こうゆづ☆の【とおまわり】

令和元年12月に、ブログタイトルを変更しました。心の動くままに、とっちらかったテーマで書いています。

妖怪に会いに行こう!日経〈なんでもランキング〉

ご訪問いただき、ありがとうございます。Kohyuzuです。第一声は〈暑いですねー!〉顔を合わせる人あわせるヒト、見知らぬ人との間でも、もはや呪文のように交わす合言葉になっている今日この頃、本当に〈暑いですねー!〉この言葉を口から発することにもはやなんの意味も価値もないのでしょうが、唱えずにはいられない。

さぁ、そんな暑さを少しでも、緩和したい!そう思ったあなた!チャンスです。ぜひ、妖怪巡業の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

イムリーに、日経プラスの中で、妖怪の街をたずねる記事が〈ランキング形式*1〉で掲載されていました。この暑さでは、頭がホゲーっとなってきて、考える気力も、集中力もおぼつかない。私のブログ魂からすると、完全にアウト!の域に踏み入る行為ではありますが、本日は、あえての掲載記事そのまま【引用】してお届けいたします。

日経新聞を読んでいる方にとっては、なんの目新しさもない記事ですが、私の備忘録をかねて、転記しています(順不同)。ご興味ある方は、目次からどうぞ!妖怪に出会って、すこしでも【涼】を感じていただければ幸いです。それでは、妖怪巡業旅に行ってみよー!

犬好きの方は、こちらもどうぞ👉 バセンジーだもの★唯我独尊の犬との暮らし

 

河童〈岩手県遠野市

民俗学者柳田国男による1910年出版の妖怪や神霊などの伝承をまとめた「遠野物語」の舞台。初めてでも気軽に楽しめる一方、今なお息づく妖怪の空気を味わえる。

河童伝説が確認された14か所で最も有名なのが土渕町の「カッパ淵」。近くの常堅寺の火事を消して狛犬になった、あるいは、水中に馬を引きずりこもうとしたのがみつかり、許しを請うた後、家に入って座敷童になったなどと、言われている。遠野市公認の守っ人(まぶりっと)二代目のカッパおじさんは、「河童は見るもんじゃない。会うものだ」と話し、運が良ければキュウリをエサに一緒に河童釣りを楽しめる。観光協会は「カッパ捕獲許可証(210円)」を発行している。

遠野物語で座敷童が二人いたという山口孫左衛門家の跡は、雑草に覆われた野原。早池峯神社近くの廃校の小学校で、今も座敷童の目撃者がいるなど人と妖怪の距離感が近いのだそう。

市立図書館博物館には天狗の持ち物や孫左衛門家にあった像を展示。妖怪を開設するアニメーションを上映する。

1)主なアクセス:JR遠野駅からタクシーで約10分(カッパ淵)
2)遠野市観光協会サイト:https://tonojikan.jp

【こうゆづ☆EYE】岩手県遠野市といえば、言わずと知れた〈妖怪〉ゆかりの土地ですね。私のブログでも以前、紹介しています。ご興味ある方は過去記事もご覧ください。

 

子泣きじじい徳島県三好市

 年寄りなのに赤ん坊のように泣き、抱き上げるとしがみついて離れない。しまいに命を取る。柳田国男がコナキヂヂと紹介した児啼爺の里。空が狭いと感じるほど急峻な山に囲まれ、不思議な雰囲気だという。

妖怪は70種類、伝承の地は190か所確認されている。事故が起きやすい道などを「妖怪がでる」と警告したのが起源。道の駅大歩危の「妖怪屋敷」には住民自作の「ユーモラスな妖怪たち」を展示。道の駅から児啼爺の石像を往復する約4㎞と、山を登る約8㎞の妖怪ロードには、全28体の手作りの像があり、妖怪たちが大切にされていることを実感する。夕暮れ時がおススメ。

1)主なアクセス:JR大歩危駅から徒歩で約10分(妖怪屋敷)
2)四国の秘境山城・大歩危妖怪村:https://oobokeyoukaimuira.localinfo.jp/

【こうゆづ☆EYE】〈子泣きじじい〉といえば、漫画ゲゲゲの鬼太郎がすぐに思い浮かびますね。水木しげるさんの出身地である鳥取県境港市の「水木しげるロード」では、20数㎝程度の大きさの妖怪のブロンズ像177体が出迎えてくれる。JR境港駅から水木しげる記念館徒歩約10分。境港市観光協会http://www.sakaiminato.net/
鳥取県は、こうゆづ☆未開の地。ゆっくり訪問したい土地のひとつです。

 

逆さ首〈広島県三次市

稲生物怪録と、妖怪研究家の湯本豪一さんのコレクションを集めた日本初の妖怪博物館「三次もののけミュージアム」が2019年4月に開業。稲生物怪録は江戸時代、三次に実在した稲生平太郎(当時16歳)のもとに現れた妖怪や怪異の物語である。串刺しになって部屋を飛び回る無数の小さな首、顔をなめる女の逆さの生首などが登場する。「稲生物怪録」をもとに描いた宇河弘樹さんの漫画『朝霧の巫女』の風景を辿りながら、町をめぐるのも楽しい。

1)主なアクセス:JR三次駅から徒歩約30分
2)三次もののけミュージアムhttps://miyoshi-mononoke.jp/

【こうゆづ☆EYE】稲生家の嫡男は、妖怪がみえたのですね。畠中恵さんの「しゃばけシリーズ」の若だんな・一太郎の周囲は、いつも妖怪たちで賑わっていますが、このようなイメージでしょうか。楽しそうです。妖怪たちとの遊び、私もいつの日か必ず!

 

牛鬼 / 百鬼夜行京都市左京区 / 上京区

京都市左京区には牛鬼と天狗の伝承がある。貴船神社に伝わる牛鬼は、もともとは祭神の従者。しかし、口の軽さが災いし、罰として舌を八つ裂きにされ、死後に牛鬼となって本殿の北にある「牛一社」にまつられたという。

鞍馬寺の天狗については、鞍馬山のカラス天狗が牛若丸こと幼少の源義経に剣術を教えたという話や650万年前に宇宙から降臨した護法魔王尊の使者で大天狗がいるという話も。本殿から奥の院魔王殿への参道は異界観たっぷりであるらしい。

1)主なアクセス:貴船神社叡山電車貴船口駅からバスで貴船下車。鞍馬寺叡山電車鞍馬駅下車、専用ケーブルカーあり。寺社間は徒歩1時間ほど
2)貴船神社http://kifunejinja.jp/   鞍馬寺http://www.kuramadera.or.jp/

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京都市上京区百鬼夜行の道、一条通。大将軍商店街は10月に「一条百鬼夜行」で約100人が妖怪にふんして練り歩くのだそう。陰陽師安倍晴明をまつる晴明神社、頭は猿・胴は狸・手足は虎・尾は蛇の〈鵺(ぬえ)〉をまつる鵺大明神、源頼政が対峙した矢じりを洗った池などがある。

1)主なアクセス:京福電車北野白梅町駅から徒歩5分(大将軍商店街)
2)大将軍商店街HP:http://kyoto-taishogun.com/

【こうゆづ☆EYE】牛鬼の伝承は、西日本地方を中心に様々な物語があります。当ブログで、以前ご紹介した牛鬼は愛洲の里のお話でした。牛鬼は残虐なイメージが強いですが、最も恐怖なのは、人間のエゴがなせる思い込みや行動にあるのかもしれません。涼しくなること請け合いです。物語に興味がある方は、ぜひ、過去記事へどうぞ。

 

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キジムナー〈沖縄県各地〉

ガジュマルに宿る精霊、キジムナーは赤い髪の子どもです。仲良くなると魚を捕ったり、無料で旅に連れて行ったりしてくれるが、心が澄んでいる人にしか見えないのだという。ガジュマルの林は、琉球村(恩納村)が訪れやすい。

1)主なアクセス:那覇から名護行きのバスで約60分
2)琉球村HP:https://www.ryukyumura.co.jp/

【こうゆづ☆EYE】ガジュマルの木は、沖縄県の至るところでみることができます。日経プラスで紹介されたキジムナーは、性善説に基づいた史実からとっているようですが、当ブログで、以前紹介したキジムナーは、厄介な側面をもっている妖怪でした。あわせて、過去記事もご覧になってみてください。違いが浮き彫りになって面白いと思います。

同じ妖怪でも、出会った人によって、良い印象を抱いたり、その逆の印象を抱いたり様々です。境遇やシチュエーションの違いによるところが大きいといえるでしょう。このように、点でバラバラと散りばめられている物語が、突如ひとつの線となってみえてくる瞬間につながる世界は、実に壮大でユニーク。興味が尽きない所以です。

 

九尾のきつね〈栃木県那須町

玉藻前こと九尾の狐。中国の殷の王妃に化けて、国を滅ぼし、天竺で悪行を尽くした後、日本へ。平安時代鳥羽上皇に近づくも見破られ、那須に逃げたが殺された。「殺生石」に姿を変え、近寄ると災いをもたらしたという。今でも周囲に硫化水素ガスが発生し、動物の死骸がみつかるという。もともと、妖怪だったとされるものが見られる珍しい場所。

1)主なアクセス:JR那須塩原駅or黒磯駅からバスで、那須湯本温泉下車
2)那須観光協会http://www.nasukogen.org/

【こうゆづ☆EYE】九尾の狐のお話は有名なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。狐が人に化けるという話は、この頃からまことしやかに言い伝えられていたのですね。なまめかしいほどの艶っぽい女性…絶世の美女の姿が浮かんできそうです。

この場所は、今もなお、当時のドロドロした物語を彷彿させる、なんともいえない風情が漂っています。栃木県は、よい温泉もたくさんあります。ぜひ、旅程に加えてみてはいかがでしょうか。こちらの物語も、以前、ブログで紹介しています。よろしかったら、過去記事もどうぞ。

 

鬼〈京都府福知山市

鬼の代表格、酒呑童子。真っすぐさが心を打つ鬼。大江山を根城にした酒呑童子は、京に行っては、姫君や財宝を奪い、夜ごと酒宴にふけったが、源頼光らによって打ち取られたのだという。他にも鬼伝説は多数残されている。

日本の鬼の交流博物館は、鬼について知るなら一番!国内外の鬼の面580点を展示している。大江山には、鬼の洞窟、博物館近くには鬼の足跡をみることができる。

1)主なアクセス:北近畿タンゴ鉄道大江町からタクシーで約15分
2)日本の鬼の交流博物館:https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/onihaku/

 【こうゆづ☆EYE】鬼の伝承は、我々日本人にとって、もっとも馴染みのある物語ではないでしょうか。幼少期に、ひとつやふたつ耳にしたことがあるのではないかと思います。私は、父方の祖父の家のリビングに飾ってある鬼の面がとても恐ろしくて、リビングに入るたびに泣いていた記憶があります。

お面が怖いというのも確かにそうですが、父が鬼の物語を創作して、私の記憶に植えつけてくるので、その物語から飛び出してくる鬼を想像して泣いていたのだと思います。こうして、父は、自分の創作物語に泣く娘たちを見て、とても満足げな笑みを浮かべていました。マゾですな。

 

以上、日経プラスの妖怪ランキング、いかがでしたでしょうか。記事の最後は【妖怪は地域の宝、寺社や地域にとっては信仰の対象としていることがある。敬意を払い訪問しよう!】と締めくくられています。 同じ〈鬼〉物語でも、その地にねざした逸話が残っています。訪れる際には、その地の歴史や妖怪の物語をすこし学んでみると、さらに、活き活きと楽しい妖怪の世界が広がってくることでしょう。

鬼の博物館があるなんて、私は知りませんでした、580点ものお面が並ぶのを想像したたけでも、涎が垂れてにんまりしてしまいます。京都市内からは外れますが、秋に旅行の予定があるので、時間がゆるせば、ぜひ、足を延ばしてみようと思います。

 

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今日の創作妖怪:妖怪 ねつじこう

冒頭に書いた事象を妖怪にしたならば…というわけで、暑さ=熱+時候の挨拶で【ねつじこう】なる妖怪が〈んぎゃー〉と誕生しました。この妖怪の仲間はたくさんいます。「寒いですね」の呪文を唱える妖怪は【ひえじこう】、「涼しくなりましたね」の呪文であれば【りょうじこう】という具合に、どんどん出てきます。

なんとなく、季節の挨拶というのは、その場に居合わせた人々の気持ちをほぐすような役割を担っている気がします。今までなんのつながりもなかった者たちを、その空間において、一瞬、同志のような心持ちにする【呪文】のようなイメージです。

たとえば、登山をしていると、知らないモノ同士でも、同じ頂上を目指しているという共通の目的が存在するためか、自然、協力体制ができあがる。そこには、挨拶や笑顔というものが存在している、この不思議。私のように、パーソナルスペースが広い人間でも、山の中では、ほとんど気になりません。寝袋で、スシ詰め状態になった山小屋でも案外、平気なのです。

会話というのは、音声の響きを共有することでもあります。自分以外の人から発せられている音を聴覚をもって確認する。あるいは、その空気感を肌、触覚で確認する。犬ならば得意な嗅覚を優先し、親しさを臭いで確認する。一見して、視認できない時空間の隙間のようなものを埋める役割。空間を意識せざるを得ない状況をつくる。人と人とをつなぐ架け橋のようなもの。

会話には、独りごとで自分の口から発せられた〈つぶやき〉を聞いているだけでは、到底、辿り着くことのできない〈領域・空間〉が存在しています。相手がいる場合には、音声を相手に向けて飛ばそうと意識しなければ、伝わらない。暑い、寒い、冷たいという肌、触覚で感じたものを、相手にも受け渡し、共有しようという行為が、自然に発生しています。

単なる挨拶、なんの損得もないように見える、もっとも身近で手軽な行為、けれでも、その本質には、五感をフルに活用し場を共有するという【無意識】のメッセージが込められていると思うのです。

五感のうち、味覚はないって?いえいえ、味覚こそ、好きだとか嫌いだとか判断するのに、大きな役割を果たしていると思いますよ。自分にとって心地よい音を認識した時には、おそらく、味覚は甘く優美で官能的なものを味わっていると思います。辛めのものが好みならば、音を拾うことで、味覚も自然と弾けるような刺激、爽快感を堪能しているのではないでしょうか。ぜひ、心地よい音を意識して、感じてみてください。

そうそう、少し前に話題になっていた〈口の中で味わう音〉を聞くという行為、これは恐らく、大いに〈五感〉を刺激するものだと思います。特に、若年者の間で流行っていたのは、日常が便利になりゆく過程で、五感を意識して使う機会が減ったからではないか、五感を意識的に使おうという無意識が求める試みなのではないかと、個人的には感じています。

 

最後に…74年間の夏、広島

本日、8月6日は、広島市に爆弾が投下された日。暑い盛り、今も変わらぬ蝉の声、上空を騒がせる航空機の飛行の音は、地上で生活している人々に、どのような思いを抱かせていたでしょうか。警報や防空壕とむきあう日々の中、突如、目の前の現実が失われる感覚…。一瞬にして変わった光景、灼熱、爆音、悲鳴、タンパクが燃える臭い、痛み…阿鼻叫喚、これほどまでに、五感を意識したことはなかったでしょう。これほどまでに、五感があることを恨めしく憎んだ瞬間もなかったかもしれません。

五感をかみしめる、その行為に浸る…という行為そのものが、ある意味、豊かさの象徴であるのかもしれません。【74年】この時空間を埋める役割を担うのも、やはり、人の手であり、語り継がれていく声である。〈体験談〉という3文字の漢字表記の中には、古からの【継承と警鐘】の意が、しっかりと込められている。

戦火の事実を胸に、今という現実を、淡々と生きていく。生きることへの執着、自らを奮い立たせる宣言、心機一転、はじめよう、そうしよう。熱く、心に誓った今日という日なのでした。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

Kohyuzu(こうゆづ☆)

*1:専門家12人により妖怪伝承の地を全国28か所リストアップ、①本当に妖怪がいそうな雰囲気がある、②地元に伝わる妖怪を知ることができる、③親子で遊びに行きたい街、という視点からランキング。編集部で集計したもの