データってなーに?話題本【ファクトフルネス】の所感を、つれづれなるままに。
Kohyuzu です。遅ればせながら話題の【FACT FULNESS】を読了しました。本屋さんのフェイスで山積みになっていたので、何とはなしに、手に取ってレジに向かいました。ところで、データとは何でしょうか。切り取り方によって、いかようにも扱えるので、自分の知りたい情報に見合っているのかを見極める視点、鵜呑みにしない姿勢は、とても大切だと思います。ですから、この本も、かなり評価は分かれることでしょう。
少し前に、我が国で行なっている統計調査に、虚偽があったと取り上げられていましたね。国内データとしては、もっとも信用性の高い統計として、使われてきたのではないでしょうか。お金は、時にシビアに人の生存に関わります。国家のお金の管理の杜撰さは、今に始まったことではなく、体制に根深いものがありそうです。いつまでたっても、トカゲのシッポ切りですな。
以下は、【FACT FULNESS‐‐‐10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣】の目次(第1章~10章)と大まかなルール(1.~10.)です。ご興味のある方は、自分の眼で内容を確かめてみることをお勧めします。著者ハンス・ロスリングさんのyoutube動画(10分程度)も、配信されているようです。
第1章 分断本能「世界は分断されている」
第2章 ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」
第3章 直線本能「世界の人口はひたすら増え続ける」
第4章 恐怖本能「危険でないことを怖ろしいと考えてしまう」
第5章 過大視本能「目の前の数字がいちばん重要だ」
第6章 パターン化本能「ひとつの例がすべてに当てはまる」
第7章 宿命本能「すべてはあらかじめ決まっている」
第8章 単純化本能「世界はひとつの切り口で理解できる」
第9章 犯人捜し本能「誰かを責めれば物事は解決する」
第10章 焦り本能「いますぐ手を打たないと大変なことになる」
この10の思い込みの1つでも、「あてはまる!」と思うのなら、手にとってみてもよいかも。ただ、統計学の本ではないです。あくまで、モノの見方・切り口のイチ表現として、大らかに捉えるのであれば、興味深い本になるのではないかと思います。
- 話の中の「分断」を示す言葉に気づこう。大半の人がどこにいるかを探して。
- ネガティブなニュースに気づくこと、悪いニュースのほうが広まりやすい。
- グラフは、まっすぐになるという思い込み。グラフには様々な形があるよ。
- 恐ろしいものには、自然と目が行ってしまう。リスクを正しく計算しよう。
- ひとつの数字だけが重要であるという勘違い、比較や割り算をしてみよう。
- ある集団のパターンだけを根拠に、説明されていないか。分類を疑って。
- ゆっくりの変化は変わっていないと感じやすい。わずかな変化も意識して。
- 1つの視点だけでは世界を理解できないと知ること、様々な手法があるよ。
- 誰か1人が、見せしめに責められていない?誰かに責任を求める癖を絶つ。
- 今すぐに決めねば!と感じたら焦っているかも。小さな一歩を重ねよう。
すごーく、大雑把にいうと、本当にこんな感じでまとめられます。400頁にわたり、根拠を【質問⇒データ確認⇒説明⇒ファクトフルネスまとめ】の構造で述べていますが、とても読みやすい本です。ななめ読みなら、15分程度で読めます。多分。
あー、そういえば、少し前に読んだ本で、トンでもデータにあったことを思い出しました。開業医が著者で、ネット上の評判がよかったため、私にしては珍しく、直接内容を確認せずに、注文した本でした。データを著者の都合のよいように切り取り、解釈してグラフ化した、まさに眉唾ものの代表のような本でした。そのデータに、とても良心的な言葉が添えられています。「うまい手口だな。」と思いました。
数値化すると、人は比較的【短時間で、納得し信頼する】ような気がしています。インフォームドコンセントの場で、数値化したデータを提示するのは、こういった側面もあるのではないかと思います。《 データ=事実=(信憑性+付加価値+安心+信頼) 》というような公式が成立しやすいのだろうと。ただし、これは【データが正確か】、すなわち【あなたの知りたい情報を切り取ったデータ】なのかどうかがポイントです。この時点で、相手に都合のよい誘導をされてしまうと、公式は成り立ちません。これも、ひとつの思い込み(バイアス)が、なせる業なのでしょう。
【思い込み】は、時として「個」に、ものすごく大きな可能性やパワーを引き出すことを、わたしは目の当たりにしてきました。【引き寄せの法則】の類いは、良くも悪くも、思い込みの潔さを最大限に発揮する術を、教示する典型的な例ではないかと感じます。なにに幸せを感じるかは、人それぞれなので、やはりここでも、自分に見合った方法をみつけることが、その後の行先(幸福度)を、左右することになるのでしょう。
新元号の発表も、日に日に近づいています。昭和から平成、平成から新元号へ。あたかも、当たり前のようになってしまった物事の価値に、疑問を呈してぶっ壊す!上書き保存で管理するよりも、新規開拓で前に進むような未来を期待したいものです。と、他人ごとではいけません。未来を想像して、自ら創造するのだと、行動することですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
Kohyuzu(こうゆづ☆)