こうゆづ☆の【とおまわり】

令和元年12月に、ブログタイトルを変更しました。心の動くままに、とっちらかったテーマで書いています。

【感想】〈あなただけに読む朗読会Vol.4〉を拝聴して。映像が浮かぶ表現の妙。

ご訪問ありがとうございます。Kohyuzuです。台風が接近している関東地方。今のところ、嵐の前の静けさなのか…厳重警戒の態勢のわりに、うんともすんとも。雨も降っていない東京です。かえって、不気味。今日は、夜の散歩は難しいかなーと思っていたけれど、無事に済ますことができて一安心。

7/5よりスタートした第三幕【不易妖怪noことほぎ】は、先週で終了いたしました。最終幕に向けて、一覧表をまとめる予定ですが、その先は、すこし考えるところがあって、しばらくお休みすることにしました。

妖怪シリーズをなんらかの形で完結できるようにはしたいのですが、どのように最終幕を実施していくかは、思案中です。また近い未来に、妖怪とお会いできる日までお楽しみに!気が向いたときに、当ブログを覗いてもらえると、きっと妖怪も喜びます。しばし、再開のときをお待ちくださいませ。

 

さて、本日は、音魂(おとだま)主催の『あなただけに読む朗読会』に行った感想を。約90分の朗読会は【楽しかったな!】の一言に尽きる。多彩なきらめきを放つ表現は、耳にしていてとても心地よかった。

今回の作品は、推理作家の名手、江戸川乱歩様。私は乱歩の作品は、「D坂の殺人事件」と「芋虫」くらいしか読んだことがないのです。芋虫を読んだときの後味の悪さ、気味の悪さがザラッと残っていたので、他の作品は読んだことがありません。愛のカタチって色々なのでしょうが、私には遠すぎる世界。「怪人二十面相」がシリーズとしては、有名でしょうか。

あらかじめ、読まれる作品は分かっていたので、予習をしていこうかとも思ったけれど、そこは、ホラーですから(←あくまでも、私の考える乱歩作品の括りです)。推理小説を予習していくほど、間抜けなことはないかも…と思い直し、臨場感を楽しむことをテーマに、ドキドキしながら開演時間を待ちました。

 


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まずは、『お勢登場』

こちらは、悪人のお話でした。姦通お勢の夫殺し。未必の故意的なお話。乱歩の作品でD坂しか知らなければ、最後までドキドキしたのでしょうが、芋虫を知っていたので、肺の病で病弱な夫、格太郎は死んでしまうんだなーと、途中で気づいてしまいました。それにしても、小堀先生の語りは、圧巻でした。緩急自在、極まれり。

そして、もうひと作品は『算盤が恋を語る話』

こちらは、恋に臆病で内気な主人公の妄想話でした。読み手によっていくらでも世界観が変わりそうな作品。この作品は、実に痛快で、先生の持ち味が十分に活かされているように感じました。一見、コミカルなんだけど、繊細な部分も垣間見える、最後までグッと、一気に引き込まれる作品。

私が読んでみたいのは、算盤の方だけど、絶対にのっぺらした表現しかできないなーと思いました。先生の解釈がとても面白くて、すごく勉強になりました。

改めて、朗読って奥が深い。だからこそ、老若男女を問わず、朗読に惹きつけられるのでしょう。百人百様の朗読の世界は、上手いとか下手とか、自分で決めつけるものではなくて、自然、聞き手が評価するもので、そこが厳しい世界であるのだとも思う。

下手の横好きで続けるのは自由。だけど、それなりの覚悟が必要ですな。

 

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◆備忘録

江戸川乱歩ペンネームは、エドガー・アラン・ポーに由来)

1894年10月21日―1965年7月28日 三重県出身
1923年4月「二銭銅貨」でデビュー、雑誌「新青年」の初代編集長〈森下雨村〉、推薦文〈小酒井不木〉の助力によるものが大きいとされる。

今回の朗読は、1925年(算盤)、1926年(お勢)の作品で、初期の頃の探偵・本格的な推理小説に含まれる。

1927年世界恐慌で、世相は、退廃的な空気へ。
1937年頃より、検閲が強化され、表現の自由は制限されていく。
1939年の作品である「芋虫」は、発行禁止処分になった。

1939-1945年第二次世界大戦

作品の色は、1955年以降から最終的には、乱歩本来の趣向である猟奇的、残虐性を前面に押し出したものへと変わっていったのだという。

芋虫は、中期の作品といえるだろうが、このときから、すでに、エロくてグロくて気味の悪いという印象は、正々堂々と存在していた。読後感の傾向としては、あながち間違いではなかったらしい。その感情を引き起こすことが、狙いだったんだなーと。乱歩マジックに、しっかり、はまってしまっていたともいえる。

晩年は、パーキンソン病を患っているが、闘病生活を送りながらも、執筆への情熱は色あせることがなかったようだ。

くも膜下出血にて、70歳で永眠。

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50歳が近づく今なら、乱歩後期の作品も楽しめそうだな。他の作品も手にとって、読んでみようと思えた朗読会でした。先生お疲れ様でした。そして、終始ワクワクの時間をありがとうございました。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)