こうゆづ☆の【とおまわり】

令和元年12月に、ブログタイトルを変更しました。心の動くままに、とっちらかったテーマで書いています。

妖怪noことほぎ★今日と明日の30文字なるもの【the 9-10th】

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。先日、動物病院で耳にした獣医師と60代とおぼしき女性のやり取りが、興味深くて、ついつい聞き入ってしまいました。

女性は、小型犬を連れて受診していたのですが、「先生、薬を飲ませるのが、本当にひと苦労で、難しいんです。病院で本日分、飲ませてもらえませんか。」と発言。これに対し、獣医師は「病院で薬を飲ませると、投薬料金が、かかるんですよ。」と返答。女性は「えー、そうなんですか。お金がかかるんですか。知らなかった。本当に(飲ませるのが)ひと苦労なんですよ。」と発言。獣医師は再び、「病院で飲ませると、お金がかかるんですよ。」と。

この応戦が4-5回続いた後、最終的には、サービスで薬を飲ませたようでした。何度も同じ言葉をやり取りしている様子は、なんだかシュールで面白かったのですが、なにより、〈自分が難しくて大変だと思っている作業を、他人にやってもらうことに対し、女性の少しも屈託のない感じ〉が、とても新鮮で不思議でした。

もちろん、獣医師はプロです。薬を飲ませることくらいお手のものでしょう。けれど、プロだからこそ、その方の時間を拘束するということに、それ相応の対価が発生してもおかしくないと思うのです。病院は、慈善事業・ボランティアではありません。

たとえ懇ろの間柄であっても、そこは先生と患者。しかも、病院という職場・公共機関の中での出来事です。個人的には、毅然とした態度で対応したほうが、病院側の姿勢としては、潔かったのではないかと思った出来事でした。

余裕があるときは対応できるけど、そうでないときは難しい。スタッフによって対応が異なる。このようなことは、病院では珍しくない光景だと思います。しかし、今回の件は、治療に伴う投薬の話しです。しかも、このやり取りは、待合室で繰り広げられていました。コンプライアンスの点からも、考えさせられた一幕でした。

 

前置きが長くなりました。それでは、本日も、妖怪がおくる【今日と明日の30文字なるもの】いってみよー!

 

【0516】今日の妖怪365

マヨヒガ(迷い家:神は正直者の頭に宿る
《はじめの一歩》頭を空っぽにして、無欲無心になれるものに向かい、集中しましょう。

 

【0517】明日の妖怪365

猫女房:天は自ら助くるものを助く
《はじめの一歩》良いと思うことをひとつ実践し、その喜びを分かち合いましょう。

 

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今日の妖怪は【マヨヒガ】でした。柳田國男さんの『遠野物語六三段』に、マヨヒガの話がでてきます。遠野といえば、私は、恩田陸さんの常野(とこよ)物語の三部作を思い出します。恩田陸さんは東北の生まれです。遠野物語を意識するような出来事に、遭遇したこともあるのかも…などと、つい妄想してしまう。恩田陸さんの作品は、いくつか読みましたが、私はこの不思議物語のシリーズ(光の帝国・蒲公英草紙・エンドゲーム)が、もっとも好きです。保存版です。

妖怪の概念について、社会人類学博士の小松和彦さんは、【妖怪文化入門】のなかで、

  1. 出来事としての妖怪(現象ー妖怪)
  2. 超自然的存在としての妖怪(存在ー妖怪)
  3. 造形化された妖怪(造形ー妖怪)

という、3つの意味領域に分けて考察しています。この分類にあてはめると、マヨヒガは、広く語り継がれる過程で名づけられた、怪奇現象という出来事としての妖怪であるといえそうです。

皆さんは、妖怪と聞いたとき、どのような妖怪を想像するでしょうか。私は、妖怪が身近な存在に感じられるようになったのは、水木しげるさんの【ゲゲゲの鬼太郎の影響が大きいように思います。造形…絵画や映像としての妖怪に触れたのが、恐らく最初の出会いです。その後、鳥山石燕さんの画集に胸を躍らせる日々が続きました。

 

マヨヒガの話は、椎橋寛さんの【ぬらりひょんの孫】や今市子さんの【百鬼夜行抄】の漫画の中でも、触れることができます。ご興味ある方はぜひ、手にとってみてください!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)