なく!〉と、展示品の数々を回収していく。こうして、ルパンは、最後にアルセーヌルパンの遺品の前に来ると〈おじいさん、お家へ帰りましょうね。〉と遺品を背負い、エレベーターの中へ紛れていく。ちょうど、そのとき、エレベーター隣に設置された階段で、会場内に戻ってきた銭形警部。〈展示品は、無事か?〉と、銭形が目にしたものは、警官に逮捕されたガニマール警部の面々。口々に〈オレが本物だ~!〉と叫んでいる。そうして、ディスプレイ用のガラスが割られ、全て【もぬけの殻】になった展示品。銭形は〈やりやがったな、ルパン!なにが【科学と論理】だ、このマヌケ!〉と、本物とおぼしきガニマール警部の顔面に、右手のストレートを浴びせるというオチ。

銭形とガニマール、二人の警部が仲良く揃って、駐車場に辿り着いた時には、すでに時遅し…。〈あばよ~!とっつぁん。〉というルパンの声を残して、戦利品の数々を手にしたルパン・次元・不二子の3人は、駐車場から、愛車のフィアットに揺られて、走り去っていくのでした。そうして、またまた、銭形は〈クッソゥ、ルパンめ!〉と、ガニマール警部の顔面を、右手で殴り倒すのでした。おしまい。

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◆こうゆづ的*第十九話の№1シーン

誰がなんといおうとも、第19話の№1は、大量のルパンと警官たちの終わりの見えない追いかけっこ。まさに、論理と科学の通用しない【ルパン流・物量作戦】という、ルパンの非凡なる才能が光るアイデアの実践でしょう。そして、見事に、結果を出す。

次元がルパンを置いて、運転手の不二子を伴って、体当たりする場面も、みどころではありますが、やはり、今回の主役は、ルパン三世のらりくらりと腑抜けたように振舞いながらも、着々と脳内では、勝てる計画をととのえていたという、この格好よさ。

ガニマール警部の【科学と論理】だけでは、到底、太刀打ちできない【才能】、頭脳をつかった作戦は、ユーモア満点です。緑ジャケットを着こなしたルパン三世が、画面いっぱいに散りばめられて、どの瞬間も、とても楽しい。繰り返し、見ていられます。

また、冒頭シーンでは、銭形警部のプライベートの一部が暴露、映し出されます。昭和のおやじさんのイメージそのもの。想像を裏切らない住環境に、クスリと笑ってしまいます。ルパンたちの華やかなアジトに比べると、銭形警部の家は、質素です。1970年代のテレビと言えば、カラーとモノクロのテレビが混在した時代でもありました。銭形警部が見ていたのは、白黒の映像でしたね。こういった演出の配慮は、とても嬉しい。

それにしても、部屋着であっても、銭形が手放せないのが【帽子】なんですね。でも、このシーンは、すごく違和感がある。銭形警部であることが、一目で分かるように…ということかな。でも、なぜ、被っているんだろう…と、思いきや、最後のオチで、その銭形警部のトレードマークである帽子の効果がジワジワと発揮、回収されていきます。

こういった小道具の見せ方が、Aプロダクションは、秀逸です。ルパン三世の視聴率があがり、広い世代に受け入れられていったのも、納得ですね。時代の流れとともに、アニメーションの映像やエピソードも、力強く成長、成熟していく。キャラクターの個性はそのままに、それでも色褪せることなく、むしろ輝きを増してくる。長く愛されるアニメーションには、視聴者を置いてけぼりにしない【心配り】にあふれています。

第19話の峰不二子の【魔性度】は、かなり低めです。ルパンや次元の計画ありきの仕事では、不二子の役割は、案外、手堅く、内助の功に徹します。本作では、運転手や見張り役で、影の功労者。逃げ足が速いはずの不二子も、次元の計画で運転手をつとめた際には、逃げ遅れてつかまってしまい、ルパンがヘリで回収していきました。こういったギャップ【二面性】が、峰不二子というキャラクターの魅力を、なお一層、引き立てているのでしょう。 

それにしても、アルセーヌルパンの代からの好敵手として、フランスから現地入りしたガニマール警部の存在感は、控えめな印象でした。【科学と理論】というモットーだけが、前のめりに一人歩きした結果は、惨敗の一言に尽きます。銭形警部と比べるのは気の毒ではありますが、とっつぁんの個性は、何者にも代えがたい唯一無二のインパクトなのですね。

銭形警部という人物に象徴される【現場主義】、コツコツと努力を重ねる【経験する】という要素は、長年受け継がれてきた【伝統や血筋】をも超える可能性に満ちていることの【証し】にも、なり得ることを教えてくれます。どれだけの熱を一点に注げるのか、失敗を糧に、次の行動へ結びつけるのか。銭形は、いつ、自分の努力は実るのか?なんて考えずに、【ルパン逮捕】ありき。そのときが来るのを信じて、常に、全力で歩き続けます。己の信念に立ち向かうとき、そこには、他人の評価や目線は、一切ありません。自身に対して、相手に対して、生真面目に誠実で、自分勝手に忠実です。

アニメーションを繰り返し楽しむ醍醐味は、こんなことを、ぼんやりと考える時間に、あるのかもしれません。第19話を見直して、思いがけず、私自身も、銭形警部の背中をおされた夕べなのでありました。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)

LUPIN THE THIRD FIRST TV『018:美人コンテストをマークせよ』大活躍の殿方は…!

ご訪問ありがとうございます。こうゆづ☆です。ルパン三世のテレビシリーズを第一話から見直して、ただ感想を書くというだけの試みの18回目。高畑・宮崎コンビ(Aプロダクション)のディレクションへ引き継がれ、前々作からオープニング曲と映像が変更、刷新されています。

今作は、またまた、ルパンの女好きが炸裂するかと思いきや…仕事モードの真骨頂!絶世の美女たちに目もくれず?なにやら、きな臭いカラクリがあるようです。ルパン一家、総出で暴れます。それでは、本日もルパンとその仲間たちに会いにいってみよ~!

 

第十八話『美人コンテストをマークせよ』(1972年2月20日放映 / 脚本:松岡 清治)

〈登場人物〉ルパン・次元大介峰不二子石川五ヱ門・銭形警部・スミス 

冒頭、各国の絶世の美女たちを集めて開催される〈ミスグローバルコンテスト〉。風光明媚なリゾート地の空港で、ルパンと次元は〈粒よりの美人たち〉の到着を双眼鏡片手に楽しんでいた。〈とびっきりの美人を盗むってプランはどうだ?〉と問いかけるルパンに、次元は〈バカ言え。不二子一人思うようにできないクセに。〉と鼻で笑う。

飛行機から最後に降りてきたのは、美女コンテストのプロモーターの男たち。〈どこかで見たことがある顔だ。〉という次元に、ルパンは新聞の切り抜き〈名画泥棒のスミス釈放〉の記事をみせる。ピカソルノワールダ・ヴィンチ日本画の歌磨呂など、古今の名作をごっそり盗んで、世間を騒がせた男だという。〈悪党ほど磨きゃぁ、善良な紳士ってことよ。〉とルパン。そうして、別の飛行機からは、田舎財閥の金持ちが次々と現れる。

美女コンテストは【表向き】の大会…で、名画泥棒のスミスが主催をつとめる〈美人画オークション〉が大会の真の目的【裏側】であると見破ったルパン。〈美女に名画泥棒に金持ちが、どう結びつくんだ?〉と訝しがる次元を伴い、行動を開始する。

  1. 黒塗りの高級車に続き、海岸沿いを進んでコンテスト会場に向かうルパンと次元。現場スタッフと共に会場の視察に訪れたスミス。大会の模様は、宇宙中継で放送されるという力の入れようで、技術者には腕の立つ日本人を雇ったという。そこには、得意の変装でインターナショナル・テレビ局のスタッフに成りすましたルパンと次元の姿が。そして、もう一台のカメラ近くには、不二子の姿も。こうしてルパンたちは、表向きに開催されるコンテスト会場の潜入に成功する。
  2. ルパンの狙いである名画のオークションは、コンテスト会場から程なく離れた別会場【オヤ島】で開催されるという。支配人に〈秘密が漏れるようなことはあるまいな…〉と厳重警戒の意思をみせるスミス。オークションは、スミスにとって【世紀の大事業】なのである。ルパンの意図がつかめずにいる次元に、ルパンは〈スミスのヤツも、名画を眺めて暮らすには、年を取り過ぎた。名画と言えども、墓場までは持って行けまい?〉と話す。
  3. 特別審査員のみに渡されるというカタログには、各国の代表の美女の写真の裏に、オークションにかけられる名画が印刷されているという。例えば、日本代表の美女と歌麿呂の美人画がセットになっていて、美女の審査を装い、その実、オークションの名画に点数を入れ、その点数が美女の決定および名画の落札価格にもなるという仕組み。ルパンいわく、盗品を秘密を死守したまま、現ナマに変えることは昔から最高に難しいこととされているのだ。大袈裟な話題づくりのように見える美女コンテストも、世界中の金持ちたちを特別審査員として招待するのに好都合、白昼堂々と自らのアリバイを作りながら、同時にオークションの取引を進行するという、絶妙な隠れ蓑になるのである。
    • ルパン:ところが、情報通のオレ様にも分かっていることは、そこまでさ。ヤツ等がやろうとしていることが、あまりにもあけっぴろげなんで、かえって分からない点が多いんだ。
    • 次元:だったら、こんな格好してグズグズしているより、さっさと調べればいいじゃねぇか。
    • ルパン:やー、今、うかつに動いたら、ヤツ等が取引そのものを中止する恐れがある。そうなったら、すべてがオジャンだ。
    • 次元:じゃ、手も足もでねぇってことだな。
    • ルパン:そこで、テレビカメラを使うのさ。あけっぴろげの犯罪計画を探るには、テレビが一番だ。
    • 次元:しかし、敵さんが簡単に映されるような秘密を、ご披露するかね。
    • ルパン:そこは、五ヱ門に活躍してもらう。それと、銭形だ。あいつにも大事な役で出演してもらうぜ。
    • 次元:出演だって?
    • ルパン:ンフフフフ。まっ、とりあえず、第一弾ぶっ放してるんだ。
  4. このとき、スミスの元には、ルパンからの【挑戦状】が届いていた。
    【ミスグローバルコンテスト開催おめでとうございます!つきましては、当日、世界一の美女をいただきに参上したいと存じますので、あしからず。ルパン三世】と書いてある。
    • スミス:んー、ルパンのヤツ、気づきやがったな…。いや、そんなはずはない。
    • スタッフ:どうします?
    • スミス:警察を呼べ、ルパン逮捕に命をかけている、銭形という敏腕警部を呼ぶのだ。
    • スタッフ:しかし、そいつはまずいんじゃないかな。もし、このことを銭形という男に、感づかれでもしたら…。
    • スミス:心配するな。警察ごときに見破られるほどのチャチな計画ではない。銭形を恐れるより、ルパンを恐れよだ。すぐに、銭形を呼べ。
  5. 大会当日。カラフルな国旗がはためく中、客席は超満員の人気ぶり。銭形警部は、会場全体を見回り、厳重警戒している。〈ただ今より、第10回…25名の美女たちによって…〉と、開催のご挨拶の実況を披露しているのは、テレビ局スタッフに変装したルパン。簡素な眼鏡をかけているだけという…あけっぴろげっぷり。〈では、一番…インド代表:ダンディーさん!〉と、コンテストがはじまる。銭形警部は、会場の外で油断するんじゃないぞ。ルパンは何者に化けてやってくるか分からんからな…。遠慮はいらん。もしかしたら、逮捕の瞬間が全世界に宇宙中継されるぞ!〉と、部下たちにハッパをかけている。
  6. 会場の後ろに設けられたブース席では、特別審査員の1人1人にスタッフが配置され、完全個室の状況で〈いかがですか、5番フランスのアルヌール嬢は…〉など声をかけ、着々とオークションの取引を進めていた。〈いまにみてろ!〉とルパン。では、いよいよ最後25番、アメリカ代表バーゲンさん…と、アナウンスされる頃には、銭形警部も、会場の一番後列の席に腰をおろしリラックス。〈どうやら、無事に終わりそうだな…〉と、煙草に火をつけたそのとき〈ブーン〉というエンジン音とともに一基のプロペラ機が現れる。パラシュートで飛び降り、舞台に登場した五ヱ門は、一目散に特別審査員たちの個室ブースに向かって走り出す。テレビ局のカメラは〈とんだ、ハプニングです!しばらく、この模様をみましょう。〉と、中継を切り替える。
  7.  警官たちは、五ヱ門を捕えようと動くが、まったく歯がたたない。五ヱ門は、ブース目がけて斬鉄剣をあびせ、次々に階下へ斬りおとす。特別審査員の1人は、書類を口の中に放り、慌てて証拠隠滅を図ろうとする始末。その後も、五ヱ門は、貴重品預かり所や楽屋に侵入し、斬鉄剣を奮い続ける。五ヱ門を追う銭形警部。こうして、ひと暴れした後、斬鉄剣で壁を破壊し【最短ルート】をつくって逃亡、会場を後にする。〈おい、あきらめるな。徹底的に探すんだ!〉と五ヱ門を追って、会場の外へ走り出した銭形警部。
  8. 五ヱ門が暴れ、客たちが立ち去った会場内で、ルパンは〈曲者はどうやら逃げ去ったようです…ですが、このままでは、コンテストの中継はできません。しばらくお休みを頂きたいと思います。〉と、中継マイクをオフにする。〈次元、この間に、機械の点検だ!〉〈不二子ちゃん、カメラの調子見といてね。〉と言って、駆けだす。不二子の後方では、スミスと特別審査員たちが集まり、なにやら話をしている。曲者の乱入で混乱するゲストに、スミスは〈大丈夫です。あとは、最終審査会議と美女たちの撮影会です。少し予定を早めて、今日中にすべてを終えてしまいましょう。〉と伝える。
  9. 会場の外に出たルパンと次元は、玄関の入り口に停車している、テレビ局の車へ乗り込む。そこには、五ヱ門の姿もある。
    • 次元:よくやった!五ヱ門。
    • ルパン:さーて、成果はどうかな。早速、ビデオカメラを見てみようじゃないか!と、五ヱ門が侵入したところから映像を確認する。
    • 次元:なんだこれは?
    • ルパン:みられると都合の悪いもの。多分、入札の点数表だろう。
    • 次元:しかし、肝心の絵がどこにあり、どこで現ナマと交換するのか、それがわからないじゃないか。
    • ルパン:そいつはこれからよ。この次だ、よーく見ておけよ!さぁ、中に何があるか。
    • 次元:なにもねぇな。
    • ルパン:これで終わりか。
    • 次元:やぁ、失敗だったな。なにも、出てこなかったじゃないか。
    • ルパン:そんなはずはない!(と、立ち上がる。)
    • 五ヱ門:こんなものを拾ったぜ。(と、懐から紫の紙をとりだす。)
    • ルパン:うぉ~、カタログだ。(美女の裏には、モナ・リザの絵)
    • 次元:取引があるのは、間違えねぇな。
    • ルパン:くそぉ、一体、どこにブツを隠しやがったんだ!(と、不二子が駆け込んでくる。)どうしたんだい?
    • 不二子あの連中、急に慌てて、動き出したみたいだわ。今日中に【オヤ島】に渡って、最終審査会議と美女たちの撮影会をやってしまうって言ってるわよ。
    • ルパン:今日中に?クサイな。なんか名画らしいものを積んでる気配は?
    • 不二子:荷物と言ったって、連中の小さな手提げかばんじゃ入らないし。なかったわねぇ。
    • ルパン:で、美女の方は?
    • 不二子:手ブラよ。そうそう、撮影会用に衣装箱を積んでたけど、衣装箱じゃねぇ。
    • ルパン:そうだ、それしかない!おいっ、テープをもう一度巻き戻してみようぜ。
    • 次元:なんにも、それらしい感じはなかったぜ。
    • ルパン:そこだ。(そこには、衣装箱を大事そうに守るスミス率いるスタッフの姿が映しだされていた。)
    • 次元:楽屋に衣装箱、不思議でもなんでもないぜぇ。
    • ルパン:じゃぁ、ヤツ等がなんでここにいたんだ?
    • 次元:ん?そういえば…。
    • ルパン:おいっ、もうスミスたちは名画を守りに行って、いないじゃねぇか。(と、五ヱ門がブースを斬りおとす映像を確認する。)
    • 次元:あっ、そうか!
    • ルパン:ちっきしょう。どうして、もっと早く気がつかなかったんだろう。
    • 不二子:それより、早くしないと船が出てしまうわよ、ルパン。
    • ルパン:よーし!直ちに行動開始だ。
  10. 停泊中の二艘の船のうち、一艘では美女たちの撮影会が始まり、もう一艘では、特別審査員たちが談笑していた。そこへ、テレビ局クルーに変装したルパンたちは〈スミスさん、美女たちにインタビューしたいんですが…〉と駆けつける。〈んー。まぁ、いいでしょう、どうぞ!〉とスミスは許可する。〈ありがと~う!やれやれ、間に合ってよかったぜ。〉と船に乗り込む。すると、〈スミスさーん!〉と、銭形警部が走ってくる。〈やぁ、銭形さん。曲者はどうしました?〉とスミス。〈申し訳ありません。逃げ足の速い奴でして。しかし、緊急手配をしてありますので、必ず捕まえてみせます!ところで皆さんは、どちらへ?〉と銭形。〈島です。美女たちの撮影会と最終審査会議です。早いとこ片付けて、招待客と美女たちをお返ししないとね。〉と応じると、銭形は〈同感です。私も、美女とご一緒しましょう!〉と言う。〈これから後は、私たちだけで大丈夫ですよ!〉とやんわり断るスミスに、銭形は〈美女たちが乗っている以上、私が護衛をしないと。〉と意気込む。そこへ、1人の警官が〈緊急連絡です!ルパンたちが他の方面に出現したようです。〉と走り込んでくる。そして、今回の美人を盗むというのは、彼一流のイカさまではないかと。〉と報告する。〈よし、分かった。お前は、私の代わりにこの船に乗れ。〉と、変装した警官こと五ヱ門に指示する。一部始終をみていたスタッフは〈どうします?〉とスミスに聞くが、〈警官の一人ぐらい。なんとでも、ごまかせる。おーい、船を出せ~!〉と合図する。
  11. 戻った銭形は〈警視総監殿!詳しく状況を教えてください。ルパンはどの方面に出現したんですか。〉と、尋ねる。〈なに、ルパン?なんのことをいっとるんだねぇ。〉と返され、眼を丸くする銭形。一方、船上で美女たちにインタビューを開始したルパンたち。〈なんだか、落ち着かないなぁ。まだ時間あるんでしょう?〉と、撮影をオヤ島の傍にある小さな島で行うことを提案し、急旋回して、小島に向かう。
  12. 一方、オヤ島に上陸したスミスたち。〈では、ただ今から、特別審査の発表を行います。〉すると、客の1人が〈それより先に、お土産の品をみせていただきたい。本当にあるんでしょうな。〉と言う。〈もちろんです。美女たちの船に詰め込んでありますから。もう、到着する頃でしょう。〉と応じる。〈しかし、そんな不用心な…〉〈ご心配なく。私は皆様方のアリバイのことまで考えて、事を運んでいるのですぞ。リチャード、船着き場まで見に行ってくれ。〉とスミス。ちょうど、そのとき、美女たちが乗った船が到着する。〈なにを、グズグズしてたんだ。はやいとこ衣装箱を審査室に運ぶんだ!〉とリチャード。〈おーい、どうしたんだ!誰もおらんのか。〉〈へい、ただいま。〉と、顔を出したのは、船長と船員に変装したルパンと次元。
  13. 審査室に衣装ケースを運び込む船長ことルパンに、スミスは〈美女たちはどうした?〉とたずねる。〈美女たちは小島で撮影会をやってます。済んだ頃、迎えにきてくださいと言われましてね。〉とルパン。〈護衛の警官は?〉というスミスに〈世界一の美女と言えば、美術品と同じだ~。と言いまして、美女の周りをデレデレ、ウロチョロと。〉と、応える。〈そうか、もう下がっていいぞ。〉とスミス。〈ご覧のとおり、お土産品は揃いました。では、審査の結果を発表いたしますので、皆さまは、お財(たから)をご用意ください。〉皆の札束を確認し、ニヤリとほくそ笑むスミス。〈では、リチャード読み上げてくれ。〉〈5番のアルヌール嬢、つまり、ルノワールのラフは、10万ドルでモルゲンスさんに…〉と読みあげていく。扉の外では、ルパンと次元が聞き耳を立てていた。思った通りの展開に〈最後の仕上げだ!〉と、駆け出していく。ルパンを追い、ボートで船着き場に到着した銭形警部。絶妙のタイミングで、船長ことルパンが〈大変!美女たちがいなくなりました!〉と、助けを求める。〈なに!美女たちが?さては、ルパンだな。〉と、部下を率いた銭形警部は、勢いよく島内へ走り出していく。
  14. その頃、オークション会場は大詰め。スミスが〈では、皆さん。当選された番号の衣装箱の前にお立ち下さい。お土産品の取り出し方を説明いたします。まず、蓋を開けて…〉と、そこへ、銭形警部率いる警官たちが駆け込んでくる。銭形は〈スミスさん、美女たちがいなくなったそうですな。ルパンが盗むと予告していた美女たちです!〉と声をかける。〈さぁ、それは…〉と返答に詰まるスミスに〈あなた方は、ここでなにをしているんです!〉と、部屋の中を見回す。そして、〈スミスさん、そこに並んでいる箱と札束は何ですか?何なんですか〉と詰め寄る。〈それは、その…〉と言葉を濁し、札束を胸に抱き、冷や汗を浮かべるスミス。札束を持ち逃げしようと動いた矢先に、スミスは箱にぶつかり、衣装箱の蓋が開く。と、そこには、なんと縄で縛られ、口にテープを貼られた美女たちの姿が!〈これは!〉と一同が驚きの声をあげ、慌てたスミスは、自らも箱の蓋を開ける。すると、中には【美女をちょうだいいたしました。ルパンⅢ世】という文面が入っている。すかさず、スミスの両脇を警官が固め、手錠をかける。スミスは〈クソゥ、ルパンめ。〉と悔しがる。
  15. 1人の警官が〈大変です!船が一艘もなくなっています。〉と銭形に報告する。〈な、なんだと!〉と確認に走りだした銭形は、船着き場に呆然と立ち尽くす。すると、一隻のボートが近づいてくる。〈よぉ、とっつぁん。世界一の美女たち、確かに頂戴したぜ。〉と手を振るルパン。そして、捕まったスミスたちを確認すると〈ほほぅ、ダンナ方、お揃いだね。よーく見とけよ。名画の見方を教えてやるぜ。名画と言うのはな、例えばこういう風にして…(と、張られた帆には、名画がズラッと掲示されている。)楽しむものだよ。フゥ~♩〉それを見たスミスたちは〈私の絵だ!返せ。〉と、口々に騒ぎ出す。その様子をみた銭形は〈そうか、クソゥ、ルパンめ。よくもオレをコケにしおって。この恨みは、来週きっと晴らしてやるからな!〉と叫ぶというオチ。ルパン、次元、五ヱ門、不二子をのせたボートは〈バーイ!〉と、軽やかな波しぶきを残して、走り去っていくのでした。おしまい。

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◆こうゆづ的*第十八話の№1シーン

今作は、なんといっても斬鉄剣が冴えわたる場面【五ヱ門頑張ったで賞】に一票を投じたい。銭形警部が、島にむけて出発する船に乗り込む寸前で、警官に変装して現れ、銭形を煙に巻くところは、見事でした。まさか、変装に入歯(明石家さんまさんのモノマネで見るような出っ歯)を使うとは、驚きです!〈変装でも、これくらいのことはやる!〉と、胸を張る剣士様。どうして堂々たる役者っぷりです。

それにしても、五ヱ門は、やることなすこと超人的です。素早い身のこなし、コンニャク以外のものを、ぶった斬る斬鉄剣の使い手は、マジ最強ですな。五ヱ門は【怒らせると怖い!】というルパンの評も、あながち、間違っていないと感じてしまう。五ヱ門のよさを最大限に活かした見事な作戦でした。

ルパンが、どのように五ヱ門を焚きつけたのか…気になるところですが、なんだかんだ言っても、主役級の出番がくるのは、五ヱ門も嬉しいはず。それも、今作のように、ド派手に登場して、思う存分に斬鉄剣を奮える活躍となれば、なおさらです。反して、次元の出番は控えめ。次元が拳銃を使わずに、仕事を終える作品は、わりと珍しいかもしれません。

要所、要所で、的を射た采配をするルパン。今回は、五ヱ門の剣不二子の情報が、ルパンの計画を見事にサポートしました。そうそう、ニセ情報に、付き合ってくれた銭形のとっつぁんも、大変な活躍でしたね。

クライマックス、スミス逮捕の場面で〈ルパンだ、ルパンの奴がやった仕業だ!〉とわめくスミスに〈違う!ルパンはこんなことはしない。あなた方は、ルパンの名を騙って婦女誘拐、並びに、婦女売買を働いたんだ!おい、逮捕しろ!〉と、指示した銭形警部の台詞には、グッときました。

結果的には、ルパンの仕組んだことだったのですけどね。ルパン逮捕にかける、銭形警部の情熱を感じるたびに、胸がジーンとします。今回の銭形警部は、ルパンの思うツボ過ぎて…ちょっぴり、かわいそうでした。そして、警官よりルパン三世を警戒していたにも関わらず、出し抜かれてしまった敵役のスミスにも、ちょっぴり気の毒でした。

毎度のことながら、ルパンの遊び方は、とても潔い。第十八話で言えば…【古今の名画】のお取り扱いは、いささか、度が過ぎるような気もしますが、ルパンの仕事は、人のものを盗むこと。泥棒の醍醐味は、狙った獲物を手に入れたときが、もっとも尊い瞬間なのかもしれません。

次回、第19話は、大泥棒のルパン一族を代々追い続けているという、エリート警官の一族が登場します。本当のライバルは、ルパンか、はたまた、銭形警部か!目が離せません。お楽しみに。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)