こうゆづ☆の【とおまわり】

令和元年12月に、ブログタイトルを変更しました。心の動くままに、とっちらかったテーマで書いています。

LUPIN THE THIRD FIRST TV『002:魔術師と呼ばれた男』手を変え、品を変えて

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。9月22日は、世界サイの日(World Rhino Day)です。サイも、他の動植物の御多分に洩れず、絶滅の危機に瀕しているのだといいます。その原因のひとつは、人間の〈密漁〉にあるそうです。シロサイ、クロサイスマトラサイ、ジャワサイ、インドサイ…密漁のねらいは【サイの角】にあるのだそう。この角には薬効成分が多分に含まれていて、高値で取引されているというのです。サイは、確かワシントン条約以前には、解熱剤として漢方薬でも使われていたような記憶があるのですが、今はどうなのでしょうね。

確かに私も、サイの角は〈媚薬〉として売買されているという噂を聞いたことがあります。けれど、実際には角の成分は、私たちの皮膚の角質、爪や毛髪と同じたんぱく質で構成されているのだとか。種がわかってしまえば、ただの笑い話ですね。人間の傲慢・強欲の精神は、留まることがなさそうです。

さて、先週よりスタートした、ルパン三世のテレビシリーズを第一話から見直して、ただ感想を書くというだけの試みの〈2回目〉です。損得勘定抜きで、楽しんでいただけると嬉しいです。 それでは、早速、いってみよ~!

 

第二話『魔術師と呼ばれた男』(1971年10月31日放映 / 脚本:大和屋竺

〈登場人物〉ルパン・次元大介峰不二子パイカル

冒頭は、パイカルが滅多打ちに襲撃されるシーンから始まるという、なかなかにえぐい演出。続いて、次元大介が拳銃の腕前を披露する鮮やかなシーン。次元ファンでなくても、華麗な銃さばきに、うっとりと見とれてしまう。続いて、ルパン三世ののんびりとした釣りのシーン、ルパンのアジトから聞こえる峰不二子の歌声と続く…。

  1. ルパンと次元のもとに、不死身で不気味な男〈パイカル〉が現れる。不二子が盗んだ3枚のフィルムを取り返すためだ。次元は、相棒マグナムで応戦するが、歯が立たない。マシンガンもバズーカ砲も、あらゆる弾丸を跳ね返してしまう。
  2. パイカルは稀代の魔術師で、人差し指から炎を自在に放つ上に、空をも自由に歩くのだ。「どうかしてるぜ、こんちきしょう。手も足もでない…逃げよ。」と逃走するルパンたち。そうして、不二子は、再びパイカルの手におちてしまう。
  3. そうはいっても、あきらめの悪いルパン。もちろん、不二子もそんなルパンの性格をお見通しである。パイカルとルパンを巧みに誘惑、誘導して、盗んだ3枚のフィルムは、ルパンの車に忍ばせて解読させる。そうして、直接対決の手筈を整え、自分は、パイカルの〈閻魔の滝〉の小屋から、「さよなら、バカな魔法使いのぼうや…」とつぶやき、トットと退散するのである。
  4. ルパンは不二子の目論見通り、フィルムの解読に挑み、頭を強かに打った衝撃で、フィルムが『超硬質液体製法』を記した化学式であることに気づき、大爆笑。謎はとけたのである!
  5. 不死身と思われたパイカルの正体は、被膜製法、耐熱防弾効果を得ることができる化学技術を身に着けていたこと。しかし、その効果は、長続きしないという弱点があることを、ルパンに突き止められてしまう。大魔術師と呼ばれたバイカルだったが、正体を暴かれた後は、もののあわれなり。自ら生み出した技術と共に朽ち果てる。それでも、彼は最高の魔術師にして科学者であることに、変わりない。
  6. 再び、登場する不二子。謎をといたルパンに、フィルムの化学式を教えるようにお色気作戦で迫る。そこは、のらりくらりとかわし、口を濁すルパン。

最後のオチは、いつもの通り。峰不二子にせまって花瓶で頭を殴られたルパン三世は、「待ってくれー、ボクの恋人~!」と、追いかけるが、空中に設置していた硬質防弾ガラスに行く手を阻まれ、その間に不二子は去ってしまう。「やれやれ、厄介な品物だな」と言いながら、ガラスを片づける次元大介の義理堅さも、いつもの通り。二話も安定したオチで、丁寧に仕上げられている。

第二話は、銭形警部が登場しないのが少し寂しいのだが、主要人物不在であっても、立派に物語は成立していて、十分に楽しませてくれる。敵対キャラ【パイカル】という、なんとも物憂げで不気味な男の存在が、存分に活かされている所以であろう。

 

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さて、この話に出てくる【パイカル】は、中国語では〈白乾児〉の表記であり、「白」の読みは〈Bai〉である。このまま読むと【バイカル】が正規の読みだと思うのだが、パイカルでもバイカルでも読みは、大して問題ではないらしい。単なる好みなのだとか。そういうものなのか。それでいいのか?と、個人的には訝しく感じてしまう。

つまり、魔術師と呼ばれた男【パイカル】は、中国のアルコール酒を基に、名付けられたということ。アルコールは、火を燃料にしてよく燃える。指先から、ものすごい量の火炎を噴射する魔術師の象徴として、ふさわしいということでしょうか。

そう、この【パイカル】というお酒。名探偵コナンの中でも、出てきますね。黒の組織がなんらかの目的でつくった試薬〈APTX4869(出来損ないの名探偵)〉。この〈アポトキシン〉の語源は、細胞の免疫システム〈アポトーシス〉からきていることは明白です。第一話で、主人公の工藤新一は、この試薬を黒の組織の一員〈ジン〉に飲まされたことで、身体が幼児化し、江戸川コナンと名乗ることになりました。

中国の白酒である白乾児パイカル)は、アポトキシンによって幼児化したコナンが、一時的に元の高校生の姿に戻るというくだりで出てくるお酒です。一度飲むと、体内に免疫ができてしまう上に、死の危険性もあるとされる成分を含んでいるという設定。

パイカルは、穀類を原料とした無色透明な蒸留酒で白酒の一種だそうです。主原料は、高粱(たかきび)で、独自の発酵法(穴の中で、固形状で原料を発酵させるという固体発酵という珍しい方法)で製造されているのだとか。1回の蒸留で、アルコール成分は、55~70%になるといわれ、アルコール度数の高いお酒として有名だといいます。

なぜ、このように象徴的なシーンで【パイカル】が、アニメ漫画に登場することになったのか。中国マフィア的なイメージやニュアンスを、暗に含ませているだけなのか。気になります。そもそも、日本では紹興酒の方が有名だと思うのですが…。私がアルコール酒に疎いから、そのように感じるだけなのかもしれませんね。

 

◆こうゆづ的*第二話の№1シーン

最後のシーン。不二子が立ち去り、草原に寝転んで空をみあげる二人の男、ルパンと次元。ルパンの左手の人差し指にとまるトンボ。 トンボは、パイカルか、不二子の象徴なのか…、そこはかとなく漂う優しさと儚さに、胸がギュッと熱くなる印象的なシーンだ。

ちなみに、この話では、ルパンは〈タコが苦手〉で、蕁麻疹が出るらしいことが紹介されている。ルパン三世らしい台詞には「気にするなよ、女のことはこの俺に任せておけばいいんだ!」、次元大介の理想がわかる台詞には「朝飯は、女がつくるもんだぜ。」をあげておく。

本作で、強烈な印象を残した【パイカル】は、天才科学者であることを鑑みると、風の元素が強い人物であると言えるでしょうか。火を扱うので、単純に〈風+火〉の人とも、言えるのかもしれません。そして、なにも残さずにいってしまった…とさ。合掌。

 

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前回記事で、火・風・水・土の〈4大元素〉の特徴について、触れました。ザックリまとめると以下のとおりです。今後も、登場人物の特徴をタロットカードに当てはめながら、遊んでみたいと思いますので、よろしかったら、参考にしてくださいませ。

 

 ◆4大元素の特徴的キーワード f:id:hirameki_99:20190922114044p:plain

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)