こうゆづ☆の【とおまわり】

令和元年12月に、ブログタイトルを変更しました。心の動くままに、とっちらかったテーマで書いています。

LUPIN THE THIRD FIRST TV『007:狼は狼を呼ぶ』鉄の秘伝書って、あの名刀の?

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。ルパン三世のテレビシリーズを第一話から見直して、ただ感想を書くというだけの試みの6回目。懐かしい記憶の扉を開けて楽しんでいただけると嬉しいです。

本日10月28日は、1972年に上野動物園に初来日したジャイアントパンダにちなんで、2012年に【パンダの日】として制定されたのだそう。〈ランラン〉と〈カンカン〉が日本にやってきたときは、それはそれは、どえらいお祭り騒ぎとなりました。

この年になるまで、パンダの魅力に気づかずにいた自分に、がっかりです。彩浜やシャンシャンの成長を見守っていると、パンダが人々に愛される理由がたっぷりと浮かんできます。パンダのどこに心くすぐられるのか…そのツボは人それぞれでしょうが、なんでしょうね。あの愛くるしさは!

か細く、か弱く、生々しく、100gに足りないような極小サイズで誕生する赤ちゃんパンダ。〈本当に育つのかしら…〉と心配、ハラハラしてしまう心理を逆手にとって、予想に反してまんまると、コロンとした巨大なフォルムに成長していく…その過程のギャップに萌えるといいますか、ただ眺めているだけなのに、自然と笑みがこぼれてくるような、ものぐさな志、おっとりとした仕草といいますか、〈これがイチオシの理由だ!〉と決めさせてはくれないなにか…、とどのつまりは〈なにをやっていても絵になる!〉というのが、パンダという生きものの運命なのでしょう。

黒柳徹子さんは、一貫してパンダ好きを公言していますが、さすがお目が高い!徹子さんのカリスマ性もまた、相当なものです。パンダとテツコには、共通した愛くるしさ、人々をくぎ付けにする〈独創的な美しさ〉があるような…。全く異なる生物なのに、不思議です。

さて、それでは、本題へ。独自の輝きを放つルパン三世に会いにいってみよ~!

 

第七話『狼は狼を呼ぶ』(1971年12月5日放映 / 脚本:大和 屋竺)

〈登場人物〉ルパン・石川五ヱ門峰不二子次元大介・示刀流総帥 

冒頭、精神統一し、居合や空手など鍛錬に忙しいルパンが登場。しかし、一筋縄ではいかぬようで、全身、包帯でぐるぐる巻きに…。そんなルパンに、次元は〈秘伝書を奪うどころか、入門書さえおぼつかねぇよ〉と、からかう。

  1. 暗黒街の殺法、今世最強の刀〈斬鉄剣〉の製法を記した【秘伝書】を狙うルパン三世斬鉄剣の秘伝書は、19世紀に開発され、世紀の大怪盗アルセーヌ・ルパンの手によって盗み出されたもの。ルパンは一族の誇りをかけて【秘伝書】を奪い返すことを計画する。次元は〈この計画はやめた方がいいな〉と、ルパンを諭す。なぜなら、ターゲットの示刀流総帥の下には、ご指南役に〈絶望的だな、ルパン。いるんだあいつが…。石川の…五ヱ門っていうお方〉がいることが判明したからである。
  2. ルパンは次元を置いて、独り、示刀流の入門者〈はんじろう〉になりすまして、黒鳥山を目指す。入門者控えの場には、志願者が5人。紅一点の〈ふじなみぎんこ〉の正体は、峰不二子である。いよいよ、ルパンの番になり、目にしたものは、指南役の石川五ヱ門にピッタリと身を寄せる不二子の姿であった。五ヱ門は〈貴様、剣はなにをつかう〉と、たずねるが、ルパンは不二子が気になってそれどころではない。〈あぁ、情けない。不二子があんな…はしたない〉と、偶然、叫んだところで、相手が自滅し、ルパンは試験に合格する。推薦状を持参していないルパンに違和を覚えた五ヱ門は〈スキあり!〉とばかりに、一太刀を浴びせる。ルパンは倒れざまに、五ヱ門の袴に【盗聴器】をしかけることに成功する。
  3. 洞窟の奥深くの鍛冶場、そこに秘伝書は保管されていた。総帥は〈秘剣、斬鉄剣がまた生まれる。五ヱ門、お前にまた試し斬りをしてもらわんといかんな。〉と、五ヱ門の剣の腕前を認めながらも〈おぬしに欠けているもの、それは、非情さに徹するという精神じゃ〉と話す。間髪入れずに〈確かに…〉と応える五ヱ門。ここで総帥は〈入門者の中に、ルパンがまざっているのではないか、もしルパンなら、どうするつもりじゃ。〉と五ヱ門に問う。〈それがしが斬ります〉と胸をはる五ヱ門。盗聴していたルパンが〈ちぇっ~。〉とふくれっ面をしたとき、五ヱ門は自分の周りをブンブン飛び回るテントウムシ型の盗聴器をまっぷたつに、斬りおとす。
  4. 深夜、屋敷に忍び込むルパン。そこには、峰不二子の姿が。辺りには撒菱が仕掛けられている。〈ルパン、あなたも同じ獲物を狙っているようね、でも私の方が色々と準備してあるのよ。ルパンさん〉と不意に背後から殴られ、倒れるルパン。示刀流入門志願者の他の3人は、みな、不二子の仲間であった。気絶したフリをして様子をうかがうルパン。洞窟に向かう不二子たちの前に、五ヱ門が立ちはだかる。〈それがしは女は斬らん。〉という五ヱ門に〈私をこのままかえしたら、面倒になるかもしれないわよ。〉という言葉を残し、不二子はその場を後にする。と、同時に、秘伝の巻物を手にしたルパン三世が現れる。ところが、五ヱ門は落ち着き払っている。実にその秘伝書は偽物で、ダイナマイトにすり替えられていたのだ。だが、一瞬のスキをついて、五ヱ門を撒いたルパンは、そのまま総帥の下へと向かう。
  5. 〈さぁ、話してもらおうか、斬鉄剣の秘密をな〉と、総帥に迫るルパン。総帥は、25年前の風の強い日に、ある男に対決を挑み、見事に負けたことを白状する。《後にも先にも、不覚をとったのはあのときだけ。自分の未熟さに気づかず、あの刀さえあればと、一途に思い込み、その秘密をやっとの思いで盗み出したのだ》と話す。その男が、ルパンの先祖である【ルパン2世】であった訳だ。〈本物の巻物はどこにある〉と迫るルパンに、〈ここにある!〉と、巻物を胸元に入れた五ヱ門が姿を現す。そして、総帥に〈話しを全部聞いた以上、あなたの命令に従うわけにはいかない。二人で闘い、勝ったほうが獲ればよいだろう。〉と、決闘をけしかける。

  6. 〈おのおの、であいなされ!〉五ヱ門のかけ声と共に、示刀流斬鉄剣を構えた総帥と鉄鋼の鎧に身を固めたルパンが登場。ルパンの銃弾は、全てまっぷたつに。そして、鎧もあっけなく切られるが、ここからはルパンの思惑どおり【追いかけっこ】になるという展開。木上の仕掛けや落とし穴、総帥は、ルパンの罠に見事にかかってしまう。勝負あり…と、ルパンが秘伝の巻物を手にしようとした瞬間、空中から不二子登場。〈頂いていくわよ~、ルパン。あはははは。ごめんね、ルパン〉と去っていく。〈クソー、不二子め覚えてろよ。〉と悔しがるルパンというオチ…で、終わらないのが七話の見どころ。五ヱ門は〈ルパン、受け取れ。これが本物だ。〉と巻物を差し出す。そうして去り際に、五ヱ門はルパンに再び対決を所望する。

  7. ルパンと五ヱ門の決闘シーン〈決闘状は届いただろうな〉とやる気満々の五ヱ門。対するルパンは〈まったく、つまんねぇもの送りやがって。鼻をかむには、硬すぎる。飛行機つくるにゃ、でかすぎる。風呂の焚きつけにでもするか。五ヱ門風呂のよぉ~。〉と返す。逸る心で対決を急かす五ヱ門に、再三〈動くな、おれに近づくとロクなことはないぜ〉と、ルパンは警告する。そこには、またしても、落とし穴が…、罠にはまる五ヱ門。〈やれやれ、同じ手に引っかかるとは。〉手を差し伸べるルパンの手をとる五ヱ門。こうして決着がつき、次元と合流したルパンが車を走らせていると、またしても、五ヱ門が待ち伏せしていた。そしてすれ違い様に、車をスパッとまっぷたつに斬る。〈やりやがったな、五ヱ門〉と、まっぷたつにされた車で追うルパン、走って逃げる五ヱ衛。楽しい【追いかけっこ】のはじまり。あははははは~♬と、嬉しそうに逃げる五ヱ門、戯れに追うルパン。〈やれやれ、厄介な仲間が一人増えたようだな…〉と、見守る次元という構図で幕引き。おしまい。

 

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◆こうゆづ的*第七話の№1シーン

今回はなんといっても、五ヱ門がルパンと次元の仲間に加わったエピソードが見どころです。ルパンの斬鉄剣の秘伝書にかける想い、一族のプライドをかけた闘いが、いつの間にか、五ヱ門とルパンのコミカルな対決にすり替わっていくところがユニークです。№1シーンは、次元が最後につぶやく台詞と迷ったのですが、最終的には、下記のシーンに軍配があがりました。

ルパンと総帥の対決でルパンが勝利を収めたシーンでの【五ヱ門の台詞】。ルパンには『この勝負はおぬしの勝ちだ。だが、それがしとの勝負は、まだ残っている。いいな。では、また改めて』と話し、総帥には斬鉄剣のお秘密が失われた今、それがしの役目は終わりですな。ではごめん』と声をかけて、立ち去ります。

その五ヱ門を『あいつめぇー。』と、まぶしげな眼で称えて、嬉しそうな表情を浮かべるルパン。ルパンが五ヱ門に〈惚れた〉、完全に心を許した瞬間といえるでしょう。五ヱ門の気高さ、意志を貫く姿勢、不器用な可愛さに、ルパンは魅かれたのだと思います。一方の五ヱ門は不器用であるが故に【対決・決闘】という言葉でルパンと対峙することでしか、仲間に加わる術を知らなかったのかもしれません。

対決シーンで、五ヱ門が、あえて【落とし穴】の罠に引っかかったような気がするのは、私だけでしょうか。ルパンも五ヱ門の頑なさが解けるように、分かりやすく穴を掘り、手を貸した。第五話の五ヱ門と本作の五ヱ門では、ルパンに対する心持ちが、あからさまに変化しているように感じられます。五ヱ門にない軽やかさがルパンにはある。一見、チャラそうにみえるルパンの中に、筋の通った誇り高さのようなものを感じとったことで、リスペクトの念が生じ、惹かれていくようなイメージです。

今回、次元の出番は、冒頭と最後のみと少ないカットですが、それでも次元。心に染み入る言葉を残します。今回の計画に反対するふりをする次元に〈やつとはどうせ、対決する運命なんだよ。〉と、言い放つルパン。次元は、そのルパンの背に向け〈俺を置いていくのか?〉と発言する。〈これは、ルパン家の誇りの問題だって言っただろう?〉と、次元を置いていくシーン。

【オ・レ・ヲ・オ・イ・テ・イ・ク・ノ・カ】10文字。いやー、グッときます。そして、ルパンと五ヱ門の〈追いかけっこ〉を見守るシーンでは、【ヤッカイナ・ナカマガ・ヒトリ・フエタ・ヨウ・ダナァ】20文字。ルパンの行動の先が見えすぎてしまう次元は、苦労性でしょう。状況を把握し、受け入れるのが早いっ、早すぎる!なんという柔軟性、適応力の高さでしょう。今回のお話も、ニヤニヤが止まりません。三人三様の生き方がまぶしいお話でありました。最高!

 

次回第八話は、あの歴史上の人物〈ナポレオン〉にツキをもたらしたカードゲーム、トランプが登場します。ターゲットは、本当にトランプなのか?お楽しみに!

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)