こうゆづ☆の【とおまわり】

令和元年12月に、ブログタイトルを変更しました。心の動くままに、とっちらかったテーマで書いています。

LUPIN THE THIRD FIRST TV『023:黄金の大勝負!』レギュラーメンバー全員集合!

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。ルパン三世のテレビシリーズを第1話から見直して、ただ感想を書くというだけの試みの23回目。ファーストシリーズは、23話完結。最終回です。

第23話は、ルパン一味VS銭形ら警官の〈一騎打ち〉という、いかにも、ラストにふさわしいお話。19話以降、存在感のなかった不二子も登場し、レギュラーメンバー総出で、最終回を飾ります。不二子が運転するミニ・クーパーの疾走シーンには、なにやら粋な仕掛けが!車好きのスタッフの遊びにも、心が沸き立つ作品です。

ファーストシリーズを楽しませてくれた声優さんたちの共演も、これで最後。峰不二子役の二階堂有希子さんと、石川五ヱ門役の大塚周夫さんの声は、聞き納めです。キャラクターがイキイキと動き出す、瞬時の煌めきと興奮をありがとう!それでは、最終話。ルパンとその仲間たちに、会いにいってみよ~!

第二十三話『黄金の大勝負!』(1972年3月26日放映 / 脚本:田村 多津夫)

〈登場人物〉ルパン・次元大介石川五ヱ門峰不二子・銭形警部 

冒頭、地下鉄阿佐谷線開通工事の現場。坑道の頭上が突如、崩落。大量の小判がザックザクと落ちてくる。…タイトルコール『黄金の大勝負!』

  1. 浅間鉄砲店、店主の次元大介銃の手入れをしながら外にいる警官に銃口を向け〈何をする!バカバカ。〉と焦る警官に〈アハハハ、冗談、冗談〉と、質の悪い遊びを楽しんでいる次元。が、腕時計のアラーム音に気づくと、すぐさま地下室へ降りていく。ルパンからの〈テレビのニュース見たか?よし、すぐ来いよ!〉の声に〈よし、分かった!〉と、即、応じる次元。
  2. 宝石店のオーナー、峰不二子はテレビニュース【昨夜、地下鉄の工事現場で発見された大判小判の金貨は、時価数百億円。現場では今朝から警視庁、考古学者らによって、最後の発掘作業が開始…】に耳を傾けている。と、指輪からアラーム音が。テレビを消し、猿のぬいぐるみの頭を押すと〈なーに?埋蔵金のことね。〉と応じる。〈そう。すぐ来てくれ。〉とルパン。〈慌てないで。〉と猿の頭を再度押して〈いらっしゃいませ。〉と入店してきた客に、丁寧に頭をさげる。
  3. 不二子の運転する【ミニ・クーパー】の助手席に、次元が乗っている。後ろからついてくる同じ車に気づいた不二子は、アクセル全開で走りだす。辺りを警戒しつつ〈クッソゥ、一体何者なんだ。〉という次元に、不二子は〈巻いたようだわ…〉と、再び、ルパンのアジトを目指して、車を走らせる。一方、アジトでは、埋蔵金の取り扱い『一体、誰のモノか?』について土地所有者・工事責任者・発見者が、それぞれ権利を主張しもめているニュースを、ルパンが一人眺めていた。大日本銀行に保管されることになった金貨を、ルパンは〈埋蔵金は誰のモノか、決まっているじゃねぇか。〉と、扉から入ってきた不二子が〈もっちろん、私たち3人のモノね。〉と続ける。
  4. 日本銀行では、物々しい厳重警戒が続いていた。しかし、そこには銭形警部の姿がないという。銭形は、警視総監室に〈お茶でもどうですか…〉と姿を現す。
    • 警視総監:ルパンが数百億円の埋蔵金を狙ってやってくるのに、なにをしている!
    • 銭形:そうですな…しかし、私が大日本銀行に張り込んだところで、やるでしょうな…ルパンは。(と、悠々と紅茶をすすっている。)
    • 総監:(血管が切れそうな勢いで)それが名警部と言われた男の台詞かねぇ…。最近の君は、まったくたるんどるぞ。君がどんなにルパンに心酔しとるかしらんが、ヤツは、今も平然とこの東京に住んでおるんだ。君の失態は警視庁の失態であり、ワシの責任になるんじゃ。 さぁ、早く現場に直行したまえ~!(と息巻く。)
    • 銭形:(苦虫を噛み潰したような顔で)行きませんっ。行っても無駄ですからな。アハハハ。
    • 総監:なんたる無責任な!よーし、分かった。君は一切、ルパンの件からは、手を引きたまえ。
    • 銭形:(目に涙をためて振り向いた後、紅茶カップを床にたたきつけ)じゃー、聞きます。ルパンを二度逮捕して、ブタ箱に放り込んだが、奴が脱走してしまった。二度もですぞ!あれはどうしてくれるんです。総監の失態は警視庁の失態であり、私の責任でもあるんですぞ!
    • 総監:うるさーい!昔のことはどうでもいい。ワシの命令がきけんのか。
    • 銭形:自分のヘマを棚にあげやがって。
    • 総監:なーんだ、その態度は。この能無し!
    • 銭形:なにを、このクソじじぃ~!(と、観葉植物をなぎ倒す。)
    • 総監:貴様、これからは交通整理だ~!
    • 銭形:『辞職願』を総監の机の上に叩きつける。
    • 総監:じ、じしょくねがい?銭形君、早まるなよ。ハハハ、ワシは何もをだな。
    • 銭形:総監、ルパンと最後の勝負です。破れたら、私は警部を辞めます。これは、預かっておいてください。私がなぜ現場に行かないか。これが今回の計画書です。(と、封筒を差し出す。)
    • 総監:な、なんだ。『アジト壊滅作戦』
    • 銭形:今までの失敗は、すべて現場で奴を逮捕しようとしたからです。今回は奴のアジトを急襲するんです。アジトを一つ残らず潰してしまえば、帰るところはないわけですからな。(と、力説する。)
    • 部下:銭形警部、ルパンのアジトを発見しました!
    • 銭形:いやった~!(と警視総監を伴い、パトカーでアジトへ急行する。)
  5. 一方、アジトでは、ルパンがフラスコと試験管を手に作業を進めながら〈なにしろ、大判小判がザックザクだもんな。ニヒヒヒ。〉と上機嫌。次元は、ルパンに五ヱ門を呼ばない理由をたずね、ルパンは〈五ヱ門は、本番のときさ。〉と応じる。ルパンは不二子に〈お茶~!〉と叫ぶが、不二子は外の様子がおかしいと伝える。いつもに比べ、車が少ない状況をみて、ルパンは、何やら考えている。〈ルパンめ、こんな平凡なマンションにいたのか…〉と銭形。空には、数基のヘリ、地上には、警備隊を率いた銭形警部。そして、マンホールの地下道も封鎖し、完全包囲体制を整える。〈ルパンめ、ルパンめ、ルパンめ!今度こそは逃がさんぞ。〉と、階段をかけのぼっていく。アジトに辿り着くと、扉の前で〈ルパン、今度こそ観念しろ。絶対に逃げられんぞ!〉と、拡声器で捲し立てる。が、反応がない。〈よーし、力づくで踏み込め~!〉と、扉に体当たりを繰り返す。すると、内側から鍵を開ける【手】が映し出された後、扉が開く。〈どこだ~!ルパンはどこだ~!〉と室内を見回す銭形。ところが、室内はもぬけの殻。それもそのはず、ルパン・次元・不二子は得意の変装で警備隊に紛れ込んでいる。〈警部、こんなもん。〉と、ルパン扮する警備隊が、銭形の目前に【道具】を差し出す。銭形は〈まさしくルパンのもんだ。鑑識にまわせ!〉と指示する。 こうして、ルパンたち3人は、堂々とエレベーターで降りていく。エレベーターホールで〈ルパンは?〉と警備員に呼び止められるが〈いまんところ発見できませんが、遺留品がありました。鑑識課へ運びます!〉と報告。パトカーに乗り込み、鮮やかに逃走する。
  6. 一方、ルパンのいないアジトでは〈銭形君、ルパンは発見できんのかね…。〉と総監が痺れを切らしていた。すると、カーテンレールの上に仕掛けられた時計で自動的にカーテンが閉まる。スクリーンに映し出されたのはルパンのメッセージ。【よう、銭形のとっつぁん。よくここを見つけたな。さーすが!でもねぇ、アジトはここだけじゃないのよ。ところで埋蔵金のことだが、持ち主が誰か、もめてるそうじゃないか。そいつをオレが決めてやるぜぇ。ウヒヒヒ。それじゃ、大日本銀行で会おうぜ。END】と、警備隊の制服姿で締めくくる。銭形は〈クソゥ、さっきの奴がルパンだったのか…、。チキショウ〉と、涙。警視総監は〈君の作戦の成果がこれかね…。〉と容赦なく迫る。
  7. 五ヱ門も合流し、別のアジトへ向かうルパンたち。〈二人(不二子と次元)を尾行したまではよかった…。しかし、ヤツは最後の詰めが一つ足りないんだよ…〉と、笑うルパン。ルパンが向かったのは、かつてのルパン帝国の残滓。
    • 五ヱ門:しかし、今度の銭形はいつもと違うな。
    • ルパン:おっ、違う?どーこがぁー?フンッ、いつもとおんなじだぜ。あいつは、ああいうヤツなんだよ。
    • 五ヱ門:しかし、ルパン。残ったここも果たして安全とは…。
    • ルパン:分かりっこないよ。絶対にな。それにしても、ここに来るのは何年ぶりだろうなぁ…。(と、電灯の周りを蛾が飛んでいる。地下に移動する4人。ルパンが地下の扉を開けようとするが、錆びついてしまってなかなかハンドルが回らない。やっと開いた扉を前に)いてぇ、チックショウ。長い間使ってなかったからなぁ。(そこら中にクモの巣が張っている。)古今東西、全ての犯罪の資料。これほどのものは、警視庁にだって10分の1もありゃしねぇや。おぉ、すげぇ、ホコリだ。銭形にでもくれてやっか。
    • ルパン:(さらに、内部の扉をあけて)ルパン家が先祖代々、犯罪に使った懐かしのクラシックプレインだ。おっ、これだってまだ使えるんだぜ。どうだい、この風格は…と、プロペラに触れた途端、plainは崩れ落ちる。他の機体も崩壊する。
    • 次元・不二子・五ヱ門:ハハハハ、フフフフフ。
    • 不二子:ルパン博物館も、これじゃ台無しね。
    • ルパン:ヘンッ。どうせこんなもん、オレには必要ないんだよ。ここにあるものは、みんなそうさ。世界最高のクラシックカーにしても、銃やピストルにしても必要ない。タダのガラクタさ。(ピストルを手にして眺める次元に)次元どうだい、調子は…。
    • 次元:ん?(銃が暴発する。)
    • 不二子:ルパン、こんな調子で、大日本銀行やるつもりなの。
    • ルパン:もちろんさ。予告まで格好良くしたじゃないのぉ。明日、決行。
  8. 警視庁御用の 仕出し【だるま弁当】前。愛車のフィアットから、不二子と次元を降ろし、走り去るルパン。そのまま、地下鉄のレールを走行する。着いた先は、大日本銀行真下の地下道。五ヱ門が掘削作業を進めている。ルパンと五ヱ門は、地下道から小判が保管されている場所を突き止める。一方、仕出しの車で現場に向かう次元と不二子。〈もうすぐ12時だな。〉という銭形の声…のタイミングで〈お待ちどうさま、お弁当です。〉と幕之内弁当を届ける。その頃、地下では、五ヱ門が金庫の壁を斬鉄剣で丸く切り取り…小判がザックザクと落ちてくるところを、片っ端から車で受けていた。弁当を食べ終わった銭形が〈さて、中身を調べますか…〉と、金庫を開けると、ルパンが金庫に散らばった最後の小判をかき集めているところが目に飛び込んでくる。〈る、ルパン!ここで会ったが百…〉と、後に続いた警官たちも、眠りにおちてしまう。ルパンと五ヱ門は、地下鉄のレールを車で疾走。霞が関なら霧が関駅を通過し、そのまま地上に出て逃走する。
  9. 一足先に目覚めた銭形警部は、部下たちを叩き起こす。ルパンが持って行った埋蔵金の3分の1は【偽の金貨】であり、発信機の仕掛けをしたのだという。 ルパンが未だ、車で逃走中であることを確認すると〈総監、見ていてください。今日中にルパンをブタ箱に放り込んでみせますぞ!〉と宣言する。こうして、ヘリでルパンを追跡開始する。〈ルパンめ、どこに行こうとちゃーんと銭形さまは、お見通しだぞ!エハハハハッ。〉と意気込む銭形。次元と不二子が小判を手にして喜ぶ中、ルパンは渋い顔で助手席に座っている。〈どうしたの、ルパン。仕事が上手く行ったのにそんな顔して。〉と不二子。次元は、小判をチャリンチャリンと鳴らして、お宝の音を楽しんでいる。ルパンは〈気に入らねぇんだよ。なんだか、最初からうまく乗せられたような気がするんだ。ん?次元、その小判を見せてくれ。〉と手にとり、小判をふたつに割るとその中には探知機が。〈電波発信装置。〉とルパン。〈えぇ?すると、銭形は今頃は…。〉と次元。ルパンは、一瞬考えてニヤリと笑うと〈よーし、不二子。その街道、右に入ってくれ。〉と運転手の不二子に指示を出す。
  10. ヘリ上空では…〈イヒヒヒ。ルパンめ、覚悟しろよ!〉と上機嫌の銭形が追跡を始めていた。発信電波が停止するのを確認すると〈ここがアジトか…急げ。〉と指示を出す。と、次の瞬間に〈あー、二手に分かれた。ルパンめ、車を用意したな。あー?三方に分かれた。二台も用意して。あー?あー?〉と冷や汗をかく銭形に、部下は〈警部。ルパンの仲間は、こんなにいるんでありますか!〉と問う。銭形は〈バカ!そんな訳はない、急げ。〉と言うが、すでにレーダーが示すポイントは、東京中に散らばっている。〈一体、なにが起こったんだ。〉と混乱する銭形。その頃、ルパンは、清掃局でスタンバイしている【ごみ収集車】に目をつけていた。探知機つきの小判を載せた収集車が、次々と出動していく。〈ヘヘェ。これで銭形は、東京中、引きずり回されるってわけ。〉とルパン。〈でも、あんなにたくさんの量じゃ、ちょっとかわいそうみたいね。〉と不二子。
  11. 銭形は、ルパンの予想通り、警視庁から全班を出動させて、東京中を捜索していた。だが部下からは〈それらしい車はみつかりません…。〉と、次々に報告があがってくる。現場は大混乱。銭形は〈バカバカバカ!〉と泣きわめく。その頃、ルパン・次元・不二子・五ヱ門の4人は、大ジョッキのビールを片手に〈カンパーイ!〉と祝杯をあげていた。ビアガーデンの屋上から、パトカーが右往左往するのを見守るルパンたち。〈銭形のとっつぁん、うまくやれ~!〉とルパン。〈ハハ。まさに策士、策に溺れるってやつだな。〉と五ヱ門。〈さーて、そろそろ帰ろうか。ルパン〉と次元。こうして銭形の健闘を祈り、4人は締めの乾杯をする。再び、警視庁本部。〈銭形君、どうしてくれるんだ。ワシの、ワシの立場は…どうなるんだ。あー、銭形君、銭形君。〉と迫る総監に、銭形は〈うるさーい!クソゥ、ルパンめ、なにをしでかしたんだ。一体、なんで金貨を運んでいるんだ。〉と、腕を組んで椅子に座っている。すると、部下が【散らばった光】がひとつのところに集まり始めたと報告する。
  12. ルパンたちは、まさに光の場所【ゴミ処理の島】の上に立っていた。
    • ルパン:しかし、銭形のとっつぁんも、オレたちのアジトが、まさか【埋め立て地の地下】にあるとは、夢にも思うまい。ンハハハハ
    • 不二子:本当に夢の島は、宝の島ね。(と笑う。が、次の瞬間)ルパン、収集車よ…。
    • ルパン:清掃車…、ハァ。(ゴミ収集車の列には、もれなく警視庁のヘリとパトカーがついてくる。そこには、生気を取り戻した銭形警部の姿が!ルパンたちは、なすすべなく包囲される。)
    • 銭形:ルパン。お前にしては随分、ヘマをやったようだな。お前のアジトもこれで終わりだ。もう絶対に、逃げられんぞ。(と、銃口を向ける。)
    • 不二子:ルパン、どうしちゃったの、逃げないの?(銭形は、大勢の警官を引き連れ、ルパンたちに迫ってくる。残り30mほど残したところで)
    • ルパン:ちょい待ち。この下には、火薬が仕掛けてあるんだぜ。それに火をつけたらどうなるかな、銭形警部。(と、手で制する。)
    • 銭形:けっ。そんな脅しに乗る俺サマと思っているのか?
    • ルパン:脅かしかどうかは、見てりゃ分かるぜ。
    • 銭形:しかし…爆発したら、お前たちも一緒に吹っ飛ぶんだぞ。
    • ルパン:(真剣な表情で)その方がサッパリしていいさ。オレは今度の大失敗で、つくづく生きているのが嫌になった。埋蔵金も元に返した方がいいだろう。海に沈むだろうから、欲しけりゃヘドロ掘るんだな。そうすりゃ、東京湾もきれいになるぜ。ンフフ。(銭形は返す言葉もなく立ち尽くしている。)
  13. 〈あばよ、達者でな。〉と、アジトに続く冷蔵庫の中へ、ルパンに続き、不二子・五ヱ門・次元が入っていく。扉が閉まった瞬間、銭形は我に返り〈ま、待て、ルパン。〉と走り出すが、部下たちに危険だと止められる。〈やめろ、バカ。早まるな~!死んだらおしまいだぞぉ~。〉と銭形。すると、埋め立て地がグラグラと揺れ始める。刹那、バーンと大音量をたてドラム缶が飛び出し、地面が爆発する。涙を流し立ち尽くす銭形の目に飛び込んできたのは、【ルパンの天使】。ルパンが太陽目がけて昇天していく。銭形は膝から崩れ落ち〈ルパン…。ルパンよ、俺はどうすりゃいいんだ…。エエーン、ルパーン。〉と、地面をたたきつけ、男泣きする。爆発の跡には、黙々と噴煙があがっている。
  14. ルパンたちは、それぞれドラム缶の中に入って脱出していた。海に打ち付けられて着地し、4人は姿を現す。〈オオーイ、みんな無事か?オホホー、大成功。〉とルパン。〈これからどうする?〉という不二子に、新しいアジトを探すと応え、〈まっ、金はいくらでもあるんだし、気楽にいこうや。〉と黄金が入った袋を取り出す。すると、力強い勢いで一艘のボートがグングンと近づいてくる。ボートに乗った銭形は、ルパンたちに突っ込んで、ドラム缶を蹴散らす。海底に投げ出された5人。銭形は、すぐさまルパンの姿を認めて、追いかける。〈待てよ、ルパン。馬鹿め、そっちはアメリカだぞ。〉と銭形。ルパンは〈ほんじゃ、中国にでも行きましょうかね。〉と、5人は平泳ぎで、ゆっくりと夕陽に向かって泳いでいくのでありました。おしまい。【ルパン三世ファーストシリーズ全23話完結】

♬足元にからみつく 赤い波をけって
マシンが叫ぶ 狂った朝の光にも似た
ワルサー P38 
この手の中に 抱かれたものは
すべて消えゆく 運命(さだめ)なのさ
ルパン三世 ルパン三世

 

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◆こうゆづ的*第二十三話の№1シーン

あのぅ、銭形警部、一言いわせてください!だいぶ、キャラクターが変わってません?ルパン逮捕に命をかけているといっても、警視総監に正面切って〈うるさーい!〉などと、悪態つくようなキャラクターでは、なかったような…。やはり、路線変更による影響でしょうねぇ。どちらがいいというわけでもないですが、演出の変更に伴うキャラ変の混乱は、免れない印象です。五ヱ門も不二子も、すっかり変わってしまいました。

さて、本題。№1シーンは、銭形の男泣きから最後の最後まで(あらすじ13-14)です。夕陽に向かって、遊泳するルパン三世・銭形警部・次元大介峰不二子石川五ヱ門。この愛すべきキャラクター5人の背中に、『お疲れ様、また、会いましょう!』と、声をかけたくなる。なんとも象徴的なシーンであります。

ルパン三世は、新シリーズでは、世界を舞台に活躍していますが、ファーストシリーズでは、日本に軸足を置いて活動していたことが明かされましたね。とはいえ、大隅監督が指揮をとっていた初期の話では、案外、海外を飛び回っている印象でしたが、まぁイイです。

中国、アメリカというワードが、主人公の台詞から出たことで、新シリーズ世界進出か!との期待が、一気に高まります。ルパン帝国の残滓であるアジトも、潔く破壊したことで、リエゾン的な役割を効果的に果たした…といえるのではないでしょうか。

『黄金の大勝負』は、果たして、ルパン一味と銭形警部のどちらが勝ったのか?最終的には【引き分け】、喧嘩両成敗といったところでしょうか。けれども、アニメーションとしてのファーストシリーズ。社会的な認知という意味では、恐らく、勝利を収めたといえるでしょう。当初は、視聴率が振るわず、一度は打ち切りという非常事態に陥りましたが、再放送で不死鳥の如く、蘇りました。

ルパン三世が、じわじわと幅広い世代に受け入れられた理由には、ルパン一味と銭形警部の追いかけっこという【コミカル】なスタイルを貫く姿勢が、一役買っているに違いありません。セカンドシリーズは、テレビ会社の意向もあり、ファーストシリーズとは切り離して、新生ルパン三世を描くことや主要キャラを毎回登場させることなど、いくつかのお約束事があったようです。けれど、そのブレない一貫性が、ルパン三世の飛躍的な人気につながっていったのだと思います。めでたし、めでたし。

ところで、前半シーン、不二子と次元のランデブー。ミニ・クーパーの疾走シーンに隠された遊びとは、如何なるものか…。正解は、ジープに乗るは〈大塚康生〉、シトロエンには〈宮崎駿〉、ミニ・クーパー民家突入シーン吉田自転車店で、食事をしているのは、な、なんと〈宮崎駿ファミリー〉だという。

ボーッとテレビを楽しんでいても、一瞬、その映像に目が留まりますが、録画でないと巻き戻して確認できないというもどかしさ。全てを瞬時に見極めた方は、恐らく動体視力、達人の域ですな。すぐにでも、ルパンファミリーに参入できそうです。最終回にして、心憎い演出。サービスカットなのでした。

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私がルパン三世をリアルタイムで視聴し始めたのは、1977年~放映されたセカンドシリーズからです。ですから、ファーストシリーズに親しんだのは、再放送です。当時から私は、ファーストシリーズの初期の作品が好きでした。2020年現在、サードシリーズが再放送されていますが、こちらは、みた記憶がありません。アニメーションの絵柄があまりにも違い過ぎて、最後まで視聴できないというのが正直なところ。個人的には、サードシリーズは、私の好きなルパン三世とは、似て非なるものです。

セカンドシリーズでは、ルパンのジャケットも、原作と同じく、緑(青)から赤へと衣替え。心機一転、公明正大にして、天真爛漫のルパン三世ワールドが155話完結で、3年にわたって放映されました。今回、ファーストシリーズをブログで記録するのと並行して、セカンドシリーズも見返していたのですが、世界観は似ているようで、やっぱり異なります。ですが、どちらのシリーズにも、愛着がわいてきます。

ルパンの作品は、映画【カリオストロの城】が爆発的な人気になったこともあり、セカンドシリーズの盛り上がりがピークだと思っていたのですが、やぁー、やってくれました。2015年からテレビ放映されたイタリア編【PART4】。私の大好きなルパン三世が帰ってきた!と、興奮しました。おなじみのテーマ曲を耳にした瞬間に、胸がジーンと熱くなった。レベッカ、ニクスなど、キャラクターの分かりやすさが際立っていて、素晴らしい。イタリアの夢前後編の回は、何度見返しても最高です!

半年にわたって、ただただ、ファーストシリーズを文字に起こしただけの時間は、無意味に楽しかった。おつき合いいただいた方々へ、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

この数日、書き起こしを続けるか否か、セカンドシリーズを見返しながら考えていたのですが、一旦、ファーストシリーズまでで幕を下ろすことにしました。次に書くとしたら、イタリア編かなーと、朧気にみえてくるものはありますが、また気が向くときまでの楽しみにとっておくことにします。

最後に、今作の№1シーンの本命は、実は…浅間鉄砲店、次元の地下室のインテリアです。獅子と鹿ってツボる。なんだか私と通じるものがある。現実には、煙草の煙とニオイが苦手な私は、次元大介のような男性が目の前に現れたとしても、好きにならない自信がある。だけど、非現実の世界だからこそ、なんだかんだいっても、私は、次元のことが、すごーく気になるのかなと感じています。

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)